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October 28, 2010
ツイッターのひみつ。

bizeno_1.jpg

10月1日に行われた、Twitter社共同創業者のBiz Stoneとの対談
Ustreamの中継で見ていただいたかたも多くいらっしゃると思います。

見ていただいかたからは、数多くの反響をいただきました。
大変、好評なようで、とてもありがたく感じています。


インターフェイスデザインや、モバイルの可能性の話を通して
TwitterとBiz自身について、深く掘り下げて、話を引き出すことが
僕の役割というか、テーマというか、ミッションだったのですが
Bizのおかげもあって、思っていた以上に、上手くいったと思うし
他では見られないような、面白い内容になったと思っています。

僕が、インタビュアー側に立ったことが成功だったのかなと。


しかし、放送は当日のUstreamの生中継のみ、だったため
金曜日の早い時間帯の夜ということもあり、見ることができなかった人や
或いは、知らずに、見逃してしまった人も多くいると思います。


......と!!


先ほど、Twitterから対談の動画が新たに編集されてアップされました!
日本語の字幕付きです。

そして、動画だけではなく、対談を起こした、電子テキスト版もアップされました!
動画に付いた字幕とは別モノで、文章として読みやすいものになっています。


対談は僕だけではなく、Bizと乙武洋匡さんも行われました。
乙武さんのパートは、僕のとはぜんぜん違って、また面白いです!


ぜひ、ご覧になってください。

僕にとっては、学んで感心することばかり。

「ツイッターのひみつ」、ですね。


こちらから↓ 楽しんで!

<<ここをクリックすると、Twitterのブログへジャンプします>>


bizeno_2.jpg

けっこう、真剣でした。

真剣40代しゃべり場です。Bizは30代だけど。

Posted by eno at 11:28 PM
October 20, 2010
ブランドと命名権。

nikenike.jpg

とある、誰でも知っているオンラインサービスの
ブランド&マーケティングのプランを、仕事で考えていたとき
NIKEの宮下公園のニュースが目に入った。


僕はあまりこの件について詳しくないのだが
渋谷区立の「宮下公園」を「宮下NIKEパーク」という名称に変えるという
「命名権」が主軸になっている話だとずっと思っていた。


わかりやすい例でいえば、「CCレモンホール」だ。
あるとき、「渋谷公会堂」が突然、「CCレモンホール」になった。

電通による、サントリーへの命名権転売のビジネスである。


それによって、施設側は、収益を得ることができ
それによって、ブランド側は、ブランドや知名度を上げることができる。


なので、「宮下NIKEパーク」という話も、同じような話なのだろうと
あまり関心もなく思っていたら、NIKE側から数日前に発表があって
「従来通り、『宮下公園』のままとする」、というものだった。

名前は変えないですよ、ということだ。


え、どういうこと?


きっと反対運動などがあって、それに対してのものだろうが
「だとすると、いったい、それはなんなんだろう?」と思う。


家を建てようと思って、どこか、ずっと荒れ地だった土地を買ったけど
「やっぱり、元々の荒れ地のままでいいや」みたいなものだ。


それでは、なんのために、土地を購入したのか、意味がわからない。
とはいえ、まったく意味がない、なんてことするわけがないから
なにか、まだ見えない意味や意図があるのだろう、と考えるのが普通だ。
NIKEは、命名権を使わず、ではいったい、なにをやろうというのだろう。
というか、反対派が問題にしていたのは、名前がどう、とかいうことなのだろうか。


先にも申しあげたが、僕は、この件に関して
さっぱり詳しくもないし、申し訳ないけれど、それ以上の関心もないので
あまりこれ以上、いろいろ考えたり、意見したりしたくないのだが
まあ、そんなニュースが目に入って、ちょっと考えた。

