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October 31, 2008
「ブー!」「ンー!」

carsplaying.jpg

家に帰ると、下の息子が、「構え。構え」と言う。
実際には、「うーうー」とか「あーあー」だが。

「ミニカーで一緒に遊ぼう!」と言う。
実際には、「フォッ、フォッ」とか「フーフー」だが。


息子は、いつもソファで、ミニカーで遊んでいる。

最近、パトカーと、救急車と、バスが、特別な存在のようだ。
道で出会うと、「ンーンー!」と、興奮する。

パトカーと、救急車と、バス、それ以外の車、といった区分けのようだ。

その3種類だけ、見つけると、「ンー!」と興奮する。


先日、カミさんが、厚紙を手に、「パトカーを描いてやってくれ」と言った。

ご丁寧に、赤と黒のマジックも手渡された。

そんなのお安いご用……。


……しかし、気付く。

相手が成長した子どもであれば、パトカー的なものを書けば
ある種の記号的表現でも、それが、パトカーであると理解してくれる。

しかし、まだ1歳半に満たない、この子は
そういう記号では、わかってくれないだろう。

白い車+下半身が黒+上に赤いランプ=パトカーですね、というわけにはいかない。


丁寧に書かないと。

というか、上手に書かないと……。

気合いが入る……。


手書きの画力が、求められるなんて、いつぶりのことだろう。


これで、書いてみせて、無反応だったら、だいぶショックだ。


ヘッドライトを描いたくらいで手が止まる。

難しいと思うと、よけいに難しくなる。

車体が必要以上に流線型になり、タイヤの立体感が崩れる。

ていうか、なんで、ナナメ前なんていう角度から、描き始めちゃったんだろ、と反省する。


描き終える。


息子は、まだソファで、ミニカーで遊んでいる。


「よお!」と、息子を呼んだ。

息子は、「?」と振り向く。


絵をパッと見せ、「ブブーン!」と言う。


「ブブーン」と口で言って、絵を横に動かしたのは、反則かもしれない。

モノマネで「福山雅治です…」と言っちゃうようなものだ。


「?」と、一瞬時間が止まった。


「ブブブーン!」と、さらに絵を動かす。


すると


「ンー! ンー!」


と、興奮してくれた。


やった!!


「ブブブーン!」と続ける。

「ンーンー!」と、指を指して興奮している。


「ブブー!」

「ンー!」

「ブンブゥゥーー!」

「ン! ンー!」

「ブン、ブブブーー!」

「ンー! ンー!」


コミュケーションの成立。


調子に乗って、その後、救急車も描いた。

Posted by eno at 12:39 AM
October 30, 2008
ライバル

mawarimichi.jpg

「……わ、わかったから!」と思った。

いくらなんでもしつこいのではないだろうか。

5人に言われたくない。


……いや違う。


右から順に紹介する。

松本(赤い棒を持って制服を着た人)

吉田(方向を指し示すこと、この道15年)

新山(ミスが多いが、働き者)

富岡(親の代からの古株。気は優しい)

矢巻(仕事のしすぎで矢印だけになってしまった)


全員が、さすがに全員は必要ではないと思っているが、言い出せない。
とはいえ、自分から降りるわけにはいかない。
生活とプライドがかかっているのだ。


誰が最初に「去る者」になるか、と全員が感じている。
と同時に、自分の身を心配している。


「必要なし」と思われたら、「負け」となってしまうため
全員、早朝から、現場にやってくる。始発に乗って。

たまたまの偶然で、ほぼ全員が、京浜東北線沿線住まい。
それも、互いのライバル意識を、高めていた。


今日も、早朝から、全員が集まった。
なにもない、静かな路地に。
なにもない、昨日と同じ日が、ただ過ぎていくと思われた……


……が、突然、ひずみが生じる。


松本(一番右)が、つい「疲れたなあ」と呟いてしまったのだ。


プロとしてあるまじき発言。


松本も、すぐに「しまった!」と思ったが、遅かった……。


……去る者が決まった。松本だ……。


吉田が無言で「まわり道」を案内する。
「ここから去れ」という厳しい態度をとる。

すると富岡も「最徐行」と、松本に伝えた。
「ゆっくり行け」と優しいが、「去れ」という真意には変わりない。

新山も慌てて意思表示をしたが、「車両通行止」と間違ってしまった。
が、結果、「車両扱い」という皮肉になった。

そして、矢巻はただ、静かに、矢印を外に向けた。


それが、この写真。松本はただ、佇む。

mawarimichi.jpg

やがて、ライバルであり、仲間が、1人、去ることになった。
悲しいことであるが、それは彼らの世界の出来事である。

僕らに、投げかけることのできる、言葉なんて、ない。

Posted by eno at 01:42 AM
October 29, 2008
バス停とクモ

busstop.jpg

何度か書いたが
オフィスの近くで大規模な工事が進行中である。

東京の代表的な環状道路、山手通りと、恵比寿を繋げる一大道路開発。

僕のオフィスがある、恵比寿南の静かな雰囲気が
大きく変わってしまうと思われるのは、残念なことであるが、仕方がない。
工事が終わる、来年2月までが、いまの、恵比寿南という街である。


大通りである山手通りからは、茶屋坂という坂が伸びている。
しかし、茶屋坂の上は、恵比寿のガーデンプレイスには、貫通しておらず
くいっと左に曲がって、そのまま駒沢通りへと繋がっている。
それを、直接、結びつけよう、というのが、この工事である。

