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August 22, 2006


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嬉しい贈り物。

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牛がやってきた。
残暑見舞いが、朗報と共にやってきた。

前にこのblogでも書いたが、昨年、温泉旅館の仕事をした。
コンセプト開発と価値設計の業務。
温泉旅館の立ち上げの仕事だ。
その温泉旅館から、残暑見舞いが届いた。

コンセプト開発というのは、ま、簡単に言えば、企画の仕事である。
例えば、ゲームの企画だと「ゲームというのはこういうもの」というのがないので
「さて、どんなゲームを作りましょうか」というところからスタートする。
もしくは「こんなゲームが作りたいんだけど」という感じで。

だけど、旅館とか、他にも、カフェでも、デジカメでも、帽子のブランドでも
なんでもいいんだけど、「だいたいこういうもの」というのが決まっていることがある。
言い換えれば、その多くが「似たりよったり」の業界のこと。

老舗でうまくいっているものなら、それでもいいし
その業界がブームのうちは、みんながうまくいくんでいいんだけど
それじゃ、他と差別化ができない。アイデンティティがない。ブランドが立たない。
そうすると、お客さんができない、口コミが広がらない、リピーターがない。
そこで、その対象である場所やブランドが持っている価値を最大限に活かしつつ
他と差別化するために行うのが、コンセプト開発だ。
そういう仕事をした。
「他にない」旅館をデザインした。

依頼があって調査をしたのが、一昨年の年末。
それからいろいろ考えて、仕事を始めたのが昨年の春前。
オープンしたのが、昨年の10月。

実を言うと大変な仕事だった。
資金がわんさかとあるわけではないから、短期間で結果を出さなければならない。
それがミッションだった。
1年くらいで客が安定し、単月で黒字になって、2年目で通年で黒字……
みたいなことだったら、ちょっとは気も楽なのだし
通常、そういう感じの仕事が多いのだが
そういうわけにもいかない。
そういうわけにもいかないから、強力で優れたコンセプト開発が必要だった。
どうしても、短期間で成功させなければならない。
こりゃ、大変な仕事である。

で、本日、残暑見舞いと共に、朗報が届いた。

なんと、今月は、ほぼフル稼働とのこと。
8月ということで、夏休みのお客さんが多いのはわかっているが
オープンして1年もない旅館でこの結果は素晴らしいことだ。
来月も土日は、もう予約でいっぱいだという。
その業界の人はわかってくれると思うが、旅館の部屋を埋めるのは大変なことだ。
通年でも黒字が見えてきたとのこと。
めでたい。
おめでとうございます。

僕は最初の設計図を描いたわけだけど
その後の、みなさんの苦労が、ほんとによくわかる。
女将もスタッフも大変だったろう。

いやー、いい仕事した。
こうやって結果が出ると嬉しい。
最初の頃は心配で、ずっとどきどきしてたんだけどね。

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たまたま、昨日、家に届いた雑誌に、その旅館が掲載されていて驚く。
「嬉しい」が、3つも同じ日に届いた。


Posted by eno at August 22, 2006 02:55 AM


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