つぶやくこと。
いつもの世界から、もうひとつの世界へ。
つぶやくこと。
たった1人のあなたから、果てしなく繋がる向こうへ。
あなたが、いまを伝える。
はじめて感じた、月明かりの静けさを、言葉に変えて。
あなたが、いまを伝える。
なぜか、ふと突然、零れ落ちた涙を、言葉で包んで。
たくさんの気持ちを、小さな言葉の箱につめ込んでいく。
ときには優しく丁寧に。ときには思うまま乱暴に。
つめこまれたあなたのいまが、誰かのいまと出会う。
くじら雲が、青い空で泳ぐ。
るすばん電話から、懐かしい声が聞こえる。
もぎたての桃の、身の締まった果実の食感。
うれしさのあまり、破り捨てた包装紙。
ひとつひとつの出来事は、あなたの元を離れると
とたんに、誰かの元へと届けられ
つめこまれた思いとともに、その人の時間へ広がっていく。
のびやかな歌声のように、それはどこまでも響き渡り
せえの、で走り出した夏の日のように、いつまでも輝き続ける。
かたちを持った、あなたのいま。
いまが創り出す、あなたのもうひとつの世界。
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