計画はかなり前から始まっており、新しい道路予定地となる場所に
建っている建物は、すべて立ち退き、撤去され、整備された。

「未来の道路」という、安全柵で囲まれたスペースが広がっている。


その「未来の道路」に、「茶屋坂」と書かれた、バス亭が立っている。


工事以前は、「茶屋坂の上」として機能していた、バス亭が立っているのは
「未来の道路」であり、いまはもう、柵の中だ。


バスが停まることもできないし、誰も乗ることも降りることもできない。

まるで、失われた街の建造物のようだ。

いまはもう動かないその時計のようだ。


だが、視点を変えると、違うようにも見えてくる。

小さな黒い1匹のクモが、古ぼけたバス停の横のフェンスの上を歩いていた。


子クモ「おいバス亭、お前、なんのためにそこにいるんだ?」

バス停「……」

子クモ「おい、バス亭、聞こえないのか?」

バス停「……なんじゃ、騒がしい」

子クモ「もう、バスも停まらないのに、なんでそこにいるんだって聞いてるんだ」

バス停「ほほう。面白いことを言うやつじゃ。ではお前はなんのために存在している?」

子クモ「……ボ、ボクは、生まれたから、ここにいる……に決まってるじゃないか」

バス停「ワシもそうじゃ……。生まれたから、ここにいるのじゃ……」

子クモ「でも、……もう、そこにいる必要はないじゃないか」

バス停「ワシは残念なことに、お前さんのような立派な足がないんじゃよ」

子クモ「じゃあ、動けないからそこにいるだけじゃないか」

バス停「そういうお前は、動けてしまうから、今日の夜には、もうそこにいないのじゃろう」

子クモ「当たりまえだ。こんな工事現場にいたって楽しいことなんてないさ。
    昔と違って、このあたりは虫だってぜんぜんいないし……」

バス停「まだ若いのに、知った口をきく、面白いやつじゃな」

子クモ「だから、虫がいっぱいいる森を、探して歩いてるんだよ」

バス停「無駄じゃよ。このあたりはもう、どこも似たようなもんじゃ……。
    そうか、だから痩せ細っているんじゃな?」

子クモ「じゃあ、どこへ行けばいいと言うんだよ!」

バス停「……お前は、深い青色をした、綿毛でできたバスを見たことはないか?」

子クモ「あおい……わたげのバス……?」

バス停「それじゃあ、夜の3時にここに来るとよいじゃろう」

子クモ「なんだよそれ……ど、どこに連れてってくれるって言うんだよ」

バス停「お前の望むところじゃよ」

子クモ「し、信じられるか、そんな話」

バス亭「じゃあ、お前はなにを信じているのじゃ?
    この目の前に広がる、殺伐とした街を信じているというのか?」

子クモ「ボ、ボクは……」

バス亭「信じられなくてもよい。夜の3時に来て、じっと見つめるのじゃ……
    その坂の下から、青いバスが、ふわっと、浮いて現れるのを待つんじゃ」

子クモ「そ、そのバスのために、お前は、いまもここにいるというのか?」

バス亭「そうじゃ。やっとわかったかようじゃの。いまも青いバスは大にぎわいじゃ」

子クモ「み、みんなと一緒にいくのか?」

バス亭「そうじゃない。それぞれの望む場所にいくんじゃ」

子クモ「じゃ、じゃあ、ボクは、虫がいっぱいいる森へ行けるのか?」

バス亭「お前がそう望めば、じゃ。心からそれを望まない限り、現れないがな」

子クモ「ふ……ふんっ、ばかばかしい。ボクはもう行くよ……」

バス亭「ふぉっ、ふぉっ、ふぉっ。お前は戻ってくる。今日の夜、3時に」

子クモ「ば、ばかな! 勝手なこと言うな!」

バス亭「誰もが持っている、魔法の乗車券を、使うも破るも、その者の勝手じゃ。
    じゃがな、信じる心がなければ、望む未来へと運んでくれる
    バスは現れないんじゃぞ……」

子クモ「ボ、ボクは、どうしたら……」

バス亭「3時にここにくればよい。それで未来を信じるがよい。
    ここは未来へと繋ぐ、「未来の道路」なんじゃ。」

子クモ「ボ、ボクは……」


そして……。


やがて、夜が訪れましたが

大雨が降って、子クモはどこかへ流されてしまいました。(ひでぇ)


kini2soldout.jpg

次の日曜日に開催される、トークイベント
「気になること。2」、ソールドアウトとなっておりました。

チケット、購入していただいたかた、ありがとうございます。
楽しみに待っていてください!

これから……と、検討されていたかたには、申しわけないです。
また、機会ありましたら、ぜひ。(当日券はございません)

もうあと数日後ですよ。

お楽しみに!!

Posted by eno at 04:30 PM
October 27, 2008
かぼちゃ。

yaoyasan.jpg

オフィスの近くに、コンビニがある。
メジャーではない、コンビニ。
車1台通るのがやっとの、裏道のコンビニ。

そのコンビニの前に、昔ながらの八百屋さんがある。
店先に、いろんな野菜を並べて売っている。

オモテの恵比寿とは思えない景色である。


ついさっき、その前を通ったら
お母さんと、4〜5歳くらいの男の子が
八百屋さんに、買い物に来ていた。


その子は、半分に切ってある、かぼちゃを抱えながら

「かぼちゃ、買おうよー」
「かぼちゃ、買いましょう」
「かぼちゃ、かぼちゃ〜」

と無視する母親に、ずっと語りかけていた。


ハロウィンとか、そんなもの、全然関係ない
恵比寿の路地裏の八百屋さんで
なんとも言えない、息苦しさみたいなものに包まれた。


「かぼちゃ〜」

「かぼちゃ〜」


なにこれ?

