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July 13, 2006


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痛みプリン

painpudding1.jpg

昨日は新幹線で三都市を移動。
途中、ミーティングの差し入れを買おうと
駅横の百貨店に入り、洋菓子コーナーへ行く。

ほんとは、ブールミッシュのプリン(美味しい)を買おうと思っていたが
ブールミッシュに行く途中、モロゾフの「桃のカスタードプリン」が目に入る。
「桃」+「カスタード」+「プリン」ってどんな味だろう?
と、興味の方向性がずれて定まり、購入を決定。

6コ買って、ハコに入れてもらって、保冷剤もお願いする。

「しばらくお待ちください」とのことだったんで
しばらく待ちながら、ショウケースを眺めていると
キャラメルバームクーヘンみたいな、Globeのロゴみたいな(懐かしい)
真ん中が先に食べられてしまった巨大プリンみたいな、お菓子を発見。
すごいインパクトだ。子どもだったらガラスをぶち壊して食べたいだろう。
これサンプルだけど。

なんというお菓子かと見ると、「パンプディン」と書いてある。
「そうか、パンプディンだったのか……」なんて思っていると
横に「Pain Pudding」という英文字が書いてある。

painpudding2.jpg

ペイン・プディング? Pain?……痛み?
「痛みのプリン」なのだろうか。
食べたら歯が痛くなったりするくらい、甘いのだろうか。

いや、違う。
たしか、フランス語で「パン」は「Pain」と書くんだった。
だから、「Pain Pudding」。
……って、それへんだぞ。
フランス語と英語の組み合わせになっとるがな。

「パンプディング」という言葉が先に定着している中で
その英語表記を書かなきゃ、となったとき
そもそも「パンプディング」なんて言葉、おかしいぞと気付いたが
変えると伝わらなくなっちゃうんで、「Pain Pudding」としたのかしら。

ていうか、「pudding」ていうのは、調理方法ではないだろうか。
「材料を型に入れて調理する」手法が、「Pudding」っていうんだよね、確か。
だから、「空豆のPudding」なんかもあるわけだ。
デザートとは限らない。
日本語の「プリン」にあたるのは、「クレーム・カラメル(Creme caramel)」だろう。
あ、なんとなくわかってきた。
日本語で「プリン」という時は、「カスタード」を省略しているわけだ。
「(カスタード)プリン」。
カスタードクリームを、Puddingの手法で作った料理、ということか。
あれ? だとすると……。
「Pain Pudding」というのは、「痛み」を型に入れて調理した料理だ。

今朝、別れたばかりの男子高校生の心の痛みや
エレベーターガールの慢性的な体調不良の苦しみ。
怪我の中、無理して試合終了まで戦った地元サッカー選手の足首の痛み。
ゲーム制作者の徹夜の苦しみと、無理なプロデューサーの指示に耐える痛み。
駅前のおっさんの、ギャンブルがやめられない苦しみと
それに10年以上も耐えながらも、支え続けている奥さんの苦しみ。
また、そんな両親の元で受験勉強をしているが成績が伸び悩む、娘の苦しみ。

そんな町のありとあらゆる痛みや苦しみを
大きい鍋に入れて、煮込んで、こして、蒸し上げて、冷やしたのが
この「Pain Pudding」では、なかろうか。

なんてことを考えていると
持ち帰り用の袋が、目の前に置かれていた。
あ……、あ、すいません。

peachpudding.jpg

購入したお菓子のショウケースを見ると、「桃のカスタードプリン」とな。
あっちは「プディン」で、こっちは「プリン」。……細かいことどうでもよくなった。
ちなみに……うまくもなかった。


Posted by eno at July 13, 2006 08:53 PM


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