ひょんなことから
知人の子ども2人を泊まりであずかることになり
たまたまカミさんも外出だったため
息子を入れて子ども3人と、一緒に夕食を食べたり
トランプで遊んだり、テレビを見て過ごし、遅くまで遊んだ後、寝た。
なんだかカミさんに逃げられた4人家族みたいだった。
朝起きてしばらくすると、子どもたちが部屋遊びを始めたので
なんとなく、こりゃあかんなあと思い、無理矢理、散歩をするぞと外出させた。
朝っぱらからの外出に対して、なにか期待をしていたのかもしれないが
きっぱり無視して、ただただずっと歩いた。
先をどんどこ歩くので、仕方なく付いていくといった雰囲気。
なんだか寒そうな、面倒くさそうな表情をアピールしていたが
黙って付いてこいとばかりに、JRの陸橋へと向かった。
知っている人も多いかもしれないが
JRの運転手さんは、列車が橋の下を通過するとき
橋の上から子どもが手を振ると、手を振り返してくれる。
運転手さんによっては、警笛を鳴らしてくれたりもする。
それを教えると、子どもたちのテンションが一気に上がる。
次は上り、次は下りと大騒ぎになる。
寒い冬の朝なのに、夏のビーチみたいな表情になっている。
さっきまで眠そうだった目が、ギンギンに開いている。
子どもである自分が、社会と繋がる感覚。
何百人も乗せた電車を運転する人が、自分に気付き、応答してくれる喜び。
橋の上と橋の下、子どもと大人、自分と社会の距離が縮まっていく。
なにが嬉しいのか、なにが楽しいのかがよくわかる。
自分もそういうのが好きだった。
そういうのがあると、ちょっと世の中が好きになる。
小さなJRの橋の上。
3人の子どもの笑顔があまりにも気持ちよくて
タバコがとてもおいしかった。