なんで、こんなにたまんないんだろう。


苦しくて、コンビニの自動ドアに頭、ぶつけそうになった。


まだ、苦しい。

yutower.jpg

Posted by eno at 04:30 PM
October 26, 2008
「ずらす」という緊張。

whitehouse.jpg

僕は「お笑い」が好きだ。

笑うことも純粋に好きだが
「お笑い」が、好きなのである、ずっと。


最近になって、やっと気付いたのだが

僕は、「ずらし」が好きなようだ。


もちろん、お笑いはいろいろ好きだが
特に「ずらし」が好きなようだ。最近になって、やっと気付いた。


ほんとうは、調理法とか料理の技術のように
それを指す、専門用語があるのかもしれないが
ここは、「ずらし」、という呼び名で、進めさせていただきたい。

僕は、ずっとそう呼んでおりまして。
ま、自分の頭の中だけで、ですが。


「ずらし」というのを、説明したい。
じゃないと、この文章が成り立たない。


「ずらし」は、「例え」というのと似ている。
似ているというか、含んでいる。


誰かが、「木村って、ほんとおっちょこちょいだよなあ」と言ったとする。

「そうそう、バカだよね」とか、「よくミスるよね」とか
そういう、応えかたがあるが、それは「そのまま」である。


それを「例え」にすると

「3歳児だよな」とか、「ニワトリだよね」となる。

例えているわけだ。


「例え」の時点で、本当のことではなくて、少し、「ずれて」いる。
現実から少し、「ずれて」いる。

少し面白いが、しかしまだ、「ずれ幅」が小さい。


もう少しだけ「ずらして」応えてみる。

「木村って、ほんとおっちょこちょいだよなあ」
「脳みそ、32グラムしかないんだって」

という感じになる。
でも、それはまだ「例え」の範囲だ。
「あり得ない」だけで、「例え」としては、正解といえる。


さらに、もうちょい「ずらして」みる。
このへんから「ずらし」、になってくる。


「木村って、ほんとおっちょこちょいだよなあ」
「ケータイ無くしてもいいように、いつも3つ持ってるからな」

「木村って、ほんとおっちょこちょいだよなあ」
「中華街で、いつもパスタばっかり食ってるもんな」


という感じになる。
しかし、まだずれ、が足りない。

中華街でパスタばかり食べているのは
ある意味、おっちょこちょい、でもあるからだ。


もう、さらに「ずらして」みる。


「木村って、ほんとおっちょこちょいだよなあ」
「親父、マイアミ生まれなんだろ?」

「木村って、ほんとおっちょこちょいだよなあ」
「持ってる金、常に4の倍数だからな」

「木村って、ほんとおっちょこちょいだよなあ」
「六本木に行くと、あいつ、身長、縮むからな」

「木村って、ほんとおっちょこちょいだよなあ」
「綿棒で言ったら、綿じゃなくて、棒のほうだろ?」


この「ずれ幅」が、大きいほど、僕は好きなのだ。

しかし、そこに関係がなくてはならない。それが大事だ。

「関係ねぇよ」というくらいの、「ずらし」かたが面白いんだけど
どこかで、理由はともかく「関係」を感じられないと、成立しなくなる。

実際に、関係性が存在する必要はなく
どこかしら、関係を、細い線でもいいから、感じられればよい。


だから……。

「木村って、ほんとおっちょこちょいだよなあ」
「宮崎駿でございます……」

「木村って、ほんとおっちょこちょいだよなあ」
「リンガーハットだぬーん!」


というのは、面白くない。ちょっと面白い気もするけど。
それは、ポーズとか、言い方次第だ。


しかし、人によって、その繋がるラインのギリギリ度合いが異なる。

だから、難しい。
だから、面白い。


笑いは「緊張と緩和」だというが、「緩和」にならないと笑えない。

「緩和」を、表情やポーズ、言い回しで生み出す笑いは、あまり好きではない。

「ずらした」応えで、脳に緊張を生み
「なんだそりゃ?」となったところで、ちょっと繋がる。

繋がることで、緩和する。


ていうか、なんでこんなこと、夜中に書いてんだろ。
コーヒー、買いに行こっと。

Posted by eno at 01:32 AM
October 25, 2008
脳の身勝手に注意。

cafebach.jpg

人と会話をしていて、「因果関係」の話になった。

人は、因果関係を求める。
脳は、因果関係を好む。

因果関係というのは、原因と結果、その繋がりのことである。


子どもの頃も、因果関係を考えたりはするが
大人になると、仕事をやっている上で、そういう習慣がつく。

例えば、飲料関係の仕事をやっている人がいて
例えば、今年の夏、アイスのブラックコーヒーの売上が、全体的に良かったとする。

で……「あー、そうなんだー、へぇ」では、仕事上、よくない。

「今年の夏は、例年に比べ、気温がどう」だの
「ダイエットを気にする若者がどう」だの、そういう原因を考える。
考えて、自分なりの結びつきを作る。結論付ける。


思うのだが、これって、意識してやっていることでもあるけど
脳が喜んでいることなのではないだろうか。
言い換えれば、脳が好きなことなのではないだろうか。

1つの情報が豊かになるというか
情報が、ほかの情報を結びつきをするというか
様々な情報との結線が太くなるというか。


とはいえ、あまりそんなことを考えない人もいるだろう。
とはいえ、極力、因果関係を考え求める人もいる。
僕は、ものすごく、こっちのタイプだ。
なにかしらの変化があったら、取りあえず、因果を考える。


最近、思うのは、いちど考えて終わり、にしないこと。
それを、すごく注意している。
また、原因が複数あることも多く、なにか1つに決定づけないこと。
こちらは、ものすごく注意している。


話が繋がるのだが、というのは
どうも、脳は、因果関係が好きなようで
なにか、1つ因果関係が自分の中で成立すると
まるで、「お腹いっぱい」と、満腹の信号が出たように
それでもう、納得してしまうのだ。

