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March 30, 2009


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思い出のサンフランシスコ

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ひとまず、ちょっと違う話題を。


日本に戻ってきた。


サンフランシスコは、過去最も行った回数の多い海外都市である。
次はニューヨークかと思うが、数倍違うのではないだろうか。

3DOの本社や、Sega of Americaがあったのがその理由だが
初めての海外都市、ということではないにせよ
僕の海外初期体験といえば、サンフランシスコというくらい
思い出深い、繋がり深い都市である。そこに行ってきた。


とはいえ、かなり久しぶり。
なんの用事もなかったから、たぶん9年くらいぶり。

久しぶりということもあって、あちこち行ってみたのだが
少なくとも僕の印象では、なにも変わっていなかった。
観光地のフィッシャーマンズワーフは、たぶん最初に行ったきりだが
まるで時間が止まっているような印象を受けた。
店も空気もいる人々も喧噪も。

東京が変わりすぎているのかもしれない。


変わらず、日差しが強く、温度以上に体感が暖かく
陽気で、広くて、のんびりした街だった。

深夜、ぶらぶら歩いていたら、近くで銃声が聞こえたときは
「おっ、アメリカ!」と興奮してしまった。
興奮するだけで逃げもしないのが、日本人なのだが。


サンフランシスコでは、GDCというGame Developers Conferenceがあって
それを目的に行ったわけだが、朝7時とか8時に起きて食事して
GDCの会場に行ったり(APPLEのイベントでSteve Jobsがよく喋っている場所)
取材を受けたり、いろんな人に会ったりしていた。
夜は、毎日、なにかしらのパーティ。とか集まりとか。

誰かに誘われたり、連れられていったりして、会場も同じとこだったりして
行ったはいいけど、何の集まりだかさっぱりわからないことも。
看板を見て、「あぁこれはGDCのWorld Mixerなんだな」とか。
こっちのパーティがつまらないから、あっちのパーティに行こうと誘われ移動して
さっきのあっちのパーティと、いまいるこっちのパーティと
なにが違うのかわからなくなったり、同じ人に会ってみたり。


こんな機会がなければ暫く会うこともなかったような
アメリカの友人に再会したりして、嬉しかった。楽しかった。

「お前、どうして英語、そんなにヘタになったんだ?」と笑われたり。
人によっては、「こないだより上手になったね」と言われたり。
この10数年で、英語力が、基本的には激落して、この数年でちょっとずつ
取り戻してきているのだなと認識する。


最後の日の夜は、パーティで、サンフランシスコに住む
昔一緒に仕事したことがある友人にあった。すごく嬉しかった。
2ヶ月前に仕事をレイオフされたが、子どもが3人もいるから
がんばって仕事を見つけないとならない......っていうか仕事くれ!
とか言われて、笑ったり、悲しんだり。

そいつに誘われ、一緒に遊ぼうということになり、そいつの友達の家にいくと
ルームシェアしているやつらも5〜6人いて
初めて会う外人7〜8人と、一緒にワハハハと大遊び。
何故かわからないが、日本のイカの乾燥したおつまみが大ブームだった。
こっちのほうが美味いとか、こっちは北海道産だとか、日本人より追求している。

途中、みんなのナイフ自慢が始まって、ビシュンビシュンと飛び出しナイフ。
よく考えたらこの状況、一気に全員が敵に回ったら、オレアウトだな、と
見知らぬ土地の、見知らぬ外人の家で、見知らぬ外人ばかりに囲まれ思う。

でも、みんないいやつだった。
笑顔がものすごくステキで、なんていいコミュニティなんだと思った。
まるで中学校の友達の集まりみたいだった。
いつもあんな感じなのか、こちらを歓迎してくれたのかよくわからないが
なんて良い友情を持ったやつらなんだと、羨ましくなった。
男ばかりで10人近く。みんな、奥さんは怒らないのだろうか。
WBC決勝のイチローは凄い、とみんなが言っていた。
何時間いたかわからないが、誰も一言も、ネガティブなことを言わなかった。
こんなことがあって大変だとか、どこのあいつがどうだとか。
みんなポジティブに、いま、を生きていた。大好きな空間だった。
一気に外人の友達がいっぱいできた。


あっという間だった。
3泊しか時間がなかったから当然なんだけど。


サンフランシスコというのは、思い出深い場所、というだけで
基本的には、退屈な街、だというのが、僕の印象だった。
ニューヨークは面白いけど、サンフランシスコは観光客向けの街だよね、と。

だけど、最後の日の思い出もあって
今回の滞在で、サンフランシスコが、かなり好きな街になった。
というか、結局、人間なんだな、と思った。

日本、というか、東京は、街に少し、頼りすぎているのかもしれない。
クラブよりも、ディズニーランドよりも、カフェよりも、ラウンジよりも
楽しい場所がそこにあった。
自分たちで、楽しい場所を作ろう、楽しい時間を持とうという
意識を強く感じた。


やつらと数時間、遊び終え、車で送ってもらうことになり
「泊まっているホテルじゃなくて、Wホテルというパーティ会場」と伝えると
「えー、まだ遊ぶの!?」と驚かれた。

パーティ会場に車が着くと、一気にできた外人の友達の1人
マウイ生まれの笑顔が最高にステキなやつと、強くハグして別れた。
「またお前に会いたい」と言うと、なんでかちょっと泣きそうになった。
そのくらいステキないいやつだった。
彼から学ぶことが、山ほどあるように思えた。


「遊びすぎるなよ」と言われ、車は去っていった。

結局、そのパーティで、また別の知り合いと再会して
そいつの家に行くと、いっぱいそいつの友人がいて、ワイワイ遊んだ。
そこで、また別の知り合いがいたりして、よくわからなくなった。


自分の気持ちを、ぽんと、サンフランシスコの街に置いたまま
JALに乗って、日本に帰ってきた。


I left my heart in San Francisco.


あいつらと、また、会いたいなあ。

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Posted by eno at March 30, 2009 10:02 AM


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