ソファに座っていると、息子が本を持ってきた。
「パパ、これ、面白いんだよ……」
本……?
息子、ちょっと前まで、本なんて、読めなかった気がする。
「ドラえもん」をマンガで読むのも、苦労していたじゃないか。
いつの間に、そんな能力をつけたのだろうと、子どもの成長に驚く。
いったい、どんな本を読んでいるのだろうと
息子から手渡された本を見る。
『お金のひみつ −証券会社の仕事−』
えぇええーーーっ!!
「飛び級か!!」
あまりの衝撃に、タカアンドトシ。
ていうか、意味がさっぱりわからない。
小学校2年生なもんで……。
オレ、5年くらい寝てたのか?
お前、いつの間に成長したの?
お金なのか? 証券か? 株なのか? 投資ファンドか?
ちょっとしたら「パパ、有価証券ってなに?」とか聞いてくるのか?
「リップルウッドと日本の関係ってどうなってるの?」とか知りたいか?
「ちょ……。お、お金のひみつ……って?」
とあたふたしていると
「この『ひみつの本』って、面白いんだよ」と答え。
あ、そうか。この「シリーズ」が面白いのね……。
「ひみつシリーズ」ね……。
ちょっと、ほっとする。
いや、納得している場合でもないんだけど。
うまい言い方見つからないが、「最悪の事態はまぬがれた」っていうか……。
「そうか……。で、『ひみつの本』は、ほかにどんなのがあるの?」
「えーと、『宅配ピザのひみつ』……」
うわー!
大小、さまざまやん!!
『お金のひみつ −証券会社の仕事−』
なんじゃそれ、と思いながらも
どんな本かと、中身をパラパラと見てみる。
マンガ仕立てになっている。
あ、マンガがメインなのね……。
子どもの兄弟が寝ているシーン。
朝、ママが起こしても、なかなか起きない小学生の兄弟。
するとパパが出てきて、ブチ切れ!
「いい加減にしなさい! 毎朝毎朝、同じこと言わせるんじゃない!!」
めちゃめちゃ怒ってる。
子どもにブチ切れパパ、という展開に驚く。
なんでも、パパはソフト開発会社の仕事らしい。
……なんだ、その設定?
すると、食事のシーンになる。朝食。
パパはもういない。子どもがママに言う。
「ねえお母さん……、最近、お父さん、機嫌、悪いねぇ」
うわ……、子どもに、心配かけてるやん。
するとママが答える。
「そうねえ、それはたぶん、お父さんの会社の景気が悪いからよ」
えぇーーーーっっ!
そこ? そこにいくの?
リアル路線か、おい!
すると、続けて、子どもが衝撃発言……。
「でも、お父さんの会社、すごい人気のゲームソフトを作ったこともあるのに……」
えぇえええええーーーーっ!!!!!!!