「え、デザート? いや、もういらない。お腹いっぱい」みたいに。

だから、かなり意識して、そうじゃないかもとか
もっともっと、原因が存在するに違いない、とか考えている。


ところで、脳が好き、といえば
因果関係の話と似ているが、脳は、「名前」がすごく好きだ。
「ラベリング」が好き、と言ってもよいのかな。

逆にいえば、そんなもので満足してしまう。


例えば、みんなで、どこかの公園に行ったとする。
すると、見慣れない鳥が、池にいるとする。

「あの鳥なんだろう?」と思う。

脳の優れているところだ。自然と興味を持つ。
そんなことまったく思わなくなることもあるので、注意だが。


で、実際に口で、「あの鳥なんだろう?」と言ったとする。

誰かが、「あれは、アカハジロだよ」と答える。

すると、「あぁ、あれはアカハジロかぁ」と思う。


それって、なんだよ、と思う。

名前がわかっただけだ。
名前がわかっただけで、なにもわかっていない。
生態も、特徴も、どんな餌が好みとか、なにもわかっていない。

なのに、かなり、わかった気になる。
わかったつもりになってしまう。

脳は、ラベル1コ貼って、大満足だ。


それじゃよくない、と、僕自身は思いたい。
脳も僕自身だけど、意識して脳に働きかける。


知った気になる、わかった気になる、というのは
この世の中を、自分のものに塗り替えていく作業として
誤解であろうが、なんだろうが、すごく大切なことではあるが
そこで、止まらないようにする、意識が必要だと、思っている。


ぜんぜん関係ないが、最近、タクシーに乗ると
「お客様の安全と法令を守るため、シートベルト着用にご協力ください」
という音声が流れることがある。

「安全と法令」って。

誰が、うまいこと言えと……と思っていたが
よく考えたら、ものすごくヘンテコだ。


Posted by eno at 11:41 PM
October 24, 2008
人と機械

jyuki.jpg

また、オフィスの周りが工事ばかりだ。

水道工事、道路工事、建設工事。
上の階までリフォームを始めた。


僕は工事現場のマシーンが好きだ。
工事関連の重機が好きだ。

時間があれば、人間とマシーンの共同作業を見てしまう。


僕が重機が好きなのは、そのメカニズムとかルックスではない。
人間と一緒に働いているロボットのように思えるからだ。ペットというか。


よく、子どもの頃に、「大昔の暮らし」みたいな絵で
マンモスに乗って人間が移動していたり
大きな動物に食べ物なんかを積んで、運んだりしている絵を見た。

或いは、「未来の暮らし」みたいなもので
ロボットが、テーブルにコーヒーカップを運んでいたり
する絵があるが、そんな感じ。


なんというか、生きている感じに思えるのだ。
人間の友、というか、一緒に働いている感じ。


少し、遠目で見ると、より、そう思える。
工事の作業をしながら、会話しているように見える。聞こえる。


班長「そこあと仕上げ終わったら、一旦休みにするぞ」

重機「モトさん、1時間前もそんなこと言ってましたよ」

班長「ところで、お前、年末は仕事出れるのか?」

重機「いや、今年は、久しぶりに実家に帰ろうと思ってまして」

班長「お前、実家、どこだっけ?」

重機「苫小牧なんですよ」

班長「じゃ、冬は雪で大変だな」

重機「えぇ、親父もいい歳なんで、いろいろ手伝いに……」

班長「実家には、兄弟とかいないのか?」

重機「弟と妹がいます」

班長「仕事は、なにやってるんだ?」

重機「弟は稲刈機をやっていて、妹は券売機です」

班長「券売機の妹は、結婚はしてないのか?」

重機「いちどフォークリフトと結婚したんですが……去年、離婚しまして」

班長「フォークリフトの野郎はどいつも浮気性だからなぁ」

重機「まさにそれなんです、理由が」

班長「そりゃ仕方な……おぉい! そこちょっと手前まで掘りすぎだぞ!」

重機「モトさん、そろそろ休憩にしません?」

班長「なに言ってんだよ、まだ早ぇよ!」

重機「ガリガリガリ……」

班長「だから、そこ掘るなって!」

Posted by eno at 03:12 AM
October 18, 2008
Bye Bye in Orange

pepo.jpg

用事があってガーデンプレイスに行った。

ぬいぐるみ……じゃなくて、着ぐるみというのかしら?
オレンジ色のモコモコした、ヘンな着ぐるみを着た人がいた。
背中を向けていたので、なんだかわからないが
ものすごく場所に対して違和感があった。


なんだろう?

と思っていると、警備員だか私服警官らしき、腕に腕章を巻いた
黒スーツの人たちが現れて、着ぐるみの人を、連行していった。


着ぐるみ姿の変態の逮捕劇か?


なんて思っていると
遠くから、小さな女の子の、「ばいば〜い」という声が聞こえた。

すると、その声に反応して、オレンジの着ぐるみが振り返った。
振り返って、手を振った。

くすんだオレンジ色の、なんだか奇妙で、大きな手が、大きく揺れた。


ピ、ピーポくん?


