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February 03, 2005
のだめカンタービレ

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のだめカンタービレ』面白いですな。

あおい書店に行くたびに、平積みサンプル本をパラりと捲っては
「ちょっと好きな感じとは違うかなあ」などと訪れるたびに何度も繰り返し
「気になりつつも、ずっと読んでない」という状態を続けていたんだけど
読んでみたら、こりゃ面白い。

やや、ここでたまにマンガのことも書くんですが
DEATH NOTE(近々最新刊ですな)』とか
焼きたて!ジャぱん』とかの趣味が合ったとしても
『のだめカンタービレ』を面白いと思っていただけるかどうかは
また別の話だと思いますので、ちょいとそれをお先に。

ま、簡単にいえば、音楽(オーケストラ・クラシック)を中心においた、恋愛マンガなんだけど
なんとも面白いし、なんともいい気持ちになるんだよね。
主人公の二人も、その他の人たちも、キャラクターがかなり楽しく立っていることと
オーケストラという世界観自体は、かなりキャラが立った特殊な世界なので
まずはその設計がうまくいっているポイントだと思う。
キャラクターの自由さがいい感じなんだよね。
キャラクターを含めた世界観の設計がうまくいっているから
主人公たちを自由に動かすことに成功している。
女性読者はもっと没入しているのかもしれないけれど
近づき、離れ、それぞれ成長していく二人を
気持ちいい空気の中、楽しく見守ることができる。

最初からそうであっても、恋愛とか友情のためにだったとしても
同じ方向を目指して、同じフィールドで刺激しあう二人が
それぞれ成長する中で、微妙にずれたり、距離ができたり
その相手以外に気が向いてしまったりというのは
多くの人が経験上あることだろうし、そういう光景は周りでもよくあることだから
微妙にずれていきそうな関係の前兆とかにドキドキしつつも、うまくハマることができる。

二人の距離というのが、「近い」か「離れているか」と言えば
「近いです」という状態だったとしても
例えば、単位は別として「10000」という距離だとしたら
それが、ちょっとしたことで、「10002」になったり、「9990」になったりするわけで
そんな微妙な「揺れ」とか「ずれ」とか「動き」といったものを
音楽家としての成長や、音楽という特殊なスキルが必要とされる世界の物語の展開によって
見事に表現できている作品だと思う。

クラシックが好きだったり、たまにはオケの演奏会に行っていたり
オケの経験があったりするのなら、なお面白いのでぜひ。
僕もブラバンやらオケやらの経験があるのですが
「いるよね、こういう人」というキャラが多く出てくる。
作者がオケに所属したことがあるのかどうかは知らないけど
もしないとしたら、よく想像で、ここまで近い雰囲気を描けるよなあと思う。
ブレインが入っているとしてもね。
いや、作者にオケ経験があるのかもしれないけれど。

と、『のだめカンタービレ』を読みながら、last.fmを聴いていると
うまいことBerliozとか、Brahmsとか、Respighiとか流れる。
ナイスだな、last.fm。

と、突然、ColtraneのLush Lifeが。
伊坂幸太郎っすか。(好きなのはアヒルと鴨&チルドレンだけど)

Posted by eno at February 03, 2005 03:17 AM | TrackBack