誕生日だ。
当たり前だけど、年を重ねる喜びはない。
年が増えても、なにかが変わるなどないからだ。
これで免許が取れるとか、来年は中学校だあ、とかね。
つまらないから、なにかあればいいのにと思う。
30歳はレタスが半額で買えるとか。
40歳になるとミドルネームを付けないといけないとか。
じゃあ、なんにもないのかというと
「誕生日なんて、なにも感じないね」ということでもない。
数年前は、そんなこと言っていたかもしれないけど。
もうちょっと考えるようになった。
それこそ歳を取ったというものだ。
「自分が誕生したんだなあ」と深く思う。
誕生、というのは、なかなか深い。
なにしろ、自分が誕生したときを覚えていないのだから。
なにもないところから、誕生した、らしい。
ぼーっとした時期を過ごして、自我が目覚めていく。
ちょっといろいろ考えるようになって、いろいろと体験して
わりといろいろ俯瞰して見られるようになったと思ったら
もうこの歳だ。
過去がボケボケしすぎてよくわからない。
面白い。
歳を取ったら、1年前もいまも
あまり変わらなくなっていくのかと思っていたらそうでもない。
18歳から19歳への1年間とか、24歳から25歳の1年間と
同じようなものじゃないだろうか。
それ以上の成長もないと思うんだけど。
同じくらいの変化。
同じくらいの成長。
今日から、来年の同じ日まで
いろいろなことが起きるだろう。
いろいろな人と会うだろう。
楽しみだ。
来年もこんなこと書いているのかな。