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June 06, 2006


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ordinary world

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新幹線の中では、することがないので
最近、またDVDを見ることが多くなった。
といっても、映画ではなく、ライブのDVDを多く見る。

この日は、買ったばかりのDURAN DURANのライブDVD
『DURAN DURAN LIVE FROM LONDON』を見ていた。
(CDも付いています。もうこういうのってiPod用よね)

新幹線の机が、PowerBookにちょうどよい。
こちらは、LIVE FROM LONDONっていうことで
ウェンブリー・アリーナでの、2004年のライブなんだけど
(17年ぶりにオリジナルメンバーで再結成したときのライブ)
新幹線の中で、ちょっとしたウェンブリーとの一体感を感じていた。

HUNGRY LIKE THE WOLFだの、UNION OF THE SNAKEだの
A VIEW TO THE KILLだの、NOTORIOUSだの、THE REFLEXだの…と
懐メロ感覚溢れる、名曲ぞろいなので楽しめた。
昔はアイドルバンドだったわけだけど、楽曲が良いから
いろいろメンバーが脱けたり、入ったりはあっても、長く続いているねー。
よく考えたら、解散は一度もしていないんだよね。

さて、DURAN DURANは上のいろんな曲も好きなんだけど
93年…その時は、もうオリジナルメンバーではなくなっているんだけど
バンド健在を示した、久々のヒット曲となった「ordinary world」が好きだ。
この曲は本当に美しい。いつ聴いても心に響く。心に届く。
なにかのCMにも使われてし、ヒットもしたから、知っている人も多いと思う。

最近、あまり聴いていなかったが、DVDで久しぶりに聴いた。
メロディもギターの泣かせるフレーズもいいんだけど、歌詞もよい。

著作権の問題あるんだろうけど、サビ

But I won't cry for yesterday.
There's an ordinary world.
Somehow I have to find.
And as I try to make my way
to the ordinary world.
I will learn to survive.

というような歌詞なんだけど
別れた女とのストーリーだと思って聴いていたわけです。

過去は過去として捉えて、断ち切ることも
今日を生きていく上では大切なことだと。
乗り越えて生きていくと。

ordinaryというのは、日本語に訳すのが難しい単語ですが
ordinary worldというのは、ありふれた世界、でも、普通の世界でも
ちょっと違うんですよね。(「ありふれた」がどちらかというと近い)
上にあるよう、歌詞をちゃんと捉えると。

誰かがいなくなった「過去」=そこには、その誰かと自分もいた世界があるわけだけど
もうその誰かはおらず、そして、その過去は過去として断ち切り
過去を、もう悲しまないという決意をしたわけです。
これからの毎日を生きていくために。
そして、目の前にはordinaryな世界が広がっている。
単なる、ありふれた、普通の、ordinaryな日常の世界なんだけど
Somehow I have to find. どうにかそれを見つけよう。
have toとまで言わなければならないところで、つらさと意志が伝わる。

と、そんな構成的にもうまく捻った、よくできた歌詞で、好きな歌だった。
美しく、そして悲しい、恋愛の歌だなあと、過去に何度も聴いた。

相手のことを歌うわけではなく、その思い出を歌っているわけでもない。
今日の自分を歌っているところが、ラブソングとして好きだった。

Once prompted you to say pride will tear us both apart とか
Where is my friend when I need you most? Gone away. とかいう歌詞で
単に別れたのか、死んじゃったのかわからないけど
これって、「サイモン(ボーカル)の実話に基づいていたりするのかなあ」とか
そんなことをヒット当時、考えていた。

そんなことを久しぶりに思い出しながら、新幹線でDVDを見た。
DVDを見ながら、曲に合わせ、中に入っていたメンバーの楽曲に対するコメントを読む。

ライブも中盤の終わり、大好きな「ordinary world」が始まる。
ウェンブリーの観客はちょっと年齢層高めだけど、前だったらこういうバラードは
ライターに火を付けて振っていたのが、携帯電話の画面の明かりだったり。

いつ聴いても美しい、イントロのギターに感動しながら
サイモン・ル・ボンによる、楽曲解説を読む……。

そこで衝撃!
そしたら、この曲、実話じゃないですか……。
しかも、その相手は「恋人の女性」とかではなく、デイブという友達の話。
70年代の後半に、一緒にパンクのライブに行ったような仲だったが
人生につまづいて、ヘロイン中毒になり、1986年に亡くなってしまったそうだ。

そこで、上の歌詞が、グラっと変わる。
ピタっとハマる。
大切な彼だったが、逝ってしまったことを認め、もう落ち込まずに
自分の人生を生きようと思った、サイモンの決意の曲だった…。

もう10年以上も聴いている大好きな曲の、そんな衝撃の事実を知って
ちょっと動けないでいるまま、ヘッドフォンからはサビが流れてくる。
(上の写真は衝撃の事実を知る前)
DVDの画面を見ると、サイモンが心を込めて、歌っている姿が見える。

涙が出てくるわけですよ……。
涙が止まらないわけですよ……。

だけど、そこは新幹線の中なんですよ。
隣には弁当食べている、おっさんが座っているんですよ。

だけど、涙は止まってくれないんですよ。
だけど、どう考えても、新幹線の中でマック立ち上げて
DVDでDURAN DURANのライブ見ながら、泣いてるやつってヘンなんですよ。

ライブ見て泣いているのは、完全に場違いなんですよ。
オレの周りに広がっている世界が、それこそordinary worldなんですよ。

いやぁ、ちょっと、ふいをつかれました……。
まいった。

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Posted by eno at June 06, 2006 08:30 PM


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