ほとんどのメンバーと初顔合わせ。
長い付き合いのHISASHIとは15年近く。
かたや、ほとんどのメンバーは初めまして。
しかし、まるで数年続いたバンドのようだった。
ライブの後、NORWAYに関する取材があったので
NORWAYの説明をこう答えた。
「たまたま、学校で遅くまで残ってたら、そこに何人かいて
『バンドやらねえ?』って、適当に組んだようなバンド。
みんな、たまたま、そこに居ただけ。
だから、すごい繋がりと意義を感じる。」
NORWAYの初ライブ。
9pm, 22 JULY - 23 JULY 2011
"Live from the Suite Room"
初めてのライブが、グランドハイアットのスイートルームから
ストリーミングっていうのが、すごくNORWAYらしくて好きだ。
30,000人以上の人が見てくれた。
日本中から、アメリカから、ブラジルから、台湾から。
事前に内容をまったく言わなかったのには理由があった。
メンバーや美雨ちゃんにも口封じをした。
やりたかったのは、あの空間だった。
公開レコーディングと言ってミスリードしたくなかった。
レコーディングはただの「軸」である。
届けるのは、ライブ演奏でもなく、ライブそのものだ。
大切なのは、いまという時間と空間の共有。
幸せな空間を創ること。
そして、それをみんなで共有し、交流すること。
プロデューサーとしての計算式は不安があったが
美雨ちゃんという、素晴らしい存在、そして
メンバー含め、あの場にいた全員と
オンラインで繋がったみんなの持っていた
「良いバイブレーション」のおかげで
描いていたものの、数倍良いものになった。
いや、数倍なんていうものではなかった。
数段違う、空気を生み出すことができた。
紙ふうせんを作ろうと思ったら
熱気球が出来たようなものだ。
楽しい時間が膨らんで、飛んでいった。
みんな、ありがとう。
12時間のストリーミング。
30,000人を超えた視聴者。
完成させるのは1曲。
だけど、そういう数字に現れないもの。
そこに価値があることをみんなが共有した。
ライブが終わって、荷造りを終えたHISASHIが帰ろうとする。
ホテルの下まで送っていくと、HISASHIは立ち止まって言った。
「狙ってた感じになりました?
こういうことする飯野さん、好きっすよ」
NORWAYのおかげで友達がいっぱい増え
もともと友達だったやつは、親友になった。
まだまだ語りたいこと、語るべきことはあるけれど
いまはもう、止めておいたほうがよいかと思う。
観てくれた人たちはわかってくれたと思うし
観てない人たちに伝える言葉を僕は持ってない。
だから、ライブというのは、価値がある。
後は、参加してくれた人たちが、伝えてくれていったら、それでいい。
そして、またみんなでなにかを創り出せばいい。
それが、NORWAYの、"The Never Ending Story"。