ミーティングで、ちょっとした意見が出たので
「それって、言ってみればロールプレイングゲームで
ゲーム中に、「ウィンドウの処理を担当してます」っていう
キャラクターと出会うようなもんだよね?」
とコメントした。
分かりづらい話と例えで申し訳ないですが。
それって面白いなあ、と思った。
その世界観というか設定が面白いだけではなく
面白いなあ、と思ったことがもう1つ。
ふつう、ゲームソフトというのものを対象したとき
それは、ゲーミングが面白そうだとか、面白くなさそうだとか
売れそうだとか、売れそうにないなあとか
そういうことを、ついつい考えてしまうわけだが
まったく、そういう部分じゃないもので
「面白いなあ」と思ったのは、久しぶりのことかもしれない。
ということ。
話を戻す。
ロールプレイングゲーム。
3Dバリバリとかではなく
わりと昔のタイプのイメージ。
プレイヤーはいつものような主人公。
旅の途中、人に会う。
その人は、「ウィンドウの処理を担当している」という。
ウィンドウというのは、「ピッ」て、ボタンを押したときに出てくる
レベルとか、ヒットポイントとか、書いてあるやつ。
ウィンドウは、ほかにもいっぱいあるけど。
それの「処理」を担当しているという。
ウィンドウ処理の彼は言う。
「気に入ってもらえてます?
残りのヒットポイントが少なくなると
ワクが白から赤に変わるようになってますよね?
あれって、ドラクエ見たときから
やってみたいなあと思っていたんですよね」
そんなこと。
さらに、旅を続けていくと
主人公は、魔法使いに、魔法で、小さくされてしまう。
指先くらいのサイズになってしまう主人公。
すると、石ころの向こうに隠れたキャラクターに気付く。
「大丈夫だよ」と声をかけると近づいてきた。
手に「笛」のようなものを持っている。
聞くと、「ワタクシ、効果音を担当しているモノです」という。
驚く主人公。
「ということは、さっきまでずっと聞いていた
レベルアップの音とか、コマンド決定の音とか
ぜんぶ、こいつが演奏していたのかぁぁああ!」みたいな。
「小さくて見えなかったかもしれないけど
ずっと、耳元で演奏していたんです……ほうらね。ピロロン!」
「うわ、小さくなると、音デカっ!」」
そんなこと。
ゲームとしてではなく、そういう角度で
その設定で、ほかにも例がないかと考える。
こういうことか。
そのゲームにおける悪というのは
ゲームそのものを破壊する存在であると。
違うな……。
「プレイヤーがゲームを楽しむこと」
自体を破壊する存在であると。
そういう感じか。
ゲームを構成するエレメントの世界。
様々な要素=エレメントたちが住む世界。
そこで生まれた悪が、エレメントの世界をこわしていく。
すると、それがプレイヤーのプレイとか
ゲーミングに繋がっていく。
プレイヤーがプレイできなくなってしまう
あるいは、しなくなってしまうことが、その悪の目的。
なぜなら、プレイヤーがプレイしなければ
この世界の存在意義がなくなるからだ。
ほうほう。いいぞ。
ゲームとしては面白くなさそうだけど
……なんだろう、この感覚。
途中、「メッセージ国」がある。
そこにメッセージ王、という王様がいたが
敵にさらわれてしまった。
すると、ゲーム内のメッセージ=人の言葉が
「宿屋でチュかー? ここカラ、マァァァアァアアーースグ
いっったったったサキに、アリマフぬーん!」
「トラールの街だよよよよよぉおお〜ん。チェベックス!」
「1泊30ゴールドだよ。泊まっていくかい? 阿藤快?」
とか、バカバカしくてプレイする気になくなるものに
すべてのメッセージが変わってしまう。
……これは困った。
プレイヤーのモチベーションを下げる攻撃だ。
ほうほう。
ふむふむ。
コピーライツ村が、最初に襲われたあとに
タイトル画面に行くと、(C)表記が1コなくなっている。
それは、かなり酷いな。
さっきの効果音担当のキャラクターが
旅の途中で死んでしまうと、効果音がいっさいなくなる。
主人公は、キャラクターが吹いていた笛のようなものを拾う。
別の場所で、効果音を担当できるという、別のキャラクターに出会う。
「助けてやってもいいけど、そのかわり、頼みたいことがあるんだ……」
ちょっとした冒険の後、彼が仲間になる。
しかし、楽器がないという。
死んだキャラクターの笛を渡すと、音が鳴った!
しかも、前に比べて、ずいぶんリッチなサウンド。
ピコピコ音じゃなく。
「え? そっち? 楽器じゃなくてキャラに依存してるの?」
みたいな。
うわぁ、こりゃゲームが見えない。
さっぱり売れなさそう……。
……と、やはり
面白そう面白くない、売れそう売れないで
判断してしまうのであった。