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February 03, 2008


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コメント達人のコメント力

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最近、石原慎太郎さんの、「コメント能力」に注目している。
政治能力とか、思想などは、ちょっと横に置いときたい。
いや、暴言が多いのも、よくわかってるんだけど。
「コメント能力」という部分のみ、見つめます。

前から上手いなと思っていたんだけど、注目して、よりわかった。
口げんかしたら、絶対に負けない人だね。


まず、数日前のやりとり。

東京が、2016年に五輪の開催を候補しているからなんだけど
アジアハンドボール(アホ)連名が、ハンドボールのアジア際予選を行うなら
「東京五輪の実現には協力しないよ」って、発言してたことありましたよね。

それについて聞かれた石原さんのコメント。


『そんなものに屈するなら、東京五輪なんてやってもらわなくても結構だ!
 アジア連盟の上にある組織(国際ハンドボール連盟)が、
 実際にビデオを見てこのジャッジはフェアでないという
 結論を下したから再試合になった』

まず、パシっと立場、姿勢を明確にする。
ケンカに負けない基本をよく知っている。

うまいのは、こちらの立場を正当化しながら
相手の立場を、1つ下に下げているところ。
「アジア連名の上にある組織が」という言い回し。
これは見事だ。


そして、中盤。


『そういう実態を顧みず、自分の言うことを聞かないなら
 東京の開催をじゃまするというのは、スポーツマンの言うことではない。
 非常に低級な政治だと思う』

とかみついているが
「スポーツマンの言うことではない」という断言の角度が見事。
特定A難度の技。
角度を変えて、正しい価値観から、相手を否定する。

「スポーツマン」という上で否定しておいて
「低級な政治」というまとめ方も、非常にうまい。


そして、最後。


『JOC(日本オリンピック委員会)は黙っているが
 この問題で、黙っていた方がいい、勝手なジャッジがまかり通ることを
 認めてもいいという日本人は、1人もいない。
 抗議することがまさにオリンピック精神』

「抗議することがまさにオリンピック精神」というのは
歴史に残してもよい、コメント技ではないだろうか。

インディペンデンスデイの大統領の演説を思い出してしまう。


続いて、3日前のコメント。
中国産餃子問題のやりとり。

出だしからすごいが、一気にいきます。


『論外だね、あれ。サリンにもなんだろ、有機リン酸ってのは。
 独裁統制国家なんだから、そこんところはちゃんとしてもらわなきゃな。
 しかしやっぱり、片一方で資本主義やりだすと
 営利優先になってあんな羽目になるんだろうね。
 ほんとに迷惑するわな』

こんなコメント、どの政治家だって
「中国には、これからもお互いの経済の持続と発展のために
 ぜひ、安全面の見直しを……」なんていうのが精一杯でしょう。

それを石原さんは
「独裁統制国家が、資本主義に走ったこと」で斬る。

このコメントで
「中国は、独裁統制国家である」
「サリンの原料が、しっかり管理されていないような国だ」
「独裁統制国歌なんだから、しっかり統制とれ」
「独裁国家が資本主義やると、営利優先になる」
「営利優先だから、あんな羽目になる」
「ほんとうに迷惑だ」
と、あらゆる言葉と印象を残した。

コメント道の師範だ。
マスター。


Posted by eno at February 03, 2008 10:46 PM


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