たまたま、ブランド&マーケの仕事をしていたからだ。


この件のような公園や、先に挙げたCCレモンホールみたいに
「施設」の命名権を売買する、というのはこれからも起こるだろう。


そこで、思った。


「リアル」ではなく「オンライン」の世界で
それをダイナミックにやってみたら、どうなるだろう?
ということだ。


例えば「YouTube」。

YouTube側が、収益を求める代わりに
YouTubeという名称の、命名権を売ってしまう。

例えば、コカ・コーラが命名権を取得。

こんな感じだ。


coketube.jpg


なんだか、そんな悪くないかもしれない。


「YouTube」という、ロゴマークが出ていたところが
「コカ・コーラ」のロゴマークに代わるわけだ。


オンラインの利用者は、かなりの頻度で
このコカ・コーラのロゴを見ることになるだろう。


もう、僕らはYouTubeとは呼ばない。

「昨日、コカ・コーラで松本人志のコント見たんだけど......」と言う。

意味がわからないけど、そういうことだ。

いや、実際には、Coca-ColaTubeとかになるかもしれないんだけど。


或いは「Twitter」だって、名前を売ってしまう。


cocatwit.jpg


サービス名は、コカ・コーラだ。


ツイートというのも、コカ・コーラになるかもしれないし
リツイートは、コカ・コーラもう1本になるかもしれない。

意味わかんないけど。


最も大きな取引は、「Google」だろう。

オンライン最大のサービスである。

その命名権をコカ・コーラが取得する。


cokegoogle.jpg


「グーグルで検索」ではなく「コカ・コーラ」で検索となる。


「ググればいいじゃん」というのも、「コカすりゃいいじゃん」みたいになる。


と考えていて、「いや、逆っていうのもあるのか」と思う。

「コカ・コーラ」が命名権を、「Google」に売れば
「コカ・コーラ」ではなく、「Google」という飲み物になる。


「コカ・コーラ1本!」ではなく、「Google1本!」になるわけだ。


いや......、っていうか、それじゃただ単に

「『Google』という名前の飲み物が出ただけじゃないか?」

という気にもなる。


「コカ・コーラ」は、「コカ・コーラ」だからこそ、「コカ・コーラ」を飲むのであって

中身が同じだからって、「Google」という飲み物は、飲むのだろうか。


あれ?


goocoke.jpg

Posted by eno at 06:59 AM
October 15, 2010
『デス☆チーノ』

cap1.jpg

カフェに行って、カプチーノを頼むと
「アート」をしてくれるお店が多くなった。


コーヒー成分と、泡成分を上手く使って
美しくデザインされた、カプチーノのアート。

上の写真もその例だけど、非常にかわいらしい。楽しい。

カプチーノアートを元にして、コミュニケーションも生まれる。

「カプチーノ」=「商品」に「付加価値」が加わったわけだ。


僕がたまに入るカフェでも、そのアートが見たいために
ついつい、カプチーノを頼んでしまったりする。

ある意味、付加価値が、商品そのものの価値を上回る
「力」を持っているとも言えるわけだ。


だって、こんなに、かわいいときもあるんだもん。
ウサギちゃん。きゃわいー!

cap2.jpg


そこで思うのは、「カプチーノアート専門店」を作ったら
よいのではないかなあということ。


カプチーノアート専門店というか、カプチーノ専門店にして
そこに必ず、「カプチーノアート」が加わる、というお店だ。


いろんな店員さんがいて、いろんなアートがあれば
毎度、お店に行く楽しみにもなるだろう。

写真に撮って、Twitterやblogにアップしたり、友達に送ったりなど
話のネタとしても、かなり面白く、使えるものになると思う。

中にはすごい店員さんもいて、めちゃめちゃ緻密な絵を描いたりして
その人の絵(が描いてあるカプチーノ)が運ばれてきたら
まるで、「当たり!」みたいに、楽しくなるかもしれない。


「わー、いいなあ!」、なんて思ったりするんだけど
どこか、もうちょっと「インパクト」が欲しかったりもする。

「専門店」という価値はあるんだけど、ほかでもやっていることだし。


と、そこで思う。

「カプチーノアート」=「かわいい」

の逆をはって
「恐ろしいアート」を描いたら
インパクトが出るのではないだろうか? と。


名前は

『デス☆チーノ』

cap3.jpg


であるから、カプチーノに描くアートも
恐怖系というか、おどろおどろしい系で揃える。


こんな感じだ。

cap4.jpg

うーん、これはインパクトがある。(-:


さらに考える。

そこまで遊ぶんだったら、もっと遊ぼう。


例えば、たまに「絵」ではなく
「文字」が描いてある、カプチーノが運ばれてくることがある。

それを「ハズレ」とする。


例えば、こんな感じで。

cap5.jpg
(「死」って......)

「文字」が描いてあったら「ハズレ」。


「ハズレ」の場合は、絵柄が残念なだけではなく、ペナルティが付く。

ハズレの恐怖まであって、初めてデス☆チーノだ。


例えば、こんな感じでどうだろう。

cap6.jpg

面白い。


さらに、アイデアを考える。

「ハズレ文字」シリーズの中でも
例えば、「特定の文字」が描かれていたら
「強制的に2杯目」が、運ばれてくるとする。


しかし、ただ「2杯目強制」というペナルティだけではない。

「1杯目の文字」+「2杯目の文字」を合わせて「単語」になるので
その結果によって、さらなるペナルティが演出される。


まるでルーレットだ。面白い。

こんな感じ。

cap7.jpg


......な〜んて、くだらない提案で申しわけないんですが


これ、前回のトークライブ

「飯野賢治のヨシナガの『気になること。5』」

での、僕のネタなんです。
(実際はもっと長くて、もっと、くだらないんですが......)


