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March 10, 2008


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のび太と緑の巨人伝

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息子と、息子の友達と一緒に
映画ドラえもん『のび太と緑の巨人伝』を見に行った。
一緒に、と思っているのは僕だけで
息子たちからすれば、保護者なのだろうけど。


まだ、公開したばかりなので
情報を入れたくない、という方は
ここから下は、読まないでくださいませ。

ていうか、見ていない人には伝わらない内容になっているかもしれないけど。

ネタバレしています。

少し、間を空けますね。




















さて、正直に言いますが
僕、後半の展開、意味、わかんなかったです。

そんなこと久しぶり。

ドラえもん映画、ということで
ぼうっと見ていたとこに急速展開、というのもあると思うんだけど
映画見て、状況と展開を追えなくなったの、10年ぶりくらいかもしれない。

映画の後半。

あれ? なにがどうなってるんだっけ?
あれ? なんでこうなったんだっけ?

と思っているうちに、映画、終わってしまった。
細かいとこ、掴めなかった。

映画が後半になって、急に3倍速になって
あらら、あらら、とリモコン探しているうちに
終わってしまった、という感じ。

映画は、それなりに見ているほうだし
数人で見に行くと、映画が終わってから
「あそこは、あれが伏線になっていて、だから、こうなったんだよ」
とか聞かれて、説明係になったりすることもあるんだけど
まさか、ドラえもん見て、ストーリー追えなくなるとは思わなかった。

でも……少なくとも、これ、子ども見て、わからないでしょ。


ドタバタのギャグ……頭ぶつけたり、コケたりは、ものすごく多かったから
小さな子どもは、単純にドタバタとして楽しめたと思うけど
小学校中学年〜の、ドラえもんのコアターゲットは楽しめたのかなあ。


それよりも。
『のび太と緑の巨人伝』というタイトルからわかるように
今回は、「環境」がテーマなんだけど、描き方がちょっと疑問だった。

『ドラえもん』というのは、夢や希望を与える作品だ。
子どもの夢や希望を叶えるのが、『ドラえもん』ではないのだろうか。

それが、どんな大きな夢でも、小さな希望でも。
僕の知っている『ドラえもん』は、それが必ず入っていた。

どんなんでもいい。

「恐竜を飼ってみたいな」
「テストで100点取りたいな」
「自分の未来を見てみたいな」
「おやつをお腹いっぱい食べたいな」
「しずかちゃんのお風呂見てみたいな」

なんでもいいんだけど、それが見る者、子どもの気持ちを
グイっと引っ張って、作品と一緒になれる、大切な要素なのではないだろうか。

「空を自由に飛びたいな」という、あの旧作の主題歌の歌詞が
『ドラえもん』の最も大切な要素を表している。

そして、「映画」ドラえもんというのは
そういうところから、グイっと引っ張って掴んでいって
大きなテーマが現れ、メッセージを残す。
映画にしかないアクションなんかを入れながら。

ストーリーを追えなかったのは、僕の問題かもしれないけれど
「夢や希望の要素」が、あまりにも足りなかった。

そういう描き方で、環境をテーマにしたら
もっと、ぜんぜん残るものがあったと思うんだけどなあ。


なにより気になったこと。

今回、「そりゃないよ」と思ったのは
ひみつ道具が、ほとんど出ない、ということ。

冒頭で、ほとんどのひみつ道具を、未来に修理に出す
という設定で、物語が進んでいくため
ひみつ道具が、さっぱり出ない。
たぶん、4つ〜5つくらいしか出なかったし
メジャーな道具は、ぜんぶ出なかった。

これ、意味、あるのかなあ。
環境と絡めた、なにか意図があるのかもしれないけど、それは伝わらなかった。
『ドラえもん』を見ている気がしなくなっていった。

マントを失ったスーパーマンみたいな
そういう設定であれば、それはそれで楽しめると思うけど
中途半端に道具が使えない、という意図がわからない。
「道具がなくたって……」とか「道具に頼らないで……」とか
そういうメッセージは感じられなかったし。

『ドラえもん』を見に行ってるのになあ。
そりゃないよなあ。


良かったところもある。

「家族」を描くシーンはよかった。
これは言わないほうがよいと思うので、やめますが
ちょっとずるいと思うくらいの、過去の名シーンから1つ引っ張っていた。

それだけではなく、ママとパパがよかった。
そこをテーマにした作品以外では、最もよく描けていたのではないだろうか。
「親バカ」という名の愛情は、素晴らしいね、やはり。

家族だけではなく、「日常」もよく描けていた。
ジャイアンとスネ夫が、フェンスで遊んでいるシーンがあるんだけど
これは、見ていない人に伝えるのは難しいんだけど
あの溶岩遊びの差し込みは、感心してしまった。
赤いじょうろの子どものシーンもよかったなあ。

うーん。そう思うと
前半は、ゆったりと優しい感じで、いい映画だったんだけどなあ。
そのギャップもあるのかなあ。
前半、というか、日常は、ほんとよかったなあ。


ほかに良かったところは、美術。
緑の惑星に行ってからじゃなくて、のび太の世界。
ものすごく美しかった。

あと、ジャイアンと水汲みに行った子どもの声優がよかった。
もし、声を使う仕事を、いましていたら、間違いなく頼みにいきたい。


いま思ったんだけど……、もしかして、これ
原作が長編であって、それを映画にするとき、短くまとめてしまって
なんだかわからない展開になってしまったのだろうか。

「巨人伝」ていいう映画なのに
とにかく巨人周辺が、どれもよくわからなかったんだよなあ。
どうして、アノコ(わざとぼかしてます)が、巨人になる必要があるんだろ?
緑の惑星と地球が、突然、繋がったのも、理由がよくわからないなあ。
僕が聞き逃していただけなのかしら。
もう1回見たら、もうちょっと理解できるのかなあ。
て、マトリックス3じゃないんだからね。

いまから見に行く、お父さん、お母さん。
託しますので、気合い入れて、見てください。

でないと、終わってから、子どもに説明ができなくなります。


……っていう、『ドラえもん』ってどうかなあ。

「植物を大事にすることは、なぜ、大切なんだろう?」

そこだけでいいから、ちゃんと描くべきだったのではないだろうか。
夢と希望をフックにして。


しかし、あの緑のタケコプターみたいなの、なんだったんだろうなあ?
ほんと、僕は、わかんないことだらけ。

『ドラえもん』、大好きなのになあ。


Posted by eno at March 10, 2008 01:45 AM


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