いまから13年くらいまえのこと。
まだ『Dの食卓』も出ていない頃だ。
会って2回目にカミさんから
「結婚しろ」と言われ、しばらくした後、結婚した。
結婚してからしばらくの間、6畳のワンルームに2人で住んだ。
2人で暮らすには狭かったが、暖かい空間だった。
結婚して2年半後に、最初の子供が生まれた。
3人になった。
そして、その9年後、2番目の子供が生まれた。
4人になった。
それが、先週のことである。
ありがたいことは
いまでも自分が最も愛している女が
いまでも自分を最も愛してくれていて
2人が愛している子供がお兄ちゃんとなり
新しい生命が誕生し
3人で彼のことを愛しているということだ。
家族が増えた。
仲間が増えた。
3人のチームが4人になった。
チームの誰かに嬉しいことがあれば、みんなで喜び
チームの誰かに苦しいことが起これば、みんなで助け
チームが困難に陥れば、みんなで協力し
チームが幸せになることを、みんなで求めている。
こんないまを、カミさんに感謝する。
こんないまを、会ってすぐにカミさんは見つめていたんだなあと驚く。
やっと2人目の子供が生まれた。
最初の子供と9年も離れている。
それは僕に問題があって
いまから8年近くも前に、ゲームの世界から離れ
しばらくの間、仕事がうまくいかずに
精神的にも経済的にも、大変なことになってしまった。
新しい仕事が軌道に乗って
生活が数年の間、しっかり安定してからという判断をして
思いの外、時間がかかってしまった。
大きな谷の時期があった。
家族でがんばった。
その結果として、今日がある。
カミさんと、長男、そして新しい息子に
心から感謝している。
4人の人生が始まった。
生まれてすぐは名前がないので、診察券の名前が
「お母さんの名前+ベビイ」となる。ユカベビイっていいなあ。
本日、カミさんが無事退院した。
生まれたばかりの息子と一緒に。
4人家族かあ。実感ないなあ。
カミさんと長男と僕という
ずっと3人家族で過ごしてきた。
それが、もう1つの世界だったんだよね。
我が家といえば、3人だった。
そこに新しいメンバーが加わることで
また違う世界となるだろう。
どんな感じになるか楽しみだ。
3人と4人とでは、ぜんぜん違うからね。
今回の出産は、息子も立ち会いをした。
自分の母親がものすごく痛がり、苦しみ
そして、新しい生命が生まれてくるのを目の当たりにした。
医師に相談し、息子の立ち会いを決めてからも
大丈夫かなあと悩んだりもしたのだが
息子は、ものすごく落ち着いた態度で
カミさんの出産を上手にサポートしていた。
僕のほうがよほど慌てていたくらいだ。
落ち着いたポジティブな態度や言動に感心した。
こいつも、ちょっと前に生まれたばかりなのに
同じように、赤ちゃんだったのに
いつの間にか、立派な男になったんだなあ。
息子は確実に長男、そしてお兄さんになった。
新しい子の成長にも期待するが
同じように、これからの長男の成長に期待する。
これから楽しそうだ。
お祝いのメールをくださった方々、ありがとうございました。
嬉しいです。
5月23日、午前8時50分。
2928gの男の子が生まれました。
The baby was born.
At 8:50 a.m. on May 23.
2928g.
A Boy.
