blog5周年の祝いを、メールで多くいただいた。
(すべて読んでおります)
幾つかのメールで
CDや本の紹介が、参考になっているとか
最近、紹介ものが少ないですね、など、いただき
意外なニーズを感じつつも、有り難いなあと
この頃、読んだり、聴いたりしているものを
それぞれのジャンルから1つずつ、紹介します。
ちなみに、ウェブサイトや動画、写真などは
ある時期から、右のリンクにあります
「eno tumblr」に寄せてありますので、そちらをどうぞ。
まず、マンガから。
『ゲロゲロプースカ』:しりあがり寿
これは素晴らしかった。
読んでいる最中、読み終わった後
ある特殊な気持ちになる、マンガがたまにあるが
久々に、そんな気持ちになった。
作家の呟きを聞いているようで、ドキドキしながらページをめくった。
マンガというのは、普通、雑誌に連載され、その後コミックになる。
雑誌に連載をするという時点で、なかなか、その作家の
人生観とか、思想、心の中のもやもやしたものを作品にするのは難しい。
小説だと、そういうものが当たり前にあるが
マンガというメディアでは、なかなか実現しなかったりする。
『ゲロゲロプースカ』は、しりあがりさん自身を読んだ気がした。
有名な『弥次喜多』シリーズも、作家性の高い、面白いマンガだったが
『ゲロゲロプースカ』はストレートだった。
作品を出して20年くらいになる作家が、いまこれを出したのかと思うと
なんというか、もうすごいなあ、というしか言いようがない。
祖父江さんのブックデザインも素晴らしい。
次に、活字書。
『無限の本質』:カルロスカスタネダ
リサ・ランドールの『ワープする宇宙』と悩んでこちら。
まだ、読んでいる最中なのに、これを挙げたい。
「ドン・ファン」シリーズの最後の作品。
UCLAで文化人類学を専攻する作者が、在学中に
ヤキ・インディアンの呪術師、ドン・ファンと出会い
会話の中、探求の世界へと導かれていく、という本。
こういう類の本は、と言ったら失礼かもしれないけれど
山ほど読んだが、この作品はほんとに面白い。
僕らにまとわりついてしまっている、言語からの
解放から始まる、「この宇宙」の認識。
深遠を見つめるための、新たな角度の提案。
もう早く続きが読みたくて、仕方がない。
明日の新幹線で、読むのが楽しみだ。
自己のマーケティングのような、スピリチュアルな本を何冊も読むよりも
この1冊を読んだほうが、探求の手がかりは見つかると思います。
残念なのは、これが遺作となってしまったこと。
最後に、音楽。
『WALLS』:apparat
この数ヶ月の大ヒット。何度も聴いている。
ジャンルで言えば、エレクトロニカとかテクノなんだけど
そういう言葉では、まとめることができない、音の宝箱。
音が、波動が、色彩が、波のように押し寄せてくる。
「音楽」って凄いなあ、楽しいなあと、改めて思う。
この技の広さというか、幅の広さは、すごい。
デジタルだとか、生だとか、そんなことを言い合っていたのはいつだっけ?
と思わせる、とにかくえぇものはえぇだろ、という作品。
繊細で、ドラマティック。生のストリングスが美しい。
このCDが、トップチャートに入るような状況になったら
もっともっと、音楽は面白くなるのになあ。
マスタリングも凄いね、これ。
音楽が好きな人は、ジャンルとか気にせず、聴いてほしい。
2作目に挙げた、『無限の本質』は、amazonで購入したのだが
本に挟まっていた、補充カードの書店名が「11F」。
オンラインの11階は、どういうものなのか見てみたい。