息子がルイガノの自転車を買った。
「買った」というのは、自分の金で買ったからだ。
自分の金での、初めての買い物。
「はじめてのおつかい」は、受動的な感じだが
「はじめてのかいもの」は、めちゃ能動的である。
残念ながら、僕は自分の金で最初になにを買ったか覚えていないが
息子は一生、忘れないだろう。
お年玉とか、いろいろ貯金しておいてよかったな。
自分の金が、生活を新しくする武器となる。
自分の金が、遠くの景色を見るツールとなる。
自分の金が、家族の楽しい時間を生む。
そんな中でも、最も息子が欲しかったのは
家族3人で、楽しくあちこちへと出かける時間と笑顔だった。
お金の使い方はいろいろとあるけれど
自分一人で遊ぶもの、とか、自己満足的なものではなく
家族ではあるが「他人」との共有に、結果的ではあるが、向いたことが嬉しい。
やがて白い自転車は、少しずつ汚れていき
雑巾で拭くことを続けるうちに、ものに対する愛着を覚えるだろう。
ぶつけたり、誰かに傷つけられたりして、ものを大切にする心を覚えるだろう。
家族で楽しい時間を何度も過ごすことによって、自分のお金の使い方を納得し
それを未来へと繋げていくだろう。