ですので、前回、トークライブに来ていただいたかたは
2度目になってしまってすいません。。


前回のエントリーでも書きましたが
次回トークライブ、「飯野賢治のヨシナガの『気になること。6』」
の開催が決まりました。(ワーイ!)

チケットも発売してます!(詳細は前回のエントリーで)


という中(前からそうなんですけど)

「興味はあるんだけど、内容がわからなくて......」

という意見をいただきまして、例えば、こんなことやってますよ
というのを挙げてみたら、ちょっとはわかっていただけるかなーと思って
やってみたんですけれど、どうですかね......?(-:


実際はプレゼン方式で、僕、ヨシナガさん、と交互に
「気になること。」をテーマに、いろいろ見せたりトークしたりするので
ちょっとまた、場の雰囲気は違いますが、なんとなくわかっていただければなと。


というか、こういう感じのノリが好きな人は
ぜひ、次回トークライブ、「飯野賢治のヨシナガの『気になること。6』」
に来ていただきたいんです。

なんてことを思って、トークライブでのネタを、初めてblogで書いてみました。


ま、このネタが、トークライブを代表しちゃってよいかどうかわかりませんが。

もし、ご興味あったら、いらしてください。

「面白いなあ」と感じてくださったなら。


気が合うなら、楽しいですよ!(-:

<<ここをクリックすると、本イベントの詳細ページにジャンプします>>


よろしくっす!

Posted by eno at 07:52 PM
October 14, 2010
飯野賢治とヨシナガの「気になること。6」開催&チケット発売!

kininaru_logo6_2psd.png

知っている人は知っているが、知らない人はまったく知らない。

興味ある人は毎度来るが、興味ない人はまったく来ない。


という、もう第6回になります
僕とヨシナガさんのトークイベント

飯野賢治とヨシナガの「気になること。6」

を開催します!


11月20日(土曜日)の夜です。


半年に1回やっているのですが、もう前回から半年経つんですね。。


19時スタート(22時くらい終了)の「通常の回」と
23時半スタート(翌朝5時(!)くらい終了)の「打ち上げの回」の両方ありまして
チケット的には、両方参加の「通し割引券」もご用意しております。

どちらかでもよいですし、両方参加していただいても。
前回は、そのまま朝まで(=通し)という人のほうが多かったのかな。
時間の都合で、打ち上げ会のみ、という人もいらっしゃいました。


場所はいままでと同じ、新宿のロフトプラスワンです。


内容は......うーん、なんなんだろこれ。
僕とヨシナガさんが、互いに「気になること。」をテーマに
いろんなものを紹介して......みたいなことなんですけれど、実際違うよね。(-:

ま、いままで参加いただいた方で、面白かった、という方は
ぜひ、いらしていただきたいですし、いままで参加したことがないという方は
僕かヨシナガさんに興味を持っていただければ、ま、あまり内容がどうとか
いうことではなく、ぜひ参加していただいて、体験していただければと。


「ワハハハとみんなで笑いたいな」とか、そんな感じかと思います。(-:


チケットは、いつも通りローソンチケットにて販売。
大変失礼ながら、告知が遅れてしまいまして、昨日発売となりました!
(ほんとごめんなさい。ほんとごめんなさい。ほんとごめんなさい)


毎回、有り難いことに「売り切れ」となってしまいますので
ぜひ、購入はお早めに。

整理番号早いほうが、先に席取れますし。

お1人でも、友人を誘っていただいても、ぜひよろしく!

talklive080412_2.jpg


楽しさとバカバカしさは保証します。


上に書きましたが、「知る人は知っている」を見事に現す
リピート率及び、お客さん増加率なのです。

毎度、最初に訊くのですが、ものすごいリピート率です。
面白いと思ってくれた人は、大いにハマっていただけるのでしょう。

と同時に、チケットは毎度、有り難くソールドアウトになるのですが
前回まで、5回も続けているにも関わらず、「どんどんチケットが取れなくなる」とか
そんなことはまったくなく、チケット発売してからしばらくして
ふわーっと売り切れる......、という感じが第1回目からずっと続いています。(-:


11月20日、土曜日の夜ですので、ぜひ気軽にいらしてください。


半年に1回、みんなで大笑いする時間です。

お楽しみに! 楽しみましょう!


ローソンチケット:全国のローソン(Loppi)で購入できます。もう売ってます!

Lコード:
33154(通し割引券) 33150(本編) 33153(打ち上げ)
(通し割引券は枚数限定ですのでお早めに!)