後ろ姿でわからなかったが、オレンジ色の場違いな着ぐるみは
それはピーポくんだった。

交通安全かなにかを伝えるために、ガーデンプレイスに来ていたのだろう。
連行されたわけじゃなくて、一緒に帰っていったところだったのだ。


女の子に手を振ると
また振り向いて、黒スーツの男たちと帰って行く。

その後ろ姿が、もうわかってはいるのに
どうしても、連行される着ぐるみ変態にしか見えない。


「ほら、もう帰るぞ」
「お前、こんな格好してなにやってるんだ?」

そんな声が、勝手に聞こえてくる。


すると、また、違う男の子の声が、着ぐるみを呼ぶ。

「ばいば〜い!」


着ぐるみ……いや、ピーポくんは、また振り向いて、手を振る。

手を振るが、また、男たちに連れられ、帰って行く。


もう僕には
子どもに愛されているのに、逮捕されてしまった犯人、としか見えない。


『Bye Bye in Orange 〜悲しみの着ぐるみ殺人犯〜』


着ぐるみ犯の逮捕劇。
子どもたちから愛された殺人犯の物語。


幼稚園に、いつも着ぐるみ姿で現れる男。
子どもたちから、みんなに愛されていた。

しかし、可愛い姿の、その中は、殺人犯だった。


10年近く前の話。

雪の夜。
北陸の、とあるバーでの出来事だった。

男は、今日も馴染みのバーへ飲みに来ていた。
客は、男と、もう1人だけだった。


「やめてください!」

バーのママの悲鳴が聞こえる。

ママは男にとって、恩人だった。
3年前、指名手配中、北陸に逃げてきた男をかくまってくれたママ。
ママは店の常連に事情を伝え、男の仕事先まで探してくれた。


「離して!」

再び、ママの叫び声が店に響いた。
酔っぱらいの男が、ママに絡んでいる。

男は酔っぱらいを止めようと、席を立ち、詰め寄った。
ママを掴む手を払い、椅子に座らせようとする。
しかし、ちょっと押したつもりが、酔っていたこともあり、相手は転倒。
運悪く、テーブルの角に頭をぶつけてしまい、酔っぱらいは逆上する。

テーブルの上の、フルーツをカットするためのナイフが光る。
酔っぱらいは、ナイフを手に取り、男を襲う。

「てめぇ! ふざけやがって!」

ナイフが男を襲う。


そのときだった……。


酔っぱらいは天を仰いだかと思うと、白目を剥き、静かに床に倒れ込んだ。


見ると、その後ろには、バーのママの姿。

バーのママの手には、血の付いた、大きな灰皿が握られていた。


男は言う。

「ママがやったんじゃない。オレがやったんだ」


男は、自ら警察に電話すると、事情を説明した。

男はママの手から灰皿を奪うと、上着で血痕ごと指紋を拭き取り
床に投げつけて、叩き割った。


「いいか、ママ……。オレがやった、って言うんだ……」

男はそう言うと、店を出ようと、ドアを開ける。
外は暗く、雪が降っていた。


「ま、待って……」

ママが止めようとすると、男は振り返らずに言った。


「どうせオレは前科者だ。この街での3年間、ほんとに楽しかったぜ。
 なあに、捕まりゃしないさ。また、どこかの街で生きていくだけだ」

そう言うと、男は店を出た。


その後、男は、いろいろな街を点々としながら暮らし
ふと入った飲み屋で、北陸のママに似た店員と出会う。

男は目を疑った。

「ママ……なわけがないか」


やがて、男はその女と深い仲になり
自分の過去を話すようになった。

女も同じように、自分のことを男に伝えた。

女の実家は東京にあり、幼稚園を経営していた。
女は、稼ぎのために、知り合いのつてで、数年、東京を離れており
しばらくした後に、帰る予定だった。


「じゃあ、うちの実家……園で働きなよ」

「嬉しいが……オレは、太陽の下で生きられる身分じゃない。
 どこに警察の目が光っているか、わからないからな」

「それだったら、大丈夫。いい仕事があるわ」


そして、男は、東京の幼稚園で働き始めた。

着ぐるみに身を隠して。


男は、やがて、その仕事に生き甲斐を感じるようになった。

子どもたちの喜ぶ姿が、嬉しかった。

常に逃げてばかりの人生だった男が、人に求められる、人に喜ばれることで
自分の生きる価値、みたいなものを見出していた。


男は幸せだった。


しかし、その幸せは長くは続かなかった。


園児たちと、園の近くにある、複合商業施設に遊びに来ていたとき
遠くから、黒いスーツの男たちが、近づいてくるのを、男は目にした。


男は察した。
しかし、男はもう逃げなかった。


スーツ姿の男が、男の側に寄る。

「脇田……脇田武史だな?」

「……はい」

そう言うと、スーツ姿の1人が、男の腕を掴んだ。


心配そうに子どもたちが見ている。

男は、スーツの男に聞こえるくらいの、小さな声で伝えた。

「頼んます。頼んますから、ここを出るまでの間……。
 子どもたちを悲しませたくないんで……
 あと、あと、3分だけ、時間をもらえませんか?」


男は戯けた。

つまづいて転んだり、慌ててテーブルにぶつかったりして
子どもたちを笑わせた。

男が子どもたちに見せる、最後のショウだった。


「もういいか?」とスーツ姿が言った。

オレンジ色の着ぐるみは、深く頷いた。


スーツ姿の男が、子どもたちに言う。

「みんなー! いいかな!
 残念ながら、今日でサヨナラです」


「えぇーっ!!」

子どもたちは突然のことに驚き、悲しそうな顔をする。


「いまから、世界中の子どもたちに笑顔を与えるために
 ほかの国に、海の向こうに、旅立たなければなりません。
 突然のことだけど、わかってくれるかな?」

「いやだー!」「いやだー!」
「いかないでーおじちゃん!!」


子どもたちの涙声を払うように、スーツ姿の男たちは
着ぐるみの男を連れて、離れていく。


「ばいば〜い!」


遠くから、小さな女の子の、「ばいば〜い」という声が聞こえた。

すると、その声に反応して、オレンジの着ぐるみが振り返った。
振り返って、手を振った。

くすんだオレンジ色の、なんだか奇妙で、大きな手が、大きく揺れた。

pepo.jpg

「ばいば〜い」

Posted by eno at 11:21 PM
October 17, 2008
Tokyo Rouxと人間関係。

tokyoroux.jpg

晩ご飯を買いに、ガーデンプレイスへ。
三越の地下の、Tokyo Roux(トーキョールー)を目指す。


僕はここの、スパイシーチキンカレーが好きだ。
この3ヶ月くらいで何度食べただろう。
先月、食品売り場が部分改装して休業していたときは
再オープンの日を、スプーン片手に待っていた。


Tokyo Rouxの、スパイシーチキンカレーは辛い。
食べると、汗が出てくる。
辛い、ということで言ったら、ほかにも辛いものはいっぱいあるけど
辛いだけじゃないから、すごく良い。

