オフィスの近くに、コンビニがある。
メジャーではない、コンビニ。
車1台通るのがやっとの、裏道のコンビニ。
そのコンビニの前に、昔ながらの八百屋さんがある。
店先に、いろんな野菜を並べて売っている。
オモテの恵比寿とは思えない景色である。
ついさっき、その前を通ったら
お母さんと、4〜5歳くらいの男の子が
八百屋さんに、買い物に来ていた。
その子は、半分に切ってある、かぼちゃを抱えながら
「かぼちゃ、買おうよー」
「かぼちゃ、買いましょう」
「かぼちゃ、かぼちゃ〜」
と無視する母親に、ずっと語りかけていた。
ハロウィンとか、そんなもの、全然関係ない
恵比寿の路地裏の八百屋さんで
なんとも言えない、息苦しさみたいなものに包まれた。
「かぼちゃ〜」
「かぼちゃ〜」
なにこれ?
なんで、こんなにたまんないんだろう。
苦しくて、コンビニの自動ドアに頭、ぶつけそうになった。
まだ、苦しい。