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December 11, 2007


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新幹線改札インターフェイス

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JR新幹線の改札では
いつも大声が飛び交っている。

「乗車券をお取りくださいー!」
「切符を忘れずにー!」
「切符が出てきますのでー!」


これ、どういうことかというと
新幹線の改札は、そのまま出口になっているところもあるが
在来線への乗り換えのための、新幹線用の改札もある。
というか、そっちの改札のほうが多く存在する。

在来線に乗り換えるため、でなくても
一度、新幹線用の改札を出てから(在来線に乗らずに)
出口への改札を出て行く、という順路もある。

新幹線の切符は
「特急券+指定席券+乗車券」がセットで1枚になっているか
「特急券+指定席券」と「乗車券」の2枚になっている。

だから、出口としての改札ではなく、新幹線用の改札を出る場合は
改札に切符を入れるんだけど、再度、取ることが必要になる。

「特急券+指定席券+乗車券」がセットになっている場合は、その切符を。
「特急券+指定席券」と「乗車券」の2枚の場合は、「乗車券」のほうを。

在来線に乗り換えるにしても、そのまま出るにしても
出口に繋がる改札で、乗車券(が含まれている)、切符を使うからだ。

ま、そんなこと知ってる人も多いと思うが、知らない人のために一応……。


そんなことのおかげで、上に書いたように
新幹線の改札の横では、JR職員が大声でずーっと
「乗車券をお取りくださーい!」と叫ぶことになる。

先日なんて、名古屋駅の改札では
ヒステリックに、声を枯らして叫んでいる職員がいた。

あの人は、1日、ずーっと、あぁやっているんだろうか、と思う。
1日どころか、毎日だったら、かわいそうだなあと思う。


乗車券を取り忘れてしまう人が多いのだろう。

だって、出口への改札の場合は、「そのまま」なんだから。
在来線に多く乗る人の場合は、そのことのほうが多いわけだから。
ここが、取り忘れを生み出しちゃっているわけだよね。


さて、本題。

僕は、ゲームの世界を離れてから
「インターフェイスデザイン」の仕事をやっている。
最近は、やってないけれど。

「それってどういう仕事ですか?」と訊かれることも多いので
この新幹線用改札の件が、いい素材というか、機会だなあと思った。

簡単にいえば、「こういう問題の解決」が、その仕事だ。

もっとも、それだけじゃ面白くないし
ほかにも出来る人もいるだろうから
「気持ちよさ」を追求したり、「楽しさ」を生み出したりしている。


もし、JRから実際に仕事の依頼があって
「こういう問題があるんだけど、解決してほしい」と言われれば
それが仕事となる。

直接、インターフェイスの問題解決ばかりが仕事ではなく
もっと人が集まるようにしたいとか、もっと売上を伸ばしたいとか。
ま、それも問題解決ではあるんだけど
そういうことを、「インターフェイスデザイン」で解決するのが仕事だ。


さて。

ここで挙げた、新幹線改札の問題の場合
なにをどうすれば、よい解決となるでしょう?


解決したいのは、JR職員の喉が枯れる問題ではなくて
切符の取り忘れが出てしまう問題。

単に「乗車券を忘れずに」と、改札の横に注意書きを書くとか
「乗車券が出ます」と、改札機が音声で伝えるとか
そういうのじゃ、あまりうまくないですよ。


答えはありません。
言い方を変えれば、答えはいっぱいあるでしょう。

仕事の場合、予算とか、改変できる規模とかで変わりますし。

改札の工夫なのか、切符の工夫なのか、そのどちらもなのか。
或いは、二重改札の仕組みに問題があるのか。
いや、そこまで大きく変える必要もなさそうだ。


なにかしらいい答えを思いついた人は
インターフェイスデザインの仕事ができますね。

あ、答えはメールでいりませんよ。
だって、答えはいっぱいあるのです。

いい答えを……できればいくつも思いつくのが、大事なのです。


Posted by eno at December 11, 2007 05:19 AM


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