とある、誰でも知っているオンラインサービスの
ブランド&マーケティングのプランを、仕事で考えていたとき
NIKEの宮下公園のニュースが目に入った。
僕はあまりこの件について詳しくないのだが
渋谷区立の「宮下公園」を「宮下NIKEパーク」という名称に変えるという
「命名権」が主軸になっている話だとずっと思っていた。
わかりやすい例でいえば、「CCレモンホール」だ。
あるとき、「渋谷公会堂」が突然、「CCレモンホール」になった。
電通による、サントリーへの命名権転売のビジネスである。
それによって、施設側は、収益を得ることができ
それによって、ブランド側は、ブランドや知名度を上げることができる。
なので、「宮下NIKEパーク」という話も、同じような話なのだろうと
あまり関心もなく思っていたら、NIKE側から数日前に発表があって
「従来通り、『宮下公園』のままとする」、というものだった。
名前は変えないですよ、ということだ。
え、どういうこと?
きっと反対運動などがあって、それに対してのものだろうが
「だとすると、いったい、それはなんなんだろう?」と思う。
家を建てようと思って、どこか、ずっと荒れ地だった土地を買ったけど
「やっぱり、元々の荒れ地のままでいいや」みたいなものだ。
それでは、なんのために、土地を購入したのか、意味がわからない。
とはいえ、まったく意味がない、なんてことするわけがないから
なにか、まだ見えない意味や意図があるのだろう、と考えるのが普通だ。
NIKEは、命名権を使わず、ではいったい、なにをやろうというのだろう。
というか、反対派が問題にしていたのは、名前がどう、とかいうことなのだろうか。
先にも申しあげたが、僕は、この件に関して
さっぱり詳しくもないし、申し訳ないけれど、それ以上の関心もないので
あまりこれ以上、いろいろ考えたり、意見したりしたくないのだが
まあ、そんなニュースが目に入って、ちょっと考えた。
たまたま、ブランド&マーケの仕事をしていたからだ。
この件のような公園や、先に挙げたCCレモンホールみたいに
「施設」の命名権を売買する、というのはこれからも起こるだろう。
そこで、思った。
「リアル」ではなく「オンライン」の世界で
それをダイナミックにやってみたら、どうなるだろう?
ということだ。
例えば「YouTube」。
YouTube側が、収益を求める代わりに
YouTubeという名称の、命名権を売ってしまう。
例えば、コカ・コーラが命名権を取得。
こんな感じだ。
なんだか、そんな悪くないかもしれない。
「YouTube」という、ロゴマークが出ていたところが
「コカ・コーラ」のロゴマークに代わるわけだ。
オンラインの利用者は、かなりの頻度で
このコカ・コーラのロゴを見ることになるだろう。
もう、僕らはYouTubeとは呼ばない。
「昨日、コカ・コーラで松本人志のコント見たんだけど......」と言う。
意味がわからないけど、そういうことだ。
いや、実際には、Coca-ColaTubeとかになるかもしれないんだけど。
或いは「Twitter」だって、名前を売ってしまう。
サービス名は、コカ・コーラだ。
ツイートというのも、コカ・コーラになるかもしれないし
リツイートは、コカ・コーラもう1本になるかもしれない。
意味わかんないけど。
最も大きな取引は、「Google」だろう。
オンライン最大のサービスである。
その命名権をコカ・コーラが取得する。
「グーグルで検索」ではなく「コカ・コーラ」で検索となる。
「ググればいいじゃん」というのも、「コカすりゃいいじゃん」みたいになる。
と考えていて、「いや、逆っていうのもあるのか」と思う。
「コカ・コーラ」が命名権を、「Google」に売れば
「コカ・コーラ」ではなく、「Google」という飲み物になる。
「コカ・コーラ1本!」ではなく、「Google1本!」になるわけだ。
いや......、っていうか、それじゃただ単に
「『Google』という名前の飲み物が出ただけじゃないか?」
という気にもなる。
「コカ・コーラ」は、「コカ・コーラ」だからこそ、「コカ・コーラ」を飲むのであって
中身が同じだからって、「Google」という飲み物は、飲むのだろうか。
あれ?