HUMAN AUDIO SPONGEのライブへ行く。
今日のライブは、Smile Together Projectの一環。
チケット代金は、全額、財団法人がんの子供を守る会の活動資金となる。
そういう趣旨の呼びかけに3人が応えた。
昨日は一緒のステージに立った人を、今日は客席から。
スイッチを切り替える。
YMOと、その3人の大ファンへ。
HUMAN AUDIO SPONGEと書いて、YMOと呼ぶそうなので
久々のYMOのライブを楽しんだ。
照明が落ち、メンバーが登場。
いきなり、「以心電信」で始まった。
坂本さんの仕事と思われる、新しい編曲・トラック。
この曲は、自分で自分を救う力、「自助」を歌った曲。
3人からの、強いメッセージを感じる形でスタートとなった。
続いて、細野さんのトリビュートアルバムにも入っている「スポーツマン」。
トリビュート同様、幸宏さんが歌う。
すると、YMO、HUMAN AUDIO SPONGE通して、これが初というMC。
今回のライブの趣旨が説明された後、「Fly Me To The River」
「Mars」「Flakes」と、Sketch Showのナンバーが続き
幸宏さんのライブでもやったMARZの「Everybody Had A Hard Year」。
さらにMCが入り、「Riot In Lagos 」そして「Ongaku」。
「Ongaku」の編曲・トラックも新しいもの。坂本さん仕事しますね。
そして、ついに新曲が演奏される。
「Get Your Mind Right」という名だと思われる。
この新曲から幸宏さんが生ドラムを叩く。
Corneliusのトリビュートバージョンの「Turn Turn」の後にMC。
「Supreme Secret」「Wonderful To Me」「War & Peace」。
最後は「Rydeen79/07」でシメ。
最初のEncoreは、Sketch Showの「Chronograph」「Ekot」。
2回目のEncoreで、名曲「Cue 」。
なんとWinter Live以来、坂本さん生ドラム。なんてservice!
音、空気が優しかった。暖かかった。
本ライブの趣旨もあるだろうが、3人のいまの状況も大きいだろう。
素晴らしく気持ちがいいライブだった。
他に言葉が見つからない。
ライブ後の打ち上げ。
わ、3人だ。本物だ。目の前だ。
今日はスイッチ切り替えてファンモードなんで、興奮。
坂本さん、幸宏さん、細野さんと順番にご挨拶しにいく。
浅野忠信くんと久々に会う。CHARAが気付いてくれた。
ギターでサポートメンバーだった高野寛さんに
「YMOのメンバーじゃん」というと「それは考えないようにしている」と笑う。
SUGIZO氏と一緒にメシ食って、YMO談義して帰った。
「STOP ROKKASHO」の1周年記念、および
「MORE TREE」の結成記念イベントが終わった。
坂本さんに誘われてジョインしてから
いろいろな人と情報交換、意見交換を繰り返した。
その1つの着地点であり、次への出発点となるイベントだった。
ライブ、お笑い、トークなどなど、様々な形でメッセージ。
出演者があまりにも多いイベントだったので
ちょいと慌ただしい感じはあったと思うが
どんな形であれ、来場していただいた方々に、なにかが伝わり
それが、各々のアクションへと繋がっていくことを祈りたい。
心から信じたい。
僕自身、坂本さんたちとトークという、出演者でありながら
ステージ横で、ステージ裏で、いろいろ聞かせていただき
自分の立ち位置や向かうべきところを考え、確認することができた。
「MORE TREE」というのは、ポジティブな行動であり、メッセージだ。
植樹という具体的なアクションを通して、世の流れを変えていこうという運動。
ステージ上でも言ったが、百年前に、南方熊楠が起こした、神社合祀反対運動。
(「神社合祀反対運動」を知らない方はぜひ調べていただきたい)
その現代版とも言える、大きなきっかけとなるイベントだった。
今日からなにかが変わっていくだろう。
中沢新一さんとも、久しぶりにお会いした。
SUGIZOさんや、谷崎テトラさんと、初めてちゃんとお話をした。
その他、多くの出演者の方々から、いろんなパワーをいただいた。
ありがたい。
「MORE TREE」、しっかりしなきゃ。
このblogを読んで、イベントを知って、来てくれた、という方々から
何人も挨拶していただいた。声をかけてくれてありがとうね。嬉しかった。
今日までシークレットだった、「MORE TREES」の発起人でもある
細野晴臣さん、高橋幸宏さんが登場し、坂本さんとトーク。後ろ姿だけど。
翌日はHUMAN AUDIO SPONGEのライブだというのに、遅くまでお疲れ様。
て……、もう、あと13時間後じゃないですか! 楽しみ。
昨晩から、ずっと
サウンドのテスト作曲&打ち込みをしていて
ちょいとアレンジの参考にと
とあるCDの3曲目を聴こうと思い
机の引き出しから探して、かけてみると
流れ出したのは、原田知世の「FLOWERS」より『T'EN VA PAS』。
聴こうとした曲とぜんぜん違う。
あれ?