ローソンチケットは、オンラインで購入もできますので、ぜひ下記へ。
その他、詳細な情報もこちらに掲載されております。

<<ここをクリックすると、ローソンチケットのサイトへジャンプします>>


また、ヨシナガさんの「僕の見た秩序。」内の、本イベント特設ページのほうに
今回のトークイベントに関して、チケットの購入方法など含め
ずいぶん詳しく書いてありますので、詳細はそちらをご覧くださいませ。(-:

<<ここをクリックすると、僕秩。内、本イベント告知ページにジャンプします>>


まだ1ヶ月以上先ですが、うーん、ずいぶん楽しみだ!

前回、個人的にはかなり面白かったのですが、今回もみんなで楽しみましょう!


それでは、11月20日、新宿ロフトプラスワンでお会いしましょう!


vitekini6.png

また、Twitterのアカウントを持っていらっしゃって
本イベントに参加していただけるかた用に、事前情報交換用のページを作成しました。

本イベントに参加を決定されたかたは、「YES」で参加表明をしてください!
うまくいけば、ここを見れば、誰が来るかなど、わかるようになるはず。。

ぜひ、よろしくお願い致します。

<<ここをクリックすると参加表明&情報交換用ページにジャンプします>>

Posted by eno at 05:43 PM
October 08, 2010
「3D」と「テレビ」と「魔法」について。

ceatec2010.jpg

CEATECに行ってきた。


CEATECというのは最先端の技術と
それら最先端の技術を使った機器や製品の展示会だ。

SONYやらSHARPやらPanasonicやらといった大企業から
初めて聞いたような小さな会社も出展する、大規模な展示会。

そう言ってしまうと、家電の展示会みたいに思えてしまうけど
もうちょっと、技術寄りの展示会である。
「このディスプレイ(と、うちの技術)すごいでしょう!」みたいな
最先端の技術と、それを使った製品が、多く出展されているのだ。


今年は、3Dがかなり多かった。

大企業から、中小企業まで、あちらこちらで3D。
あっちでも3D、こっちでも3D。その向こうでも3D。
会場となる幕張メッセは、3Dだらけだった。

まるで、夏休みの自由研究が、先生から出された課題で縛られてしまったように
みんながみんな、「うちの3Dは、こんなんでっせ〜!」と展示しまくっていた。
3D自慢大会である。

会場でも「3Dテレビ」が、様々なメーカーから、多く展示されていた。
そして、これからもどんどん登場してくるようだ。
今年は「3Dテレビ元年」なんて言われてるから、「ここから」なのだろう。


以前から「3Dテレビ」......、正確には「3D」と「テレビ」について
ずっと、「もやもやと感じて」いたことがあったのだが
今回の展示会で、自分なりに解決できたことがあった。

そんなこともあるから、わざわざ幕張まで足を伸ばす甲斐もあるというものだ。


問いは簡単。

「3Dテレビ」って、どうして「ピン」とこないんだろう?

ということだ。


その問いに関して、当初、即座に自分なりに用意したのは
「3Dテレビは、現在、出発点だから」であった。

それで誤魔化したまま、ずっともやもやしていた。


それについて、深く、CEATECに行って考えた。


自分なりの思考法なのだが、「現在を未来に伸ばしちゃう」というやり方があって
それによって、様々なことを、判断することが多い。

ちなみに、経験上、かなり有効な、思考法&判断基準だと思うので
「なるほど!」と思ったかたは、ぜひいろいろな場面で試していただきたい。

現在の状況を、未来にぐいーっと、伸ばして判断するというか
未来......というか、ある程度のゴールを持って来て、考える方法だ。


5年後でも、7年後でもいいんだけど、「未来の3Dテレビ」を考える。


例えば、いまから5年後。
いまよりもっとすごい3Dのテレビが出たとする。

価格も安いし、メガネなんて必要ない。
飛び出しの迫力はすごいし、画像も精細だ。

いや別に、5年後のモデルじゃなくて、7年後でもいんだけど
とにかく、いろんな面で「こりゃすごい」という3Dのテレビが出たとする。


果たして、それは大人気になるのだろうか?

人々を魅了するようなものなのだろうか?


