夜中、仕事前の夜食にと、マクドナルドに入った。
マクドナルドに行くのは、久しぶりだ。24時間営業だ。
カウンターには、20代前半か、半ばくらいの女性がおり
後ろのキッチンにいる男性従業員2人と、お喋りしていた。楽しそうだ。
昼間の混雑した状況とは、別の光景が広がっていた。
見ると、キッチンにいる男性従業員は2人とも外人。
日本や韓国、中国以外の、アジア系外国人だった。どの国かはよくわからないが。
若い日本人の女性と、アジア系外国人の男性2人が夜中に談笑している姿を見て
思い出すことがあった。
いまから15年近く前のこと、仕事でロサンゼルスへ行った。
知り合いの社長の娘さんが現地におり(大学に行っているんだったかな?)
現地を、あちこち案内してくれた。
当時はまだ、海外に慣れていなかった頃だったので
観光地以外の「現地の生活」みたいなものが見れて、とてもありがたかった。
スーパーやコンビニ的なところ、小さな食べ物屋さんなどに行くと
「仕事で会うアメリカ人」とは異なる顔が、かなり多く働いており
聞くと、メキシコなどから渡ってきた移民とその子孫=ヒスパニック系住民とのことだった。
それからの滞在の間、そういう知識が入ったフィルターで過ごすと
清掃員やら、売り子やら、芝刈りの人やら、あちこちで多くの、働くその顔を見た。
「カルフォルニア州はちょっと下にいったら、陸繋ぎでメキシコだから
どんどん国境を越えて入ってきちゃうのかなあ?」と、青空の下で思ったことを覚えている。
陸繋ぎで、なおかつ、大きな経済格差。
隣の芝が実際に青いわけだから、そりゃ移動したくもなるってもんだ。
国としてどうこうではなく、市民レベルでは賃金が大きく違うということが重要。
「まあでも、それは陸繋ぎだからであって、日本は島国だからなあ」なんて思った。
思っていた。
あれから15年近く。
家やオフィスの近くのコンビニでも、アジア圏人のアルバイトが目立つようになった。
マクドナルドのカウンターの女性は、僕のオーダーを聞くと、自らキッチンへ向かい
アジア系男性二人に協力し、てきぱきとハンバーガーを作り、袋に入れて、笑顔で手渡してくれた。
オフィスのテーブルに袋を置くと、「i'm lovin' it」の合い言葉が、多国語で書かれてあった。