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May 27, 2009


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散歩ソフト。

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ふと思ったこと。


東京のどこかで
信号にひっかからないで、まあまあな距離を
ずっと散歩ができるルートを探す。

そのルートの散歩を「共有」する
サウンドトラックというか、音ファイルを制作する、という話。


スタート地点を指示して
プレイヤーは、そこでiPodなりで再生する。

スタート地点と、スタート時間も指定。
時間というのは何時から、という意味。


例えば、デートみたいなのがわかりやすい。

男性用には、相手が女性。
女性用には、相手が男性。

僕は男なので、相手は女性の例として話を進めていく。


例えば、恵比寿の駅前でスタート。
どっち口の、どのあたりと具体的な指示の場所に立って
指定された時間が来たら、再生ボタン。


現実世界のような環境音がヘッドフォンから流れ
現実世界の音なのか、ヘッドフォンからの再生音なのか
わからないように、意識を持っていく。


駅前のざわつき。頭上遠くで聞こえる電車の音。


しばらくすると、足音が近づいてくる。

「......はぁはぁ、ごめーん待った?」


デートをする、という設定。
デートというか散歩。

「へぇ、普段はこんな格好するんだ?」

なんて言われながら、スタート。


「あそこのコンビニの前の自販機で、お茶買わない?
 そっちじゃないよ、ほら、右のほう、あそこ。行きましょ」

みたいな感じで言われたら、歩く。

「私、爽健美茶がいいなあ。買ってくれる? 一緒に飲みましょ」

なんて言われて、プレイヤーは実際に買ったり。

撤去されそうにない自販機を指示して
暫くは売り続けられるだろうブランドの飲み物である必要があるんだけど。

ま、ディテールはそんな感じ。


あとは一緒に歩いて、会話をする、ていうか聞く。

基本的に、リードされるデートだね。当たり前だけど。


途中、途中、キイになるポイントが来たら会話に混ざる。
現実とよりリンクさせ、曖昧にさせるための。


「そこの公園、小さい頃、よく遊んでたなあ。
 あれ? 言わなかったっけ? 中学校まではこの近くに住んでたんだ。
 ま、それからはいろいろあってね、......ま、いいじゃない」


「見て、夕陽がキレイ。子どもの頃は、こうやってよくお父さんと散歩したなあ。
 いつからかなあ、あまり空を見上げなくなったのって」


「わあ! ここからだと、電車がよく見えるね。
 『おーい!』、......って手を振っても、誰も気付かないか......」


(注;頭がおかしくなったわけではありません)


そんな形で、現実世界とまぜこぜになりながら
散歩、という形で、デートは進行していく。

最初は、ただ一緒に散歩する予定だったんだけど
彼女の思い出の、とある場所から、会話が深いものへと急展開。

約1時間くらい散歩をすると、衝撃の展開が!


みたいなソフト。

作りたいなあ。

作ろうかなあ。

需要はあるのだろうか。


ゲームなど、インタラクティブなものが好きな反面
こういう、非インタラクティブなもので
プレイヤーが意識して参加性を高める感じって好きなんだよね。

「インタラクティブだ」って思いこむといいますか。

途中で、トラックを選択することによって
分岐もできるんだけど、そういうのじゃないほうがいいと思う。
徹底したほうが面白い。切れ目があってはいけない。

どうだろう。


急に立ち止まる。


「ねえ、絶対に、誰にも言わないって約束してくれる?......」


風が吹いて、木の葉がざわめいた。


「あのね、わたし......」


Posted by eno at May 27, 2009 02:40 PM


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