いまの技術や価格に、問題があるとかどうではなく
そもそも、「3Dのテレビ」って、どうなんだろうと。

3Dのテレビの進化系があったとして、それは、どうなんだろう。


それに対する僕の答えは

「3Dって、テレビに向いてないんじゃないの?」

ということだ。


例えるなら、5年後とか7年後の未来に行ってきて
そこに置いてある3Dテレビを見て
「うーん、なんか相変わらずいまいちだなあ」というだけではなく
そもそも、3Dってテレビに向いてないんじゃないの?
と感じてしまった。


世の中に本当にインパクトを与えるものというのは
まるで「魔法!」と感じてしまうものが多い。


テレビが登場したときは、多くの人が、まるで「魔法」だと感じただろう。

ピンポンの相手をしてくれる、テレビゲームの登場は、まるで「魔法」だった。

インターネットの登場も、僕にとっては、まるで「魔法」だったし
理解してくれる人は、理解してくれると思うが、例えば、Twitterも
「まるで魔法だ!」と感じる、そのときに、Twitterの本当の価値があるように思う。


しかし、3Dテレビというものは、いくら進化しても
それが、所謂、「3Dテレビ」という状態のものである限りは
「テレビが立体になった!」というだけで、そこに「魔法」が感じられないのだ。


まるで、遠く離れた場所の風景を、切り取って
ハコの中に持って来ちゃった、と、そんなふうに感じるから
「テレビというものの登場」は、まるで魔法だった。

街頭テレビには人が群がり
力道山の試合を、目を見開いて熱中したのである。
さすがに、その時代には、僕は生まれていないけれど。(-:


「魔法のようなもの」に人は熱狂し、大爆発し、スタンダードになる。


だからこそ、「すごい技術」は「足し算」ではだめだと思うのだ。


「なにか」を「もっとよくする」ために、すごい技術はあるのではない。
「まるで魔法!」と感じるために、すごい技術はあるべきなのだ。

それが、人々の役に立つとか、ものすごい便利だとか
少なくとも、そういうものでない限り=エンターテインメントを目指すのであれば
「まるで魔法!」と感じさせることが必要だ。


であるから、3Dは、3Dを活かした「新しいもの」が必要なのだ。


3Dは「スパイス」にしてしまっては、本当の価値が出ない。

「テレビ」+「3D」とか、「デジタルサイネージ」+「3D」とか
そういう考え方のものでは、大した価値が出ない。

であるから、「ニンテンドー3DS」というものも
大ヒットするとしたら、所謂、「ゲーム」+「3D」というカタチのものではなく
新しいカテゴリのソフトウェアの発明があって、大普及すると思うし
任天堂という会社は、それができる会社であると僕は思う。
そして、「それも最終的にはゲームだ」、と言ってしまえるところが
任天堂のすごいところだと、僕は思っている。


話がちょっと逸れた。

3Dという技術は、ものすごい技術だと僕は思う。
魔法をそこに秘めている。
しかし、それは、テレビの「足し算」に使うものではない。
新しい魔法を生み出すために、「3D」はあるのだ。


近い将来、どこかの会社が3Dを使った「新しい魔法」を生み出すだろう。

それを発明できた会社が、業界をリードする会社になる
というレベルの威力が、3Dという技術にはあると、僕は思っている。


誰がそれを生み出すか?

それはいったい、どういうものなのだろうか?


答えは簡単。

消費者に聞けばよい。


「魔法が使えるとしたら、どんな魔法がほしいですか?」


テレビが飛び出す魔法は、誰もいらない。

Posted by eno at 11:27 AM
October 06, 2010
誤解とコミュニケーション

comm1.jpg

先週は、たまたま2つのトークがあった。

月曜日は、ロフトワーク主催の、Open CUでの上野美香さんとのトーク。
金曜日は、Twitter主催の、Twitter社創業者Biz Stoneとのトーク。


2つのトークが同じ週に集中するというのは珍しく
また2トークともに、「コミュニケーション」が話の主軸であったため
2つのトークで、イコールだった部分や差分も含め
自分のコミュニケーションに対する考えが整理できたように思う。

コミュニケーションを通して、コミュニケーションを知るというのが面白いが
主観と客観を通して、改めて、自分のコアを知るというのは
まさにコミュニケーションではないか、と感じた。


2つのトークで、様々な話をすることができた。
重なった話も幾つかあるのだが、反応がよかった話を1つ挙げたい。

ちなみに、Biz Stoneとのトークは、生放送のみであったが
後日、字幕が付いたものが、改めてアップされることになったので
見逃してしまったかたは、ぜひ、楽しみにお待ちください。
Twitterの創業者であるBizから、Twitter、そしてコミュニケーションについて
ある程度、突っ込んだ話を引き出したトークも珍しいと思いますので。


「コミュニケーションは誤解(或いは欠如)によって加速する」という話。


例えば、誰か友人が「やっと自分の仕事というものを見つけたよ」と言ったとする。
当然意味がわからない。
自分の仕事でやるべきことを見つけたのか、仕事のスタイルを覚えたのか
なにか新しい仕事に出会って、いまいる会社をやめようとしている話なのか
或いは、自分の天職みたいなものに出会ったという、めでたい人間的な話なのか
わからないから、興味を持ち、問いかける。

