久々に、2歳の次男と風呂に入った。
水で流して消える、お風呂で使うクレヨンがあった。
知らない間に、買ったのだろう。
成田エクスプレスを描けと言われる。
息子は電車が好きで、成田エクスプレスが特に好きだ。
赤いクレヨンと青いクレヨンを使って描いた。
描くのは、お風呂の壁、というキャンバス。
それなりに大きいわけで、大きく描いた。
次はイチゴを描けと言う。
赤いクレヨンと緑のクレヨンを使って描いた。
赤と青と緑の3色しかないのだ。
すると突然、「ぼちゃ!」と言う。
絵の依頼であることには違いないが、「ぼちゃ」とはなんだ?
「ぼちゃ? ......ぼちゃってなに? わかんないよ」と言うと
ものすごく悲しいとうか、がっかりした顔をする。
「えー、ごめんごめん。お茶? 違うよな。......あ、わかった!
かぼちゃか!」と言って、描くと、喜んだ。
次から次へと依頼が来ては描いたので、スペースがなくなってしまった。
お風呂のお湯をちゃっとかけて、成田エクスプレスを消した。
最初に描いただけあって、かなり広いスペースを取っていたからだ。
すると、成田エクスプレスは、まるで涙を流したかのように
水のつぶつぶになって、下に流れて落ちていく。
次男を見つめる。
驚いたような顔をしていた。
せっかくの成田エクスプレスを、勝手に流してしまった。
「ごめんごめん」と言い、「もう一回描くから」と
消した上から描こうとしても、水で濡れているためうまく描けない。
あれ......っ。
線は薄く、描いたそばから流れていく。
次男の顔を見る。
ごめん、ごめん、ごめん。
決めた。
お詫びに、成田エクスプレスの絵を練習することに決めた。
次に一緒に風呂に入るときは
電車が通過する音が聞こえるくらい上手に描いてやる。
新型車両も練習しなきゃ。