……が、懐かしさに、聴いてしまう。
うわー懐かしい。
タンバリン・スタジオ。
トーレ・ヨハンソン!
CDを取り間違ったことはすぐに気付いたが、すでに遅く
朝の光で部屋が照らされる中、スウェーデンのサウンド、パリの歌声。
北欧の草原だか、パリのカフェだか
ポップにミクスチャーされた空気が、朝の部屋を満たす。
Nuit tu me fais peur.
恐ろしくてたまらない夜
Nuit tu n'en finis pas.
果てしなく続く夜
Comme un voleur.
泥棒みたいに
Il est parti sans moi.
私を置いて去っていったの
Papa si tu pensais un peu a moi.
パパ少しは私のことも考えて
……。
ぜんぜん今作っている曲に、戻る気なくなった。
カルチャーに侵略された。
5月金曜の朝の事故。
前もこんなことあったなあ。
もうそろそろ帰ろう。
早いもので、あれからもう2ヶ月近く。
第2回、CLUBKING DELUXEが開催されます。
僕も出演致します。
ときは、6月8日、19時〜24時。
場所は、前回と同じ、Super Deluxe at 六本木。
1ドリンク付いて、1500円です。
なかなか混雑してしまうと思われますので
下記、サイトに書いてある、優先予約をぜひ。
<<ここをクリックすると、CLUBKING DELUXEの詳細ページへジャンプします>>
明日は、坂本龍一さんたちと
STOP ROKKASHOのイベントですな。
どうなることやら。楽しみ!
非常に面白いんじゃないかなあと思う。
これはゲームだ。
北海道留萌の水産課がPRとして始めた
「タコ箱」オーナーのサービス、というかゲーム。
どういうことかというと
ミズダコの漁で使う、「タコ箱」のオーナーの権利を1箱5000円で買う。
6月から2ヶ月の間、日本海にタコ箱を沈めて、期間中に5回引き揚げていただく。
箱にタコが入っていれば、浜茹でした後、めでたく宅配される。
1回の引き揚げで、タコが入っている確率は5%〜20%とのこと。
5回中、1回入っていたらラッキー、というような確率だが
5回中、2回とか……もしかしたら5回もあるかもしれない。
とれるミズダコは平均して8kg。
ミズダコは買ったら、キロ当たり約2000円。
というゲーム。
面白い。
タコが1回もとれなかった場合でも
地元でとれた海産物が残念賞として予定されているようだ。
ステキだ。
いいなあ。
面白いんじゃないかなあ。
こういうの、いっぱい出てくると楽しいなあ。
応募が殺到しているようなので
タコが当たるより、まずオーナーの権利に当たることが
かなり運が必要なような気もするけど。
しかし、いいアイデアだ。
こんな風にあちこちに取り上げられたり
応募が殺到している時点で、もうPRとしては大成功ですね。
「留萌=タコ漁」、覚えました。
<<ここをクリックすると「タコ箱漁オーナー」のページへジャンプします>>
原宿に出たついでに、ニューバランスショップへ。
カミさんと息子に付き合ってもらう。
いろいろ選ぶ。
あれでもない。これでもない。
周りを見ると、カミさんと息子の姿がない。
探すと、奥のキッズのコーナーで靴を選んでいる。
うまいこと、やったなと思う。
しばらく選んでから、靴を買うと
なんと息子も同じ576シリーズを買っていた。
親子だなあと思う。そんなことまで。