コミュニケーションというのは誤解があるから、或いは欠如しているものがあるから
そもそも発生し、それが持続する限り続くわけである。

もちろん、誤解がなくなる、なんてことは実際にはないわけだが
聞き手にとって「もう充分」と感じたら、そこでコミュニケーションは停止する。

また、コミュニケーションというのは一方的なものではないので
喋り手、聞き手という関係からスタートしても
聞き手側が発した言葉によって、喋り手が誤解を受けたら
(或いは、なにか欠如を感じたら)、双方が喋り手、聞き手になって
コミュニケーションは活発になる。

というのが、「コミュニケーションは誤解によって加速する」という意味だ。


話は少し逸れるが、一方的にずーっと喋りまくる人がいるが
そういう人に限って、ディテールから自分の思いから、なにもかも喋るので
話の相手は「はあ」とか「へえ」とか、そんなことしか返せなくなるのである。

喋っている人は、コミュニケーションをしているつもりでも、聞き手にその意識はない。
「はあ」とか「へえ」というのは、終了を告げる合図である。
</HTML>であり[EOF]である。
はい終わり、というのを、相手に気付かせたいだけなのだ。もうお腹いっぱい。


Twitterというのは(それを狙ったわけではないが結果的に)その点がよくできている。

140文字という制限によって、誤解が生まれやすいのだ。


例えば

「おはようございます! 今日は早朝、というか夜中の3時から出社して仕事しています。
 そして、悲しいことに、朝食も、昼食も抜き(!)になりそう。晩ご飯はTwitter社の
 Bizとの会食で、お寿司を食べることができるけれど、それまで自分のお腹が持つか心配です。
 というのも、いま東京都にプレゼンしているコミュニケーションプランに間違いが
 あったようで、明日の朝のミーティングまでに訂正して揃えておく必要があるので
 こんな早朝から......、っていうか、仕事が終わって帰るのも、夜中になるんだろうなあ。
 ま、明日は休みだからいいんだけどね。(-:」

なんていう朝の挨拶があったとする。メールでも電話でもなんでもいいんだけど。

ここまで一方的に言われてしまうと「大変ですね」くらいしか言葉が出ない。
ちなみに、この文章は260文字。


それが、140文字になると

「おはようございます! 夜中の3時に出社して仕事中で、朝食も昼食も抜きっぽい。
 晩ご飯は仕事の会食で食べることができそうだけど、それまでお腹が持つか心配。
 なんとか明日の朝までプレゼン資料の仕事を終わらせないとならないんだけど
 終わって帰るのは夜中になりそう。。......orz #ohayou」

という感じになる。

ほぼ、同じことを言っているようでも
この文章だと「なにをそんなに仕事が詰まっているのか?」とという気になる。

ある程度の深い仲なら「仕事の会食って誰と?」と興味を持つかもしれないし
「そこまで忙しい仕事ってなんだろう?」とメールや電話をしようと思うかもしれない。
「明日は休み」という部分は完全に抜けているので、体調を心配する人もいるかもしれない。

であるから、コミュニケーションが生まれる。
「そんなに仕事して、身体は大丈夫?」とか
「会食って誰と?」とか、「会食いいなあ、なにを食べるの?」とか
「プレゼンってなんの?」とか、かける言葉は人や関係によって違うだろうが
誤解や欠如があることによって、コミュニケーションが発生して、加速するわけだ。

そもそも、単純に言葉数が少ないだけでも、コミュニケーションしようという気になる。


であるから、もし、コミュニケーションの発生を目的にするなら

「おはようございます! 夜中の3時に出社して仕事中で、朝食も昼食も抜きっす!
 仕事が終わって帰るのは夜中になりそう。。......orz #ohayou」

というくらいに留めたほうが、「大丈夫!?」、「なんの仕事!?」
「晩ご飯は食べられるの?」と、興味を持ったり、心配してくれる人が多くなるだろう。

ちなみに、この文章は70文字。上の文章の半分である。
140文字までずいぶんあまりがあるので、コメント付きリツイートももらえるかもしれない。


さらに、これがTwitter本家になると、使われる言語は英語だ。
だいたい平均して、日本語に対して英語は、2倍の文字数を使うので
ここでいう最後の文章が、Twitter本家では140文字となり、こんな感じが1回のツイートとなる。
コメント付きリツイートが日本で流行るというの理由も理解いただけるだろう。


コミュニケーションというのは、誤解や欠如によって発生し、そして加速する。


Twitterは、たまたまではあるが(ケータイのSMSでの利用を意識してそうなった)
140文字という文字数の制限によって、コミュニケーションが活発になった。

コミュニケーションが活発になるだけではなく、誤解を含んだ、或いは欠如がある
誰か知らない人の文章によって、その人に対して興味を持ち
会話してみよう、フォローしてみよう、という気になるわけだ。
少なくとも、「お腹いっぱい」にならないようできているのは、素晴らしいと言える。


メールでも、仕事なら別だけど、プライベートで超ロングメールを
送ってくる人もいるけれど、オレはお前のエッセイを読んでいるのか?
って、ちょっと嫌になるよね。


......って、このBlogはいつも長いじゃんって?


