ぽーんと飛んでいく。
ぽーんと跳んでいく。
なんというか、そういう感覚が
最近、ないなあと、ふと思うことがある。
雨あがりの
空や雲が映る水たまりを
ぽーんと、跳び越える感じ。
草むらに寝転がったままで
意識だけが、青空に飛んでいく感じ。
赤いゴムまりが、弾んで小さくなるような。
紙飛行機が、すっと、小さくなっていくような。
「軽さ」と書いてしまうと
悪い言葉のようにも、響いてしまうから難しいんだけど
「ぽーん」という感じが、なくなってしまったように思う。
なにをするにも、少し考えているように思う。
例え、それが僅かであっても、そこに「少し」が存在する。
もちろん、人生、いろいろなことを経験しているし
背負っているものも、いつの間にか増えているのだろう。
だから、そこに「少し」が存在してしまう。
しかし、その「少し」があるおかげで
生み出せないものも、多くあるように思うのだ。
映画のワンシーン。
動きだしの、頭の何コマかを削ってしまったような
その勢い、軽さ、透明感。
そんな、身体的なリズムが、生み出す未来
というものに、いつの間にか、辿り着けていないような気がする。
辿り着けなくなってしまったような気がする。
しかし、それを意識してしまっても
「少し」が発生してしまうから
もっと、根本から変えていかないといけないのだろう。
まだ、守るのは、早いように思う。
まだ、止まるのは、早いように思う。
ぽーんと、飛び出して、新しい景色を見てみたい。
ぽーん。