息子が嬉しそうにしていたことが
心から嬉しい。
なんだろね、これ。
愛して止まない米沢牛が送られてきた。
ヨネザワ・ビーフだ。
ランクA5だ。
その中でも、最優秀牛受賞記念だ。
箱を開けると、スライスされたお肉が
どーんと並んで待っていた。
美しい。
自信満々の佇まい。
すぐに食べた。
美味しかった。
美味しい脂と特徴ある香りの、米沢の牛の味だった。
米沢牛証明書が箱に一緒に入っていた。
「これは米沢牛ですよ」という証明書。
個体識別番号が載せられており、トレーサビリティは万全。
生産者は、伊藤精司さんという方だそうだ。
ここに米沢牛と、伊藤精司さんが載っておられました。
美味しいお肉を育てていただいて、ありがとうござました。
山形生まれのうちの親父も、どこか違う世で
喜んでいると思います。
ついでにスープもいただきもの。
香港みやげの、フカヒレスープ、アワビ入り。
なんか、今日ラッキーやわ。
KIRNA ZABETEのパーティにご招待され、Grand Hyattへ。
KIRNA ZABETEは、NYにあるセレクトショップ。
この度、東京店がオープンとのことで
ファウンダーを交えて、記念の食事会。
場所は、Grand Hyattのチャペル。
そんなところでメシが食えるのかと
パーティのセッティングに感心しつつも向かうと
まずは、チャペル横のアウトドア・ガーデンで乾杯。
ビル上とはいえ、外のガーデンは、気持ちよかった。
女性のスカートが、そのままテーブルになっているという
野田凪さんのヒューマン・インスタレーション
テーブルガール(勝手に命名)数名に迎えられる。(上の写真)
その後、チャペルでお食事。
チャペル内に大きなテーブルが設えられ、みんなで着席。
テーブルの上に散りばめられた花弁を、蝋燭の明かりが照らした。
とても美しかった。
たまたま横の席だったフランス人と、えらく盛り上がる。
子供に対する、父親の役割について、アツい話。
フランスじゃ常識と言われる、とある行為について説得される。
近々、自分もやってみようと思う。きっと後日、ここで報告。
驚いたのは、そいつが僕の知人のお姉さんの旦那だったこと。
そんな偶然があるのかと大笑い。
世の中は狭い。
人間関係を広げよう、広げようと思えば思うほど
世の中というのは狭い、ということを深く認識するようになる。
結局、誰かの知り合い、という形で出会うことになるからね。
たまたま映画に行ったら、横の席の人と仲良くなって……
なんてことは少ないわけで。
他にもいろんな繋がりがあった。
懐かしい出会いもあった。
久しぶりに、予想外のことが多く起きたパーティだった。
パーティって、こうじゃなくちゃなあ。
いつもと同じ、じゃ、つまらないもんね。
この模様は、次号VOGUE誌に掲載とのこと。
チャペルは独特の空気が流れる。
十字架の下でメシを食うのは、ジョージ・マーティンのスタジオ以来。
「いただきます」と手を合わせた。
いつの間にか朝になっていたので
庭に出て、深呼吸。
オフィスの庭は、まあまあ広くて
朝になると、カワいい鳥が遊びにきたりする。
だけど、今朝は来なかった。
庭には、草が生えているんで
よく見ると、虫とかがいたりする。
今朝も、誰かいないかなあ
なんて気持ちで、庭の奥の方へ足を伸ばした。
すると、カサコソっと葉っぱが動いている。
なにかいる!
すると、ぴょーんとなにかが飛び出した。
わあ、カエルちゃん!!
きゃわいい!
