新幹線で東京へ戻る。
品川駅まで、もうちょいのところで
iPod touchで聞いていた、松本人志のラジオが終わる。
いま何時何分かなと(時計持たないのです)、ケータイを開く。
見ると、あと5分くらいで着くようだ。
微妙な時間を持て余したので、そのままケータイから
iモードのサービス、iチャネルをクリック。
天気やらニュースを見つつ、普段、滅多にチェックすることのない
「占い」を見てみると、「おうし座:1位」と出ている。
おうし座1位!
1日も終わりかけだが、これはいいことありそうだと
上機嫌で、新幹線を降りる。
る……。
る……。
る…………。
嫌な予感……。
嫌な予感がする……。
そう。
なんとなく、ケータイを忘れた気がする。
理由はないんだけど
直感というか、「ぞぞぞっ」という感じがした。
おそるおそる、ポケットを叩いてみる。
慌ててはいけない。
まず右から。
ポケットを叩く。
ほふっ……。
……なし。
残念。
なにも手には、ぶつからなかった。
次に左。
ゆっくりと、そっと。
ラッキーの天使が、舞い降りてくるように。
舞い降りますように………ほふっ……なし。
さぁ後は、バッグだ。
1つずつファスナーを開けていく。
ここかなっ?
それとも、ここかなっ?
あれ、いないぞー。
もう、悪戯っ子ちゃんなんだからぁ。
じゃ、ここだっ!
はい。
……どこにも、なしっ。
はい、諦め。
(そんな理由で、本日は写真がございません)
くそぉ。
面倒くさいことになった……。
なにが、おうし座1位やねん、と思いつつ
とぼとぼとオフィスへ。
オフィスに行く前に、食事をしていこうと
前から行きたかった、恵比寿の「瞠」へ。
魚介系スープの、ラーメン屋だ。
よい評判を何度か聞いていて、行きたかったところ。
美味しいラーメンでも食べて、元気になろう!
!?
ピンとくる。
ここだ。
「おうし座1位」は、ここなんだ!
と確信する。
このラーメン屋のために、あったのだと。
美味しいに違いない。
新しい出会いがそこにあるに違いない。
元気よく、お店に入る。
閉店していた、なんていうオチじゃなくてよかった。
つけ麺をオーダー。
わりと美味しい。
だけど、どこかにある味だし、好みとピッタリではなかった。
「おうし座1位」という感じではない。
とはいえ、「3位」くらいの味。
それなりに美味しく、麺を食べ進める。
「つけ麺のスープを割ってもらうお湯は、頼めばいいのかな?」
なんて思っていると
ピッタリのタイミングで、店員が振り向いて
カウンターの上に、ポットがどんと置かれる。
なんて以心伝心!
これが、おうし座1位なのか?
とすら思う。無理矢理だけど。
置かれたポットを取って、つけ麺用の濃いスープが入っている
小さな丼に、お湯を………。
えっ??
……水だった。
ただの、おかわり用の水だった……。
いや、もしかしたら。
もしかしたら、美味しいかもしれない。
これが、きっかけとなって、ラーメンの仕事を始めて
「いや〜、あのとき、間違って
つけ麺のスープを冷水で薄めなかったら、このヒットはなかったんです。
やっぱり、おうし座1位は、ほんとうでしたね」
なんて、インタビューに応えているかもしれない。
両手で、小さなどんぶりを持って……。
ずるるるる………。
冷たっ!
マズうっ!!