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July 23, 2009


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日食の時間。いつもの時間。

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10年くらい前から楽しみにしていた、昨日の日食。

日本の陸地で見ることができる、めったにない日食。

当初は当然のように、奄美・トカラに行って、日食観測と考えていた。


10年くらい前から、10年くらい後の
昨日のことを、ずっと楽しみにしていた。


しかし、実際は、東京で、カミさんと2歳児の次男と、ただ普通に見た。


奄美・トカラとは違って、ただの部分食だ。

部分食では、見た感じは、三日月とあまり変わりない。


日食というのは、皆既日食以外は、大きな感動はないように思う。

太陽が完全に月に隠れることによって
突然、夜になってしまったように、周囲が真っ暗になり
虫が鳴き出し、温度は下がり、明るい恒星まで見えてくるから
大きな感動があるわけだ。

朝や昼が、突然夜になるわけだから、それは感動的だろう。
太陽の存在を感じ、太陽のありがたみを知るだろう。


昨日の11時頃。
そろそろ、太陽の欠けが最大になろうというのに、空は曇天。
というか、すぐさっきまで霧雨が降っていた。

こりゃ見えるわけないかな、と思いつつも
2歳児の次男が、遊びたがっていたので、そのついでと、散歩に出た。


ぶらぶら歩きながら、たまに空を見るが、なんど見ても、変わらない空。

もう日食は無理だな、と諦め、しばらく歩いて
電車が大好きな次男の要望に応えて、JRの高架橋へ行った。


ふと空を見ると、欠けた太陽。


同じように見えるグレーの空も、薄いところがあるようだ。

カミさんに電話して、「急いで来いよ、見えるよ」と伝える。


写らないだろうなと思いつつも、ケータイで写真を撮る。(上の写真)

僕が空を見上げている姿に反応して、高架橋を通る人たちが立ち止まり、空を見上げる。


しばらくすると、カミさんが自転車に乗って猛スピードでやってきた。


一緒に空を見上げ、雲の向こうの、薄い日食を眺める。

次男は、足下の電車の通過に、大はしゃぎしている。


10年くらい前から楽しみにしていた、昨日の日食は
なんか、そんな感じの、平凡な、いつもと変わらない時間だった。


なんというか、それが、すごくよかった、と思った。


Posted by eno at July 23, 2009 08:01 AM


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