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July 09, 2008


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恵比寿「こづち」

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恵比寿の定食屋、「こづち」に行った。

ずいぶん、久しぶりのことだ。
2年以上になるかもしれない。
オフィスが、店のすぐのところにあった頃は
週に1回は食べていたというのに。

といっても、いまも歩いて7〜8分だから
場所が理由じゃないのかもしれない。
なにが理由だろうなんて、考えたくもないけど。


ずいぶんぶりで、店に行ったりすると
「おっ、久しぶり!」なんて言われるのが照れくさくて
そんなつまらない理由で、さらに遠ざかったりするんだけど
今日は、どうしても、野菜炒めの定食系が食べたかったので
久しぶりに足を運んだ。


すると、予想通り、「おぉっ、久しぶり!」。
照れくさいけど、どこか嬉しかった。

いまから10年近く前は、よく行っていた。
もっとも多い頃は、週に2回くらい食べていたかも。
たぶん、数えれば、100回は行ってると思う。
ここ、2年以上は、行ってなかったんだけど。
ていうか、過去に100回行ってる店なんて、ほかにあるのかしら。


「こづち」は恵比寿を代表する店だと思う。

ガーデンプレイスやウェスティンホテルにあるレストランとか、カフェとか
そういう店は、恵比寿ではあるけど、恵比寿の代表ではない。
恵比寿にいる人も行くけど、恵比寿に来る人が多く行く店だ。


こづちが、恵比寿的であると思うのは、もう1つ理由がある。

それは客層。

他人に、恵比寿のいいところを訊かれたとき、必ず答えることがある。
それは、人種の多様性だ。豊かなのだ。

恵比寿には、サラリーマンも、おじいちゃんも、子どもも、アーティストも
学生も、クリエイターも、ヤクザも、音楽やってるヤツも、外国人も、みんないる。
男女比も、ちょうど半々くらいではないだろうか。
僕は、こんなバランスの良い街、ほかには知らない。


そんな街だから、店では、いろんな人が横になる。
歳が、3倍くらい違う同士も。
失恋の数が、5倍くらい違う同士も。
年収が、10倍くらい違う同士も。

だけど、このバラエティ豊かな街の人種の、すべてが集まる店は知らない。
この「こづち」を除いて。


昨晩も、カウンターの狭いほうの席では、イギリス人と女の子のカップル。
僕の座ったカウンターの長いほうの席には、サラリーマン、学生、奥に若い女の子。
僕の横に後から座った人は、いくらなんでもというくらい正体不明のおじさん。
入ってくるなり、「酒、呑んじゃおうかな」と、聞こえる程度の小声で呟き
大将に「酒?」と訊かれると、「うん。冷やで」と答え、酒が来るまでの間
カウンターにある、カレー用紅ショウガを手のひらに乗せ、パクパクと食べていた。
僕、こういう人、大好き。


食べながら思ったが
ある意味、僕の懐かしの店だし、2年以上ぶりだったわけで
ふつう、「懐かしいなあ」とか思うものだが
まったく思わない。まったくそう感じない。
それは、いまも変わらず、元気だからだろう、と思った。


この店、もちろんずっと続いてほしいが、もし、この店が、なくなることがあったら
恵比寿が、恵比寿じゃなくなってしまうのだと思う。
僕を含めて、数百人にとっての、恵比寿、ということでしかないけれど。

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ここのポテトサラダ、美味いんだ。


Posted by eno at July 09, 2008 02:54 AM


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