本気で、「怖い話」というわけではないので、ご安心を。
昨晩、カミさんに「パンを買ってきてくれ」と頼まれた。
とはいえ、もう夜遅くだったので、パン屋ではなく、コンビニへ。
1歳の次男が、退屈そうにしていたので
外に出れば、ちょっとは気晴らしになるだろうと、連れて行くことに。
しかし、1歳なのに、ずいぶんな夜型である。
次男を右手で抱えて、家を出る。
ちょうど右腕に、ちょこんと乗るサイズである。
玄関を開けると、廊下は暗かった。
すると、次男が「ちっ!」と言って、左方向に指を指す。
「ちっ!」というのは「あっち!」という意味だ。
エレベーターがある方向を覚えているので、「あっちへ」というサイン。
現在、喋れる言葉は、「ママ」と「パパ」
「いないいないばぁ」をするときの、「バァ!」
お腹いっぱいという意味の「ポンポ」
お茶がほしいというときの「チャーチャ」
そして、「ちっ!」である。
「ポンポ」があっても、「お腹が減った」がないとか
「チャーチャ」はあっても、「食べものがほしい」がないとか
なかなか、面白いものである。
エレベーターに向かって、廊下を進む。
わざと廊下の途中で止まって、「どっちだ?」と訊くと
エレベーターのほうを指さし、「ちっ!」と言う。
ちゃんとわかっている。
そんなことを、2〜3回、繰り返して遊ぶ。
やがて、エレベーターホールに着く。
エレベーターが見える前で、「どっち?」と訊く。
当然、エレベーターのほうを指さすかと思っていたら
いま来た、廊下のほうに、指を向けて「ちっ!」と言う。
「そっちじゃないだろ?」と笑って、もういちど訊く。
すると、また、廊下のほう、僕の背中のほうに指を向けて、「ちっ!」と言う。
「部屋に帰りたいのかなあ?」
と思って、振り向くと
真後ろに、ヌッと警備員が立っていて
びっくりして、ぶったまげて、うわぁと声を出しそうになった
そんな、暑く湿った、夏の日の夜。
マジでびびった。