アマガエルちゃんじゃありませんか。
草の上に置いたプラスチックのバケツにジャンプ。
すごく小さい。
手足、細っ。
でも顔は、なんだか理知的な感じ。
詩人みたいな雰囲気もある。
しかし、カエルちゃんは思いの外ガードが堅い。
こちらが、ちょっとでも近づくと、ぴょんと逃げる。
こちらの存在がジャマなようだ。
ぜんぜん親しくなれない。
たぶん、構わないでくれ、と思っていると思う。
ずっと、じっとしているので、こちらもじっとする。
こちらが、じっとしている限界がきて、ちょっと動くと
あちらも、ぴょんと、ちょっと移動する。
どうにかなんないかなあと思うが
ちょっとずつ、ぴょんぴょんと、移動していく。
移動手段、ぴょんぴょんのくせにねえ。
ぜんぜん心を開いてくれない。
「こないだ、雨降ったでしょ?」
とか
「この庭、どうですか?」
とか、いろいろ会話してみたいものだ。
捕まえたり、叩いたり、ぜったいにしないから
もうちょっと距離を縮めたい。
せめて、近くで拝見したい。
……が、逃げていく。
建物のレンガにぴょんと移動すると
そのまま、ぴょんぴょんと跳ね、いなくなってしまった。
これが、彼の最後の写真。この後、ぴょんぴょんして消えてしまった。
ま、彼か彼女かもわからないんだけどね。短かったなあ。
JOIと会う。
JOIとは変化球的だが、ビジネスパートナーなので
会うのは当たり前なんだけど、ちょっと久しぶり。
めずらしく、半年くらい会ってなかった。
驚いたのは、その会ってない半年の間
互いに勉強したり、調べたり、単純に言えば興味を持ったことの
3つが、まったく同じだったということだ。
これには驚いた。
「最近さあ……」と、会話を始めて、びっくり。
そんなことあるんだなあと、互いに驚く。
しかも、次の話も、その次の話も一緒。
「えーっ!」
前回、会ったときは
お互いそんな話は、まったくしていないどころか
それらに、大して興味を持っていなかった。
すごいなあ。
面白いのは、互いにまだ、どれも勉強中なので
フォーカスが一緒でも、情報交換が成り立つということ。
というより、フォーカスが合っているから、情報交換がかなり有意義になる。
お互い、知識と意見を交換する。
JOIと自分は、好きなカルチャーとか
思想、哲学は、ある程度近いものがある、くらいに思っていたんだけど
ここにきて、向かっている方向が近くなっていることが、とても妙だ。
ここにきて、なぜ?
その後、デジタルガレージの林さんはじめ
京都のお茶屋さんの女将さんや、知人、仕事人が混ざって
なんだかわからない集まりとなる。
が、ものすごく有意義な結果となった。
めでたし。
林さんが、何度も
今日のこの集まり、今日のこのタイミング
今日のこの必然と偶然を、すごいことだと噛みしめていた。
それを口にできるのはステキなことだ。
JOIのデジタルライカ。いいなあ、欲しい。
もう、何代目かは忘れたけど
プライベートでずっと使っている
MoMAのスカイアンブレラが壊れた。
壊れてから、他の傘を使っていたんだけど
誕生日に、カミさんからプレゼントされて
また、スカイアンブレラが戻ってきた。
スカイアンブレラは、上の写真のように
傘の内側に、青空が描かれている。
外側は黒色の二重構造。
「雨の日でも、青空」という
気持ちいいコンセプトのデザインの傘だ。
ただ、それだけなんだけど、すごく気持ちいい。
雨の日が、すごく明るい日になる。
ジャンプ傘ではなく、自分でカチっと開くのが好み。
サイズも大きいし。
外から見たら普通の傘、というのもいいんだよね。
差している本人から見ると(上の写真)、世界がすごく明るくなる。
青空って、遙か昔から、記憶に刻まれているんだよね。
デザイナーは、ベネトンの衝撃的な広告とか
Talking Headsのジャケットなどで有名な、Tibor Kalman。
MoMAのプロダクトではほかに「5」という数字しか
描かれていない時計などがある。
(「5時」が仕事が終わる大切な時間、というコンセプト。ステキ!)
