セスナで飛んだ。
プロジェクトの取材、体験のため
メンバーと共に、北海道の北東エリア、女満別へ。
今週はちょうど真夏週で、北海道とはいえ30℃以上。
汗をかきながら、格納庫の前からセスナに乗り込む。
チームに分けて、それぞれ1時間半のフライトが始まる。
横のターミナルに停まるボーイングのジャンボがクジラだったら
こっちが乗るのはアジかサンマに見える。
思い切りダッシュしたら飛んじゃった、みたいな感覚で
滑走路をバタバタと走り続けると、簡単に空へと上がっていく。
空といっても、空と陸の間を飛んでいくような高度。
0m地点から、1000mの高さ。雲の下、山の上。
だから、眼下に広がる、森や林、湖が美しく見える。
それが仕事の目的なんだけど。
女満別を離れ、斜里岳を南に、知床半島へ。
さすがに、日本の最北東だけあって、景色が違ってくる。
最果ての大地。
昨年、世界遺産に登録されたばかりの山岳と海岸を飛ぶ。
半島中部くらいから現れる、海際の切り立った断崖が美しい。
緑の木々がすとんと落ちて白い岩肌を見せ、そのまま海の面となる。
その暴力的ともいえる、自然の力強さを感じさせる造形にみとれる。
クッキーなどの型抜きで、パカっと切ったようだ。
海岸線から山間部へとコースを変えると、人工物がなくなっていく。
原始を感じさせる自然景観。
針葉樹や広葉樹の原生林が隙間無く茂る。
厳しい自然環境が人間の開発を長い間、阻んできたわけだが
そのおかげで、野生がそのまま残された形となっている。
セスナは面白い。
60度機体を傾けてグルっと一周するだけで、かなりのGを感じる。
機首を思い切り下げて降下し、-1Gをふわりと体感した後
突然機首を上げて空を昇ると、身体が押さえつけられる。
カメラを持つ手が重くなる。
1時間半は多くの経験と情報を残して、あっという間に終わった。
フライトが終わり、次のチームが飛ぶまでが、パイロットの休憩時間。
1時間半の長いフライト、仕事を終えたタバコが美味しそうに見えた。
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