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June 27, 2005


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Spotlight

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テクノロジーの登場を「ぬおっ!」と感じることがある。
技術力の高さに感動したとか、便利になったとか
そういうことに加えて
「あぁ、これでいろいろ変わるなあ」と
その可能性とか、それが与える影響を感じた時に「ぬおっ!」と唸る。
「未来がちょっと見えた」とか、そういう感じにも近いのかもしれない。
「変化」に対する唸りだ。

音楽で言えば、サンプリングの登場とかもそうだし
それこそ、パソコンの登場とか、インターネットもそう。
ミューチップなんかもそうだよね。
ブロック崩しを初めてやった時もそうだっし
XEVIOUSを初めて見た時も、唸った。

オンラインも含むデスクトップでの出来事に限って言えば
この数年では、googleの登場が大きいだろう。
google以後は、ブックマークの数が極端に減った。
しおりを挟んでおかなくても、すぐに探し出すことができるからだ。
初めてmacのインターフェイスを見た時はかなり衝撃だったし
blogの仕組みというか思想を初めて理解した時も唸った。


そういう感覚を最近感じたのが
macのOSX Tigerに付いてくる機能「Spotlight」である。
これは簡単にいえば検索機能だ。
(INDEX作成機能といったほうがいいのかな)

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画面の右上にあるSpotlightのアイコンをクリックすると
検索窓が現れるので、探したいキーワードを入れる。
すると、対象となったファイルがパパパとリストアップされる。
これだけだと、今までの検索機能と変わらないんだけど
その検索の対象となるのは、ファイル名ではないのがすごい。

従来では、例えば「black」に関するファイルを探そうと思っても
ファイル名に「black」と付いたファイルがリストアップされるだけだった。
だけど、Spotlightは違う。
例えば、文章の中に「black」という言葉が使われているファイル。
テキストファイルもそうだし、PDFに埋め込まれた文書の「black」まで見てくれる。
驚くのがPhotoshopのファイルだ。
もちろん、レイアーを統合して「絵」となってしまった文字は不可能だけど
作業ファイルのテキストまでひっかかる。
僕はメーラーが「Mail」ではないので実感できないが
メールメッセージや、To Doなどまでその対象となる。

だから、「田中」と検索すれば、「田中」に付いて書かれたファイルや
単に「田中」という言葉が入っているテキスト、「田中」からのメール
「田中」の個人サイト「田中 ブログ」のブックマークなど
このコンピューターが扱っている「田中」が全て探し出せるのだ。
ケータイやデジカメの写真を取り込む時、「田中」とコメント入れておけば
「田中」の写真だって出てくる。

具体的な例で説明すると
僕が参加しているプロジェクトでは、議事録が作成されることが多いのだが
「田中」と「松本」と「大崎」が出席した時の議事録を探そうと思ったら
今までは、その「日」を覚えていないかぎり、全ての議事録を開いて探す必要があった。
よくやっていたこととはいえ、これは非常に面倒くさい。
が、Spotlightがあれば、検索窓に「田中 松本 大崎」と入れればいい。
すごく便利で簡単だ。

あと、これが最近、すごく役立っているんだけど
例えば「複合商業施設」に関連する仕事を行うことになった時
Spotlightで「複合商業施設」と検索すれば
「複合商業施設」についての記述があるPDFのファイルや
過去に書かれた「複合商業施設」に関するメモ
他の仕事で議論された「複合商業施設」の事が含まれる議事録
などなどがパパパとリストアップされる。
この手法がかなり仕事に役立っている。

僕は、仕事がスタートする時
そのクライアントや、プロダクトに関する書類(近年のもの)全てを収集する。
その業務に対する勉強をするために。
オンラインで公的に発表されているPDFなどもそうだし
クライアントに言って関連するファイルをいっぱい送ってもらう。
だけど、その時はいいんだけど、後になって、大量にあるファイルから
特定の事柄について書かれたものを探し出すのが大変だった。
それで、今までは、メインのファイルの文章をコピペして
1つのテキストファイルにまとめるという努力をしていた。
後から探し出したい時に、テキストファイルを開いて「単語検索」をすればいいからだ。
(これはこれで「ナイス取り組み」だと思っていた)
だけど、Spotlightがあれば、そんな苦労もしなくて済むようになる。


単にファイル名検索という意味でいっても
従来は、「書類」→「クライアントA」→「プロジェクトB」→「ブランド開発」など
丁寧にフォルダ分けをするだけでなく(それはもちろん今もやっているが)
どこにどれが入っているか覚えている必要があった。
それがたまにわからなくなる。
が、そんな悩みは必要なくなった。
それどころか、極端なことを言えば
全てのファイルに対して、自分のルールでコメントをつけておけば
フォルダ分けする必要もなくなるだろう。
(僕は、まだそこまで割り切れていないんだけど)

また、面白いのは、とある仕事の「インターフェイス」設計に関する書類を探していると
違う仕事の「インターフェイス」に関する書類もリストアップされることだ。
「インターフェイス」に関する、ウェブサイトのブックマークまで出てくる。
これは刺激的だ。これは役に立つ。
まるで、本屋で特定の本を探していると、横にある違う本と出会うように。


「Spotlight」は、仕事をする上で、その過程や結果に大きな影響を与える
めちゃくちゃイノベーティブな存在だ。
まるで学校の校則で決められた制服のように
仕事上でどうしてもWindowsを使わないとならないというなら別だけど
どんな服を着ても自由な環境にいるのなら
この機能だけで、macを使うことをおすすめする。
その変化は大きい。

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Posted by eno at June 27, 2005 10:37 AM


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