Tokyo Rouxには、スパイシーチキンカレーのように辛いのだけではなく
フリンフォンなメニューもあるので、辛いのが苦手という人は
そちらをどうぞ、ですが、イケる人は、スパイシーチキンカレーをぜひ。


Tokyo Rouxが出来るまでは、パッと食べられて
カツンとスパイシーなカレーの店、というのがなかった。

よくある、フランチャイズなカレーショップのカレーも美味しいが
どこのお店も、その基準となる味が、まったく辛くない。

「3辛」とか辛さを上げることができるが、それは理想と異なる味だ。
辛くすればよい、ということではない。
こちらは、スパイシーなものが食べたいのだ。
「辛み成分を足す」というのは、求めているものの解決にはならない。
それだと、辛くない担々麺が出てきたとき、「じゃあラー油入れればいいじゃん」
ということになってしまう。それは違う。
それで良いなら、最初から唐辛子をおかずにご飯、食べている。
ラー油ごはんで満足している。

インド料理屋に行けばいいじゃん、というのも違う。
本家に対して申し訳ないが、そのカレーと求めているカレーは異なる。
あと、パッと行って、パッと食べられない。


そんな中、Tokyo Rouxが出現した。

さすが、Soup Stock Tokyoの会社だ。
もう、ニーズぴったり。「そこよ、そこ!」という味。

いや、そこまででもないな。ちょっと誉めすぎた。
だけど、スパイシーチキンカレーは、ほんとに美味しい。

ちょっとだけ思うのは、これは恵比寿三越店だけかもしれないが
ご飯が固すぎる。もうちょっと柔らかくてもよいのではないか。
ほかの店舗だと五穀米とか選べるようだが、恵比寿店は選べないし。
いわゆる日本米のねっとりした感じないライスにルーを合わせたい
という狙いはわかるんだけど、ちょっと固すぎる。
今日も、ルーだけテイクアウトして、ライスは別のとこで買った。


ガーデンプレイスまでは、オフィスから2分くらいの距離だ。
すごく近い。

トコトコトコと細道を歩いて、アメリカ橋を渡ればそこにある。

今日もトコトコトコと歩いていたら、後ろから声が聞こえてきた。


「……キミ、あの上は行ったことある?」


後ろからなので、顔は見えないが、たぶん50代の男性だろう。

歩きながら、話を続けて聞いていたら
同じく、ガーデンプレイスに向かっているようだ。

「夜景もキレイだから、キミも喜ぶと思うよ」

どうやら、「上」というのは、ガーデンプレイスのタワーを指しているらしい。
誰か女性と一緒のようだ。
タワーの上にあるレストランフロアーで夜景を見ながら
食事をしようとしているのだろう。

「キミが喜ぶなら……うんたら」
「今日は秋の夜景がキレイだよ……かんたら」
「キミは食事は……どうのこうの」

と続いている。
安いドラマのような台詞がどんどん続く。


しかし、男性のほうが、歳を取っているのだとは思うが
ものすごく態度というか、立場が上だ。

「キミ」……って、少なくとも、僕は使ったことはないなあ。


どんな関係なんだろう?
どんな人たちなんだろう?

と興味がわいてくる。


なんだろ?
偉い弁護士のおじさんと、弁護士事務所の新人の女性か。
テレビのプロデューサーと、新人のタレントか。

そのくらいの「立場の差」を感じさせる台詞がポンポン続いている。


やがて、ガーデンプレイスの敷地内に入ると
僕は三越なので左へ、彼らはタワーなので右へ、と別れてしまう。

ここで見なければ、後悔する……。

なんか、「忘れ物をしました」みたいな表情で振り向けばヘンじゃないだろう。

どんな人たちなのか、興味は止まらない。
止められない。


「えいっ!」と、パッと振り向くと

そこにいたのは、会社経営もしている芸術家みたいな50代のおじさん。
頭で描いていた顔とはちょっと違ったが、ほぼ、正解だ。


しかし、驚いた。

その後ろを見ると、女性……には違いないんだけど
どう見ても、その男性と同じくらいか、もうちょい上のかた。

もしかしたら、60代かもしれない。


まったく外れた。
一勝一敗。
いや、どちらかというと半分正解、というか不正解。


なんで、その関係で、そんな感じ?

で、結局、どういう間柄?


「他人の人間関係ってわからないものだなあ」と思いながら
秋の夜空の下、カレーを求めて歩いた。

スパイシーチキンカレーは、今日も美味しかった。

Posted by eno at 08:29 PM
October 15, 2008
好きの後押し

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先日、NHKのインタビューを受けた。

と思って、いま調べたら、もう掲載されている。
オンラインのメディアは早いものだ。

興味あるかたは、読んでください。企画上、昔話ですが。

<<ここをクリックすると、インタビューのページにジャンプします>>


そのインタビューは、20代の頃のこと限定だったので
久しぶりに過去を振り返ることとなった。


また、ちょっと前に知人から人生の相談のようなものを受けた。

いつの間にか歳を取り、よく被相談キャラになっている。
経験は多いと思うので、言えることはなんでも伝えた。


そんなこともあって、なんだかいろいろ自分でも考えてしまったのだが
「好きだ」という力は、なんて強いんだろう、と思った。


例えば、どんなことでもいいんだけど
うまくいくか、どうなるのかわからないことがあるとする。

わからないマーケットでも、産業でもなんでもいいんだけど
新しいこと。もしくは、自分にとって新しいこと。


そういうのは、言い換えればチャンスである。
そういうことに挑戦するのを繰り返すと、未来が開けたりするし
なにも挑戦しなければ、未来は今日とあまり変わらない。

とはいえ、誰だって計算が働く。
よほど余裕のある人じゃない限り。

収入的に、どうなるのかわからないこと。
或いは、その先がどうなるのかわからないこと。

そういうことは、そりゃ誰でも躊躇する。
ただ単に、そこのプラスマイナスで見る他人にはギャンブルにも見える。


だけど、「好き!」っていうことだけで、動けたりする。
大変かもしれないけど、好きだから、やってみよう、とか。
さっぱり見えないけど、好きだから、やってみたい、とか。


