なんか、ないもんだろうか、と思う。
例えば、どこか平日の夜に。
仕事もそこそこ、ちょっと気分転換したいなあとか。
息抜きが必要だけど、1人でいるのもなあとか。
そういうときに、行く場所って?
クラブに行く?
いや、音楽ガンガンで発散、という感じでもなく。
カフェに行く?
いや、誰かと二人っきりで会話というわけではなく。
レストラン?
いや、食事ではなくて。
上の中だと、そういうときは、クラブが近いし
ラウンジっぽいところだったら、もっと近いんだけど。
しかし、そこに行けば、音に身を任せるか
そうでなければ、そこにいた誰か知り合いと会話でもするわけで。
そういうんじゃないよねえ、というときの場所がない。
「こうしたい!」というのではなく。
子どもの頃、面白い友達の家に遊びに行くような、ね。
僕は、音が好きだし
常に、いろんな音と出会いたいと思っているわけだけど
例えば、クラブだと、一応のある領域の音であることが決まっている。
決まっているなんて言ったらよくないかもしれないけど
踊れるとか、身体が動くとか
最低限、そういうニーズを守った音楽となるわけだ。
なぜ?
クラブだから。
それは、それでよいわけだ。
それを、否定しているわけではない。
だけど……。
そんなのばっかりじゃねぇか、と思う。
僕は、これから「新しいカテゴリーの創造」が
ビジネス面でも、単におもしろ面でも、重要になってくるとよく言っている。
いや、そういうものが、メジャーになっていくとか
そういうことを言っているわけではない。
明確なニーズがあるときのほうが多いと思うし。
「四川料理が食べたいなあ」とか。
「エレクトロで気持ちよくないたいなあ」とか。
「久しぶりに会う友人と2人で語り合いたいなあ」とか。
だけど、そうじゃないときもあると思うわけ。
明確なニーズが決まってないからこそ、ワクワクできると思うわけ。
僕がもっと若かったときは、「街」がそれを受け止めてくれた。
代官山に行ってみようとか、青山をブラブラしようとか。
街に対して、ワクワク感があったんだよね。
誰かと会うかもしれないとか、なにかが起こるかもしれないとか。
あ、新しい店、発見した、とか。
話しを戻すと、機能じゃない価値、ワクワクという価値が
だんだんと、必要になってくる、支持されるようになってくると思う。
新しいカテゴリーの創造が重要なんだ。
飽きちゃうというか、見えちゃうとワクワクしなくなっちゃう。
やる前に見えちゃう。行く前に見えちゃう。
これは、どんなことにも当てはまっていくと思う。
ワクワク感という面において
オンラインに負けしまってるんだよね、リアルな世界が。
実際どうかということではなく、可能性という面において。
上で述べた「街」というものが、いまでは、オンラインなんだと思う。
いや、場所に限らず、なんだけどね。
これからのクリエイターが、クリエイティブをしていく上で
大事な考え方が、新しいカテゴリーというものだと、僕は確信している。