楽しみにしていた、Jeff MillsのライブDVD(CD付き)
『Jeff Mills Live - Blue Potential』を買った。
このライブは、世界的なDJであるJeff Millsが
フランスのモンペリエ国立管弦楽団(誰だそれ)と共演したものである。
テクノのビートと、クラシックのサウンドを
作曲家でもあり、DJを行う、Jeff Millsというアーティストによって
アンサンブルしようという試み。
80名に及ぶオーケストラと、DJの共演は、それを聞いただけで興奮である。
フランスの遺跡、ポン・デュ・ガールという、ライブの舞台も素晴らしい。
その歴史的なパフォーマンスを見てみたいと
楽しみにDVDを買った。そして見た。
そしたら、あまり良くない。
すごく残念だ。
内容が良いのに、本当にもったいない。
Jeff Mills本人は、このDVDの仕上がりをどう思っているんだろう。
練習不足なのか、実力不足なのかわからないが
「オケがちょっとナァ」という感じなのは、まぁいいとしても
(本気でうまいオケなんて、世界中にいくつかしかないからね。
CDとDVDのおかげで、それに慣れちゃってるのも考えものだけど)
SoundのMixがよくないですよ、いくらなんでも。
野外ライブというのもあり、オーケストラ部分は
ものすごくアンビエントを含んでいる。
当たり前だけど、DJ(リズム)の部分は、そのままデジタルだ。
それをライブ会場で聴いたら、良いんだと思う。
混ざるんで。
生のオケの音も、DJのスピーカーから出る音も
同じ空気を通って、同じようにあちこちに反射して
オーディエンスの耳に届く。
だから、このDVDも同じようにデカいところで
例えば野外で、爆音で聴いたら楽しいんだと思う。
どっちも自然のディレイとリバーブがかかるわけで。
だけど、DVDでそれをやっちゃいけないんじゃないの?
普通、部屋で聴くとか、ヘッドフォンで聴くわけで。
だから、ライブアルバムなんかは
うまいことアンビエント混ぜて、ライブ処理を行うわけだ。
あともう1つ。
なんか、独特のリミッターがかかっていて、それが良くない。
オケから、ビートが入って、オケ+ビートになるとき
ガクんとヘンな感じになる。
ていうか、リミッター。
オケのみの部分とか、基本もっと低くなっちゃってもいいから
ダイナミズム欲しい。
足し算にならず、割り算になってしまっている。
全然ノレない。納得いかない。
野外という会場で聴く興奮、二つの異なるサウンドの生むグルーヴ
それを感じられるDVDにして欲しかったなあ。
だって、この偉大なる試み、このライブで最も重要なキーワードって
「融合」でしょう?