品川駅、8時1分発、のぞみ175号。
5時半就寝で、6時半起きだったため、車内での睡眠が予定済み。というかマスト。
そろそろ寝ようかと、30分くらい経った頃、シートを後ろへ。
すると、窓の外の景色の流れが、どんどんゆっくりなっていく。
新幹線とは思えないスピード。やがて在来線のようになり、停車。
緊急停止のアナウンスが入る。
しばらくしてアナウンスによる続報。
どうやら静岡駅で人身事故があった様子。
なにもないところで、ずっと停止しているのも酷だと思ったのか
三島駅までゆっくり移動し、ホームに停車。しばらくしてドアが開く。
のぞみ号が、三島に停まっている画もめずらしい。(上の写真)
ホームへ出て深呼吸。
ホームまで移動してくれたことはありがたいが
そう簡単に運転再開はしないと思われます……、というメッセージでもある。
ホームにぞろぞろと出てくる乗客達。
「大変ですねえ」「生放送があるんですよ」「いつ動きますかね?」など
見知らぬ者同士、コミュニケーションが生まれる。連帯感か。
ものすごく眠い。
が、眠ることができない。
情報が入ったらすぐに、列車が再度動き出したらすぐに
打ち合わせを待っている先方に、いつ頃着くか、を連絡する必要があるからだ。
元々11時から打ち合わせの予定だったわけだが
「僕が着くまで、ずっと空けて待っててください」というわけにもいかない。
あと10分で動き出すかもしれないし、30分で動くかもしれない。
1時間かもしれないし、2時間かもわからないのだ。
やがて1時間が経過。
売店に行って、駅弁を買う。
あじの鮨。生わさび+おろし器付き。
三島駅のホームで、生わさびをおろしながら
オレは一体なにをやっているのかと思う。
上の写真はうまそうだけど、実際はそうでもなかった。
食後、かなり眠くなるが、耐える。
車内へ戻る。キオスクで買った雑誌を2冊読む。
やがて停止から、2時間が経過。
かなり眠い。が、眠ることができない。
車掌さんに「動いたら起こして」と伝えると、軽く避けられる。
することがないので、再度、ホームに。
ベンチで座ってマンガ読んでいる人がいる。マンガ読んで笑っている。
体操をしている人もいる。記念撮影している人もいる。
自分も含めて、みんな、なにやってるんだろうと思う。
2時間半経った。
ホームに停まる新幹線は、もう動くことないんじゃないかと思えてくる。
これ、初めての経験で、うまく伝わらないかもしれないけど
同じ場所に、ずっと同じものがあるのを見ていると
それは「動かないもの」と認識するようだ。
交通博物館とかにある新幹線のように思える。
その後、停止から2時間40分経て、新幹線は動き出した。
車内に「動き出しましたね」みたいな会話はなかった。
切符に、初めて「遅払証」という判子を押してもらった。