最初にこの傘を買ったときは、ご存命だったが
99年に亡くなってしまった。
先日、息子が、もうちょっと大きくなったら
自分も同じ傘を差したいと言っていた。(まだ息子には大きすぎるんで)
そういうのって、いいなあ、嬉しいなあと思う。
閉じたときの感じも、すごくキレイでいいんだよね。
誕生日だった。
5月5日に生まれた人リストに、自分の名前があった。
キルケゴールや、マルクスと一緒になっちゃってるのがすごい。
メールを送ってくださった方が多くいた。
仕事でも、なにかの用でもなんでもなく
ただ「おめでとう」と伝えていただくだけのメールって
1つ1つ、ちょっと元気になるね。
ほんとうにありがとう。
面識のない方からもいただいた。
「おめでとう」についでに添えてある言葉が嬉しい。
「blog読んでます」とか、そういうもの。
そういうちょっとした言葉が暖かく感じる。
よく知っている人からもいただいた。
何年ぶり、という人からの連絡もあった。
友情を感じるメールもあった。
繋がりを感じるメールもあった。
誕生日って、きっかけにすぎないかもしれないけど
すごくいいものですね。
お互いがこの世界に誕生したこと
そして、同じときに生きていること。
それを、いつもより少しだけ多く感じて
相手に伝える、という日。
少しの時間、外出して、家に戻ると
カミさんと息子の手作りデコレーションに迎えられた。
「おたんじょうび おめでとう」
「お」たんじょうび、ってのがいいね。
誕生日だ。
当たり前だけど、年を重ねる喜びはない。
年が増えても、なにかが変わるなどないからだ。
これで免許が取れるとか、来年は中学校だあ、とかね。
つまらないから、なにかあればいいのにと思う。
30歳はレタスが半額で買えるとか。
40歳になるとミドルネームを付けないといけないとか。
じゃあ、なんにもないのかというと
「誕生日なんて、なにも感じないね」ということでもない。
数年前は、そんなこと言っていたかもしれないけど。
もうちょっと考えるようになった。
それこそ歳を取ったというものだ。
「自分が誕生したんだなあ」と深く思う。
誕生、というのは、なかなか深い。
なにしろ、自分が誕生したときを覚えていないのだから。
なにもないところから、誕生した、らしい。
ぼーっとした時期を過ごして、自我が目覚めていく。
ちょっといろいろ考えるようになって、いろいろと体験して
わりといろいろ俯瞰して見られるようになったと思ったら
もうこの歳だ。
過去がボケボケしすぎてよくわからない。
面白い。
歳を取ったら、1年前もいまも
あまり変わらなくなっていくのかと思っていたらそうでもない。
18歳から19歳への1年間とか、24歳から25歳の1年間と
同じようなものじゃないだろうか。
それ以上の成長もないと思うんだけど。
同じくらいの変化。
同じくらいの成長。
今日から、来年の同じ日まで
いろいろなことが起きるだろう。
いろいろな人と会うだろう。
楽しみだ。
来年もこんなこと書いているのかな。
大貫妙子さんのコンサートを観にオペラシティへ。
素晴らしく楽しい2時間だった。
オペラシティのホールの個性も手伝って
コンサートが始まると、ステージの上は別の空間となった。
その別の空間から、音が届く。
居心地のよい、彩り豊かな音が、客席を包む。
まるで旅行をしているような気分だった。
いろいろな風景が見える。
見えるようだ、ではなく、ほんとうに見えた。
いろいろな場所で、いろいろな人たちが、交差する景色。
曲が変わると次のシーン。そしてまた次のシーン。
風向きや温度が変わったように、場面が変わっていく。
メンバーの演奏が美しかった。
想像の余地を残した照明も効果的だった。
それらを、大貫さんの声が紡ぐ物語で纏めあげ
どこかへと運んでいく。
貴重な音の空間だった。
ありがたい。
コンサートが終了し、客電がつくと
「あれっ、ステージってこんな感じだったの?」
と驚くくらい、完全に別世界へ行っていた。
楽屋前ビールは、「贅沢日和」。
大貫さんが歌っているCMのブランド。
GWのまっただ中、ほんとうに贅沢日和なコンサートだった。