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February 01, 2008


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『おやすみプンプン』

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『おやすみプンプン』の2巻が出た。

読んだ。
やはり、このマンガは面白い。
素晴らしすぎる。

これで安心した。
これから、主人公たちと、しばらく世界をぶらぶらと
ときには、はらはらと、探索できそうだ。
楽しみだ。


作者の浅野いにおは、前から気になっていて
『素晴らしい世界』や『ひかりのまち』
そして、『ソラニン』など、デビューからいろいろ読んできた。

彼の、というか、彼の世界の持っている
独特の空気感や、人間、そして人間関係の表現が好きだ。

失礼ながら、「だけど……このテイストかなあ」と思っていたところに
『おやすみプンプン』だ!


あまりにも表現が新しすぎる。

「この表現があったのか!」と、最初は驚いた。
いまもずっと、驚いている。

彼の持っている素晴らしい世界観に、「彼の表現」が加わった。
めったにない傑作となる予感でいっぱいだ。


主人公のプンプンは、小学校5年生の男の子。
……というと、子どものマンガ、のように思えちゃうけど
しかし、ここがすごい。これがすごい!

なんていっても、主人公が、「キャラ」なのだ。
といっても、意味がわからないだろう。
僕も、なんとも説明のしようが難しい。

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上にマンガのコマがあるが、下に太い線で描かれたキャラがいる。
それが、主人公のプンプンなのだ。


いや、いままででも、心象表現などで
こういう表現をするマンガはあった。
しかし、これがずっとなのだ。

主人公のプンプンは、ずっとこのキャラで描かれている。
普通の小学校5年生の男の子として。


自分である主人公が、自分を見つめた表現と言えるのだろうか。
例えば、僕らだって、普通に生活をしているときは、自分は見えない。
見えないどころか、なんとなく、リアルではない
自分をイメージしているのではないだろうか。
主観的に見た、客観イメージ。

このマンガでは、そういう手法が取られている。
意図まで合っているか、どうかはわからないけど。

彼と彼の家族が、このなんだかわからない
鳥のような、ヒヨコのラクガキのようなキャラとして描かれ
ほかの普通の人間たちと、普通に暮らし、生きて、交わってる。

新しい!
ステキすぎる。


もちろん、手法だけが素晴らしいわけではない。
そこには、浅野いにお独特のドラマが潜んでいる。

母親に暴力をふるう父親。
しかし、そんな父親のことをプンプンは好きだ。
父親は暴力によって、逮捕されてしまい、家におじさんがやってくる。
おじさんは、父親や母親とはまた違った世界を持って、やってくる。

そして、転校してきた愛子ちゃんに一目惚れ。
愛子ちゃんとの未来を夢見ることで、プンプンは生きている。

しかし、愛子ちゃんには、ヒミツがあった。
そして、プンプンにそのヒミツがばれてしまう。

愛子ちゃんは、プンプンに言う。ここから離れたい、と。
「鹿児島にふたりで行ってくれる?」

プンプンが「鹿児島とはどこらへんにある島なのだろうか?」
ととぼけた質問をすると、愛子ちゃんは言う。

「……ねぇ、プンプン……
 もし、約束、やぶったら…
 プンプンがもし、またあたしを裏切ったら…

 今度は殺すから」


もう、絶対買ってー!

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『おやすみプンプン』と『団地ともお』があれば、もう幸せだ、僕は。


Posted by eno at February 01, 2008 06:39 AM


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