あら、じゃ、このへんで......。

お後がよろしいようで。。


ちなみに、このあたりのことを主題にした「本」をいま書いています。

ご興味あるかたは、楽しみにお待ちください。

Posted by eno at 10:46 AM
October 05, 2010
TwitterのCEO交替。Evan、CEOお疲れさま。

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Twitter社のCEOが交替した。

僕もよく知っているEvan Williamsから、Dick Costoloへ。

日本では早朝ということもあって、Twitter上でも静かなものだが
海外では、Breaking Newsとして大騒ぎである。
どのくらい大騒ぎかというと、Twitterがまともに動かなくなるほど大騒ぎだ。
ま、それはよくあることだけど。(-:


Evanは、7月の来日のときもお会いして
彼の奥様とともに、いろいろと会話させていただいた仲だけに
正直、心中複雑であるが、まずは、新しいTwitterの体制と
これからのTwitterの未来に期待したい。


この件について、軽い発言をするつもりはないが
Twitterという会社も「とても大きくなった」、ということであろう。

全世界で約1億6500万のアカウントを抱え(人口で言えば日本より多い)
約9000万のツイートが毎日飛び交う、現在のTwitterというシステムは
少なくとも、社員20人でわいわいとサービスを伸ばしていった頃とは異なる。

これだけ急成長したサービスも、会社も、例は少ないくらいの勢いであり
それに伴って、固められる体制も、さぞや大変なものであろう。
ツイートも多いが、ユーザーも多く、そして株主も多い。


遠く離れた日本から、一言だけ願いを発することができるならば
僕は、人間味溢れ、ちょっととぼけていて、可愛くて、ポジティブで、オープンな
Twitterという会社、そしてサービスが、とても好きだ、ということだ。

そんなTwitterが、これからも「そんなTwitter」であり続けることを願いたい。


Twitterのblogに、旧CEOのEvanから、ポストが先ほどあった

Evanは、これからもっと大きくならなければならない経営よりも
CEOを降りて「製品戦略に注力」することを選んだようだ。
それが、Evanの情熱であり、役割である、ということだ。


Evanのポストの最後

I'm extremely proud of how far Twitter has come in the last two years.
And, I couldn't be more excited about where our amazing team will take it next.


という言葉があまりにも泣けるので
オープンに公開するつもりはなかったのですが、1曲。

先週のTwitterのイベントに参加していただいた方は
「あ、あの曲」とお気づきになるかもしれませんが、Twitterのために書いた曲です。

Evanに捧げることにします。

<<ここをクリックすると、曲のページへジャンプします(音が鳴ります)>>


みなさんも、Evanがこの数ヶ月情熱を燃やして作り上げた
素晴らしい、新しいTwitterの公式ウェブを眺めながら、ぜひ聴いてください。

Evan、CEO、お疲れさまでした。

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Posted by eno at 06:50 AM
October 02, 2010
TwitterのBizとの対談を終えて

biztalk1.jpg

Twitter共同創業者、Biz Stoneとの対談が終わった。

対談は、第一部が、Biz Stone × 乙武さん。
そして、第二部が、Biz Stone × 僕
という形で行われ、Ustreamによって生中継で提供された。


非常にユニークで面白い組み合わせのようにも思うが
Bizと乙武さんの対談を現場で見ていて、僕が2人に共通して感じたのは
2人とも、力強く、ポジティブで、前向き、ということである。

僕もその仲間に入っているように見えたのなら有り難いことだが
どうだったのだろう。どう映ったのだろうか。


Ustreamによる生中継は、上記のように、2つのパートで
それぞれ行われたわけだが、本番の前、本番の後と、3人で会話する機会も多く
夕方から一緒に食事もしたので、本番が終わった頃には
なんというか、独特の3人のチームワークみたいなものが生まれ
そのことが、とても面白く感じた。

対談に対しては「コミュニケーション」というテーマが
両方のパートに=全員に、共通のテーマとして与えられていたが
4時間以上の時間と場所、そして、テーマの共有によって
まさに、3人の「コミュニケーション」が、そこに生まれたようだった。


