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October 25, 2007


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見てる。

cameras_1.jpg

いつものように、新幹線を品川で降りた。
やはり、いっぱいあるなあ。

前からずっと気になっているわけだが
品川駅では、新幹線の改札を出た先に
ものすごい数のカメラがぶら下がっている。
上の写真がそれだ。
実際には、左右にもっとある。


まるで、出迎えをしてくれているかのように。
しかし、その目つきは「お仕事ご苦労様」という感じではない。
なにか、冷たく、そして気持ちが悪いものだ。

ぶら下がっているやつらだけではない。
改札を抜けた壁にもたくさんある。
下の写真がそう。

cameras_2.jpg

そこから、品川駅の海のほうではなく、山手線の内側のほうへ
さらに歩いていくと、またカメラがある。
ちょっといくと、またすぐにある。
そして、またある。
もうカメラだらけである。


あれはなんだろう?
「防犯」という曖昧な言葉で、説明されるものなのだろうが
単なる防犯というくらいで、そこまでの数が必要だろうか。

顔認識などしているのだろうか。
逃走犯とか、要注意人物とかを、機械判定して
場合によっては、警察等に届け出たりするのだろうか。


なんだろう?
すごく、居心地が悪い。
気持ちが悪い。

例えば、顔認識が目的だったとして
勝手に、こちらを撮影してよいものなのか?

いまや、街中にカメラがあるのは知っている。
新宿とか渋谷を歩くと、よくわかる。
という事実から考えると、問題ないのだろう。

だけど、勝手に撮影して、場合によっては
警察などに勝手に届け出てよいものなのだろうか?

よいものなんだろうし、防犯に役立つなら
ありがたいことではあるけれど、なんだろうなあ。
気持ちが悪い。
個人情報が騒がれているが、なんでこれはOKなの?
法律の範囲をしているわけではなく、僕らの意識として。


こんな調子で、どんどんカメラが増えていくのだろうか。
品川駅で新幹線を降りて、駅から出るまでに
たぶん、数十台のカメラが僕を撮影している。
この時点で、もう、すごい数なわけだけど
そのうち、1メートル間隔くらいで、カメラだらけになるのだろうか。

或いは、音声はどうだろう。
電車内のいたるところに、マイクが仕掛けられる。
ちょっとした会話をすべて録音。
そんな会話から、犯罪性があるものを拾うと、自動で通報。
ドアが開き、ホームに立った瞬間に、拘束されたりするのだろうか。

そんな社会。
人の会話を勝手に録音されるというのは
感覚的に、ちょっとどうかと思う。

だけど、映像だって、同じようなものではないか?
いま現在、撮られまくってるわけだ。


改札を出て振り向く。
人の流れ。
気づくと、誰もカメラを気に留めない様子である。
みな、無言で、改札を通り過ぎ、歩いていく。
カメラをチェックしたり、見上げるものはいなかった。

その危機感のなさって、大きな問題ではないか?
大丈夫か?


品川の駅に設置される無数のカメラ。
別に、それ自体を、そんなに問題視しているわけではない。
プライバシーと、防犯の天秤なわけだ。
幸い、撮られて困るプライバシーは持っていない。
単なる「気持ち悪さ」だけ。
それだけ、が、すごく嫌だ。

でも、その「気持ち悪い」と思う感覚は、大切なのではないか?
それがなくなってしまうことが、大きな問題なんだ。


知らぬ間に世の中が変わっていく。
誰のために?

世の中に気持ち悪いものが増えていく。
いまはまだ、いいとしても。

毎日、1ミリずつ伸びる雑草の生長に、僕らは意識を向けられるだろうか。

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Posted by eno at October 25, 2007 11:50 PM


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