家に帰ると
テーブルに花が咲いている。
綺麗だなあとしばらく見つめる。
いつもよりも、立派な花だった。
テーブルの花はカミさんの係だ。
家が明るくなり、テーブルが楽しい時間になる。
以前、我が家の経済状況が悪かったころ
テーブルから、花が消えたことがあった。
たまたまかもしれないし
ほんとに経済状況なのかもしれないし
そこからくる精神的なことなのかもしれないけれど。
テーブルから花が消えた。
僕はカミさんに
たった1輪でいいから、名もない花でもなんでもよいから
テーブルに花を、起き続けてくれと頼んだ。
それから、今日に至るまで
たまに、サボることもあるけれど
テーブルには花が、ずっと咲いている。
家族で守るもの、大切にすること
家族の価値観というものは、こんなものだと思う。
こんなことだと思う。
今日は日曜なのに、東京は雨。
僕は新しいプロジェクトの立ち上げ用、作曲の日。
まだ、家族が寝ている時間に
僕は、そおっと、オフィスに向かうため、家を出る。
誰もいないけれど、まだ暗い部屋で、テーブルの花が見送ってくれた。
だから、ありがたい。
ありがとう。