そう思うと「好き」になれる、というのは大きな力なのかもしれない。

恋は盲目、Love is blindとかいうけれど、それとはちょっと違う。
そういう、いつの間にかボケてた、という感じではなく。
さすがに、人生かかったりすると、そこまでボケることは難しい。


「わぁ、それやってみたいなあ」とか「ちょっと面白そうじゃん」とか
そういう思いみたいなものは、特にいままで気にしていなかったんだけど
そういう気持ちって、ものすごく、大切なことなんだなあと
いまさらにして、深く思った。


なんていうのは、秋だからか。
もうあっという間に、10月も中盤になり、さささと年末がやってくる。

世の中、特に経済が、少し、ガタガタ言い始めているが
ネガティブな、マイナスな風のようなものも、誰の周囲に吹き始めるだろう。
そんな中で、「好き!」という気持ちを持てるかどうかが
大切なのではないかと思った。


ところで、調べていただいたら、11月2日のヨシナガさんとのイベント
前回よりも前売りの売り上げがよく、もうあと残り僅かとなりました。

このぶんですと、売り切れになって、当日券も出ませんので
「行く!」というかたは、お早めにチケットをゲットしてください。

しかし、ありがたい話だ。

Posted by eno at 06:41 PM
October 09, 2008
唐揚げ食べたらすごい睡魔に襲われた。

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明日の夜、「newtonica」の国内1位獲得記念パーティがあり
音楽制作者として、当然のように、ライブの出演をするのだが
その準備が大変でござる。

昼間は仕事しているので、夜中にやるわけで、それが大変でござる。

先週も、アップルストアでインストアライブがあって
明後日の週末も、また別のイベントでライブがあるので
2週間で3回もライブがあるというのは
どこのミュージシャンだという気もするが、ちょっとやりすぎ。


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さて、イベントといえば
11月2日に、ヨシナガさんとのイベントがあります!

『飯野賢治とヨシナガの気になること。2』

今回が第2回目となるが、前回は、めちゃくちゃ楽しかった。
出演者が言うことではないかもしれないけど
来ていただいた方は、そう思ってくれていることだと思う。

と、思う……。


ま、本気でくだらないイベントなんですが。

僕とヨシナガさんが、「気になること。」をテーマに
気になるモノやコトなどを、互いに紹介していくトーク中心のイベントですので
たまには、ただくだらなく、みんなで笑いたい、という方はぜひ。

来ていただいても、なにも得るものはないかもしれませんが
記念グッズのプレゼントはあります。


場所は、新宿のロフトプラスワンで。

18時開場、19時スタート。

11月2日は、翌日が祝日ですので、みなさん、ぜひ、お越しください。

1人でも、2人でも、5人でもどうぞ。


チケット、発売開始しました!

枚数に限りがありますので
「行きまっせー」という、ハッピーでピースフルな方は、お早めに。

前回は、事前にSOLD OUTしてしまいました。
もう、あと残り、1/3くらい(!)、とのことです。


ローソンのLoppiでLコード「39443」を入力すれば購入できます。

なくなってしまう前にぜひ。
なくならなかったりして。

Posted by eno at 01:14 AM
October 07, 2008
『ひかりとのぞみの紋章』〜名古屋まで編〜

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新幹線ばかり乗っている。

この1年でも、2年でも
最も乗っている電車、鉄道が、新幹線である。


新幹線は、速いこと=早いことが、第一主義である。
そして、快適で安全であること。

ビジネスだけでなく、旅行にも使われるが
旅情を感じさせたり、旅程を楽しませるような工夫はない。

以前は、食堂車が付いていたが、姿を消した。
姿を消す直前、わざわざ乗りに行ったのを覚えている。


近々、新幹線でも、無線LANのサービスが始まるようだが
ついでに、エンターテインメントも提供してくれないだろうか。


新幹線は閉ざされている。
集中して遊ぶ、絶好のロケーション、タイミング。


新幹線は、品川を出れば、次は名古屋だ。

新横浜に、停車するものもあるが、いずれにせよ
そこから、1時間半くらいは、停車駅がない。

この1時間半くらいを使って、チームバトルがしたい。


ソフトは、無料でダウンロードできて
PCからでも、DSからでも、PSPからでも、遊ぶことができて。


「『営業課長@7号車』さん、強いなあ!」とか。
「『出張帰り@14号車』さん、不意打ちだよ」とか。
「サンキュ、『単身赴任3年目@6号車』さん!」とか。

ただ、それが言いたいだけだろ、という気もするが

なんというか、同じ新幹線に乗っているという
「連帯感」をうまく引き出したい。


トンネルに入ったら、ゲームの世界も暗くなって
その間に、作戦タイムとか。弾を補充しなきゃとか。

そのうち、参加者も多くなって
「名古屋まで編」に参加とか、「京都まで編」だな今日は、とか。


1時間半の、壮絶で壮大なバトルに勝って
同じ新幹線に乗った、見ず知らずの仲間達と、心から祝い
勝利のエンディングマーチを聞きながら、ホームに降りて
颯爽とした姿で、仕事に向かいたい。


