ついに、最後の取り壊しが始まった。
「これで最後だぜ」と、ショベルカーも元気に働いている。
最後まで残っていたのは、木造のアパートだったが
今日見ると、いつの間にか簡単にぶっ壊されていた。
どこか、その最後まで残っている姿を
がんばれよ、というわけではないが、頼もしい感じて見ていたので
客観的ながら、どこか敗北感を感じた。
我がオフィスのある恵比寿南の道路計画。
防衛庁の研究所の角、茶屋坂のてっぺんから
アメリカ橋を渡った交差点までの、道路計画。
それができると、山手通りからガーデンプレイスまでが一気に繋がる。
地図にドンと新しい線が引かれるわけだ。
上のような地図が、下のような地図に変わる。
何もない大地に道路を作るというのと違って
都市に「道路を新しく作る」というのは、簡単ではない。
元々そこに、「何か」があるからだ。
マンションだったり、ビルだったり、アパートだったり。
だから、「作る」というより、「交渉する」のが大変なのだろう。
シムシティだったら、ガガガと壊せばいいわけだけど
現実には、市長といえども、そんな勝手なことは許されない。
(ちなみに、5月15日のblogの、下から6番目の写真は
シムシティ作者のウィル・ライト)
オフィスを引っ越してきたとき
すでにいくつかの物件が、壊され始めていた。
初めは、「やけにこのへん、建て直しが多いなあ」と思っていたが
どんどんできてくる空き地が、1つの線で繋がったとき
それが、道路の新設計画であることがわかった。
だけど、頑固なんだか、意固地なんだか、立派なんだかわからないが
ずっと壊されない物件もいくつかあった。
それらも、この1年くらいでどんどんと壊されていき
そして、最後に残ったアパートが、今日、壊された。
便利になるんだろうけど、ちょっと寂しい気持ちが残る。
都市計画がどうとか、環境がどうとか
そういうことを言うつもりはないんだけどね。
こんな風だったのが
こんな風になりました。