徹夜のまま、京都、名古屋と出張だったので
さすがにくたびれて、直接、家に帰った。
遅い夕食を食べている横で、息子が宿題をやっている。
見ると、漢字の宿題のようだ。
習ったばかりの漢字を使って、熟語や文章を作るという宿題。
ずいぶん、大変そうだ。
火曜はサッカーの練習があるので、へとへとの様子。
放っておいたら眠りそうだ。
こちらが、筑前煮を食べ終えても
ホタルイカを食べ終えても、さっぱり進んでないように思える。
聞くと、1つの漢字に対して
2つの言葉と、1つの文を書くということらしい。
「それ、今日はどれくらいあるの?」と聞くと
漢字ブックみたいなのを広げて、「ここから、ここまで」と教えてくれる。
すると、ハンパない量。
「父」「母」「親」「姉」「兄」「妹」「弟」「自」
「友」「家」「門」「戸」「外」「内」「食」、と15コもある!
1つについて、うーん、うーんと考えていたら
それぞれ3分としても、休みを入れたら1時間近くかかってしまう。
最近の小学2年生はたいへんだなあ。
もちろん、「わかっている」なら、すぐ終わる簡単な問題だ。
「父」だったら、「父兄」「神父」「父親がやってきた」で、いっちょあがりだが
本人は、その漢字自体を覚えている最中なわけで、2つは出ても
最後の1つが思いつかなかったりする。
で、目の前で苦労している。
うんうんと唸っている。
しかも、見本となる漢字ブックに、「お父さん」とか
例が載っちゃっているので、やっかいだ。
……って、漢字ブックに載っている例を、書き取っちゃうのはだめなのかしら。
それはルール違反なのか、と訪ねると
「それは自分のこだわり」という答え。
ほほう。
志は偉い。
が、それはこの先、人生、いろんなところで苦労するぞ。
自分へのルール。
学校の宿題に加えて、自分への宿題。
なんで、宿題に宿題を重ねて、唸っているのか、とも思うが
その父親なんで、理由もよくわかる。
ただやるだけじゃ、モチベーションが出ねぇんだよな。
見ると、まだ半分くらいのところ。
「自」という漢字で文を作っている。
見てみると、「自ら宿題をする」という文だったので、大ウケした。
それ、お前のことだよ。
その後、あまりにも進みが遅いので、家族で協力することに。
カミさんが、真面目にアドバイスしている横で、「外……、『外道!』」
とか、「内……、『内田恭子!』」とか言ってたら、怒られた。
「食……、『Dの食卓!』」は無視された。