朝、新幹線で東京を離れたのに
あっという間に新幹線で東京に戻る。
新幹線の窓から景色を眺める。
いつもなら、ぼうっと眺めてやめちゃうんだけど
今日は、しばらく流れる景色を眺めていた。
気付くと、車内販売の女性が、座席と座席の間の通路を
商品の乗ったワゴンを押して、こちらに向かってくる。
疲れているのか、非情に無機質な表情で
無機質な動作で、無機的に歩いていた。
活き活きと動いて、ニコニコする義務はないんだけど
もっと活き活きとニコニコとしてほしいなあと思う。
その姿が、あまりにもすっとしていて
無機質な印象を受けたので
この役目って、そのうちの未来は
ロボットがやっているのかしらと、思ってしまった。
昔から、展示とかでロボットをよく見てきたが
二足歩行します、とか、踊ります、とか
ペットボトルのキャップが開けられますとか
そういう進化とは、まったく別の方向で
「人間に似せた」ということに目がいってしまう。
最近では珍しくなくなった、二足歩行ロボも
それなりに身長があって、というか人間に大きさが近くて
こちらを認識して、手とか挙げられてしまうと
なぜか、ある種、人間に近い感情を抱いてしまう。
もちろん、それはロボットだし
そんなに複雑な反応をしているわけじゃないんだけど
「見た目」というのが、こんなに大事なものかと
自分でも驚いてしまうくらい、そいつが人間っぽいと
どこか、生物だと認識してしまうようだ。
いや、ぜんぜん人間っぽくなくても
大きさとか形とか、反応などが、どこか人間に近いだけで
そう思ってしまうのだ。
しかし、生物の定義という上で考えると、それはかなり別の話。
細胞があって、代謝していて、繁殖するというのが
ざっくり、生物の定義だとすると、上に挙げたロボットというのは
どれも満たしていないから、さっぱり生物とは違う。
だけど、こちらが「わ、生きてる」とか、生物的な反応をしてしまうのは
見た目だったり、動きだったりするなあといつも思う。
そのうち、新幹線の車内販売の人がやってきて
「わ、よく見たらロボットじゃん!」という日が来るのだろうか。
家に帰ったら、「おかえり〜」とか言って
ソファーに座って、手を振ってくれる
ロボットが、一般的に買えるレベルで販売されるのって
いつくらいの未来の話なんだろうなあ。
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