乙武さんについては、また改めて感じたことを書きたいと思う。
近々、一緒に食事に行く約束もしたので、そのとき書こうかな。

一言だけ書くとするなら、「幅広い感情を知っている人」という印象だ。

人間というのは、自分にその感情の経験があると、人の心がわかる。
例えば、独りの強い孤独感、というものを経験した人は
他人がそのような状態になったとき、その孤独感を感じることができる。
であるから、幅広い「感情の経験」があるほど、他人の心がわかるようになる。
乙武さんは、それがとても多く、広くある人のように感じた。
少なくとも、自分より多くの感情経験をしたのだろうなあと思った。

もっと、いろんな話をしてみたいと思う。
再び、お会いするのが非常に楽しみだ。


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さて、Bizとの対談である。

このblogの1つ前のエントリーで
「Bizとはこんな話をしてみたい」ということを予め書いたが
面白いことに、あまり意識せずとも、そのような話の流れになった。

「この話は絶対にするぞ」なんて、そこまでは思っていなかったのだが
予め訊こうと思っていたことは、ほぼすべてBizに訊くことができたし
Bizの鋭く、強く、そして暖かい返しによって、それぞれの話題が
さらに深く広がっていったように思う。


実は、今回の対談で、僕が決めていたことが1つある。

対談というスタイルをいただきながら、僕はインタビュアーになろうと思ったのだ。

乙武さんが第一部、僕が第二部ということもあり
前半の、Biz×乙武さんのパートで、「コミュニケーション」というテーマの上で
ある程度、一般的な話題が広がることができたなら、僕はインタビュアーに徹して
Twitterというものを深く掘り下げ、Twitterという会社、その送り手の意識
そしてなによりBiz Stoneという人物を、1人の人間という面ではなく
「Twitterを創った人物、Twitterの送り手」という背景の上で
「引き出す」ことが、今回の僕の役割だと意識して、臨んだのだった。

あまりその関係が強すぎると、まるでTwitter創業者+インタビュアー
みたいになってしまい、僕のアイデンティティというか個性がなくなり
ちょっと正直、情けない感じになってしまうかなあ、という懸念もあったのだが
僕にしか引き出せない言葉や空気があるとしたら、それが僕の価値であると考えて
立場と視点を、そのようにフォーカスしてみた。

Bizにも事前にそのように伝えたこともあって、狙いはうまくいったように
思うのだが、見てくださったかたは、満足いただけただろうか?


とにかく、Bizという人間は、非常に魅力的なのである。
昨年来日したときに、お会いして、お話を聞いて強く思った。
であるから、今回は、そのBizの魅力を、みんなに届けたかったのだ。

世界に名を轟かせているTwitterという会社の創業者
いまや1億人以上のアカウントがあるTwitterというサービスの送り手が
こんなに人間的で、非常にスマートであり、深い考えを持っている
ということを、みんなとシェアしたかったのだ。

うまくそれが届いただろうか。


ずいぶん長くなってしまったが......

「あれ? 対談の中身は書かないの?」と思っている人も多いと思う。


様々な理由で、金曜日の20時〜22時という時間に
アクセスできる人は限られるわけで、実際「見られなかった...」という
人も多くいることはわかっているが
対談の内容を、僕なりのまとめかたでテキストにしてしまうと
なにか、とんでもない間違いを起こしてしまうように思う。

その場の空気とか、表情とか、そういったもの「込み」で
あの対談を「感じて」もらわないと、なにか違うように思うのだ。


と思うには、もう1つ理由があって
この対談は、後日、日本語の字幕が付いた形で公開されることが決定した!

多少時間がかかるだろうが、ぜひ楽しみにしていただきたい。

その日のためにも、あえて先に内容を書かず=知らず
対談を頭からじっくりと見て、「感じて」ほしいと思う。


もちろん、リアルタイム=生で、見ていただくことが
なにより大きな価値であるというのは、疑わないことだが
少しでもその体験に近づくことができるよう
あえて僕は、いま、なにも書かないことにする。


すごく良い話がいくつもあったので
いま、ちょっとだけでもみなさんに伝え、シェアしたいなと思ってしまうが
動画の公開を待って、それを最大限にすることを判断しよう。
美味しいケーキを食べる前に、飴玉を舐めないほうがよいと思うのだ。

いつになるか、まだわからないが、ぜひ楽しみにしていただきたい。
その日が決まったら、Twitterでもお伝えするし、ここでも書こうと思う。


ありがとう、Biz!

いまごろ、一緒に来日した奥さんと、どこか観光に出かけたのだろう。

また、近くお会いできることを願う。

奥さんは「日本に住みたい!」と言ってたくらい、気に入ったようなので
また日本で会える日も近いのかなあ、なんて思っている。(-:


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対談は、こんな感じで行われた。カメラの向こう側、初公開! である。

Posted by eno at 08:19 AM