ゲームというより、そういう「外側」というか「枠組み」だけでも
じゅうぶん、楽しめるのではないだろうか。

オンラインとか、携帯デバイス、モバイルというものは
そういう「くだらない遊び」が、楽しいのではないだろうか。


子どもの頃、夕暮れ、みんなで缶蹴りをして遊んだように
新しい遊びを、みんなでワイワイ楽しんでみたいものだ。


ぜんぜん関係ないけど、コーヒーを頼んだら
「砂糖とガムシロップはご入り用ですか?」と訊かれた。

どっちもいらないし、両方はおかしい。

Posted by eno at 01:06 AM
October 04, 2008
CHILDISH

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その昔、とある国に行ったときのこと。

その街には、運河が多くあり
運河を渡る道路のあちこちに、車が路上駐車をしていた。
しかし、道路の両端には、柵のようなものはなかった。

路駐でミスったら、運河に落ちてしまうし
路駐じゃなくても、運転をミスったら、運河に落ちてしまう。

訊くと、「そんなものはいらない」という。

「そんなものはジャマだし、景観・美観を損ねてしまう」、と言う。
「道路から落ちるようなヤツが悪いんだし
そんなヤツのために、なんで柵が必要なんだ?」と笑っていた。


また、とある国の空港でのこと。

ビジネスクラスのラウンジで、飛行機を待っていた。
なぜだか、ものすごく居心地がよかった。
そういえば、ものすごく静かだった。

空港のラウンジというのは、落ち着けるようで落ち着けない。
というのは、「196便ローマ行き、搭乗開始しました」なんていう
アナウンスの声が、常に響いているからだ。
しかし、そこには、アナウンスが流れることはなかった。
気付けば、スタッフがうろうろと歩いている姿もない。

ラウンジを出るときに訊くと、「そんなものはいらない」という。

「自分でチケットを見て時間を見て、時間になったら
 自分からゲートに向かえばいいし、ギリギリまでいたければ
 ディスプレイの表示を確認すればいい」と言う。


なんて、大人なんだろう、と思った。

なんて、大人の社会だろう、と思った。


公園から子どもの遊具が、どんどんなくなっている。

危ないから、だという。
怪我する子がいるから、だという。


いろいろなものが、禁止されていく。

危ないから。
怪我した人もいるから。
死んだ人まで出たから。


モンスターペアレントが吠える。
モンスター大臣が呼応する。
モンスター国家になって
世界がモンスター化する。


いま、手元にあるライターを見たら
5秒以上点火するな、と書いてあった。
子どもに触れさせるな、と書いてあった。


どこまで、この社会は、幼稚になっていくのだろう。

子どもは幼稚で結構だが、それを見守って育てる大人や
国家が幼稚では、子どもが大人にならなくなる。


もう、この国の在り方や
法や政治について、いちど、ひっくり返して
根本から立て直す、時期に来ているのではないだろうか。


枝葉も大事だが、そろそろ根本、というタイミングではないか、と思う。

もう、与党なのか野党なのか、というだけの政治はどうでもいい。
幼稚すぎる。

Posted by eno at 08:16 PM
October 02, 2008
APPLE STORE TODAY!

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アップルストア銀座でのイベント、いよいよ本日だ。


音楽関係のパーティとかイベントは多くあるが
こういうトークメインのイベントは久しぶり。
パネルディスカッションみたいなのとはまた違うし。

もともと、台風で雨、と言われていたが
なにも問題なさそうで、よかった。


18時に開場して
18時半から、3Fのシアターというところでやってますので
お時間ありましたら、ぜひ、お寄りください。


『newtonica』を持っている、という方は
『newtonica』が入った、iPhoneなりiPodを持参いただければ
先着50名様に、newtonicaTシャツのプレゼントもありますよ。


さて。
どんなことになるのやら。

西健一とだから、面白いことだろう。


よく考えたら、APPLEファンが
APPLEでイベントやるのかー。
あまり気にしていなかったけど、すごいことだ。


ぜひ、銀座のアップルストアでお会いしましょう!

Posted by eno at 05:06 AM
October 01, 2008
音楽と世界

musicearth.jpg

数日前に、「newtonica player」が、全世界でリリースされた。

基本的には、音楽を聴くだけのアプリケーションだ。

僕の楽曲が、世界に届く。


最新のデータはないんだけど
上がってきたものを元に予測すると
たぶん、いま現在で、数万ダウンロードという感じ。

アメリカなど、海外は、やっとプレスリリースが出たので
これから、もっと伸びていくだろうけど
国内は現在、ミュージックのカテゴリー全体で1位。
カテゴリーを外しても、ストア全体で4位となった。


どこかで失速するだろうけど、まだまだ伸びそうだ。
どこかの時点で、仮に、10万ダウンロードといったとする。

僕の音楽が、全世界でリリースが10万に届くなんて
あまりにも、すごいことじゃないだろうか。


リストを見ると
アメリカやUK、ドイツなんかはもちろん
クウェートや、グアテマラ、ルクセンブルグ、クロアチア
スロベニア、エルサルバドル、レバノンなどからも、ダウンロードされている。

この拡がりがすごいと思った。

普通の流通では、日本+海外2〜5カ国くらいだろう。
パナマや、アラブで、僕の音楽を聴いている人がいると思うと
ものすごく、嬉しいし、不思議な感覚にもなる。


何故か、スペインが多く
ある日は、日本、アメリカに次いで、3番目に多い。
さすが、Sonarがある国だ。

アプリケーションをアップデートして
フライヤーが表示されるようにしたら
突然、スペインに行って、ライブやってもお客さんが集まるのだろうか。


ただリリースしただけではなく、レビューがあるのも嬉しい。
例えば、アメリカからでは、「Fantastic sounds」とか
「A must have for music Loverz」とか書いてある。


新しい可能性を、実感した。

これは、面白い。

本人にも、わけが分からない状態というのが、なによりも、面白い。


そんな中、以前、お伝えしましたが
明日、アップルストア銀座で、イベントがあります。
トークもライブもします。

18時半〜、3Fのシアターです。

お時間ありましたら、ぜひお越しください。

詳細は、このblogのちょっと前の、9月28日のエントリーで。

Posted by eno at 11:54 AM