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December 24, 2008
Merry Christmas!

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Posted by eno at 06:21 PM
December 21, 2008
『OutRun』を思い出す。思う。

outrun.jpg

思い切り古い話で申しわけないが
突然、『OutRun』というゲームのことを思い出した。
きっかけは、年明けちょいに出る予定の
『newtonica2 Resort』の曲で波の音を使ったことから。

単なる「波の音」という、繋がりだけなのだが。

音というのは面白いもので、突然、古い記憶が蘇る。
人によるのかもしれないけれど。


『OutRun』について、いろいろ思い出した。
当時も、いろいろ思ったのだけど。
いろいろ思ったおかげで、いろいろ考えてしまった。

もちろん、既に高く評価されているゲームではあるが
いまになって、このくらいの距離が出来て、思うことは
このゲーム、僕にとって、かなり大きな分岐点となったのでは、ということ。
或いは、ゲームというものにとって、大きな分岐点となったのでは、ということ。


過去になんども、好きなゲームとか、影響を与えたゲームとかいう
質問を受けたとき、『OutRun』を挙げたことはなかったと思うが
実は、偉大なゲームだったのではないか、と、いま思う。
いや、当時から偉大だったんだけど、なんというか、よくわかった。


『OutRun』というゲームは……と、本来なら
ゲームの内容とか、当時の背景を説明してから、いろいろ書くべきなのでしょうが
面倒くさいからやめます、申しわけない。

『OutRun』というゲームを知っている人に向けて書きます。すいません。

どうしても、という場合は、Wikipediaで、でもなんでも調べていただければ。

いちおう、映像も付けておきます。が、インタラクティブなんでね。

『OutRun』が、自分にとって、不思議な位置にあるのは
まず、その登場したタイミングが、1986年ということ。
僕が、ゲーム業界に入る、2年前なんです。

それ以前に、子どもの頃からいろんなゲームに衝撃を受けて、ハマっていたが
ちょうどこの頃に、ここまで衝撃を受けて、ハマったゲームはなくて
また、その後、ゲーム業界に入って、「作り手側」になってからは
ゲームというものを見る目も当然のように、変わってしまっているのと
なんといえばよいのか、例えていうなら、ものすごく深い恋愛をしたんだけど
翌年、ロンドンに引っ越すことになって、それから人生バタバタで
その恋愛のことを、もちろん覚えてはいるんだけど
客観的に考える時間を失ってしまった、というか、そんなような感覚。


本題。
細かいことを書き始めると、ずっと終わらなくなるので
あまりにもざっくり言いますが、「ある気持ちよさ」というものを
そして、その、新しい感覚と価値を、「ゲーム」にもたらした作品であったように思う。

もちろん、当時から「気持ちいい」と思っていた。
が、その「気持ちいい」のレベルというか、やっていることの、過去のゲームとの差
そして、自分にきっと与えた影響の強さというのが、ものすごいということを
いま改めて思う。思った。

もしかしたら、「SEGA」というブランドは、僕にとっては
このゲームで大きく形作られたのではないだろうか、とまで思ってしまった。


『OutRun』というゲームは、あらゆる面で、ものすごく気持ちいい。

新しい気持ちよさ。

ある世代にとっては、それが『Wipeout』ではないだろうか、と思う。
そういう新しさ。僕にとってはずいぶん異なる経験だけれど。
そのクリエイティブと功績も含め、「その前」と「その後」では、ゲームというものが
なにかしら変化したとも考えられる、気持ちよさの表現。


ハンドル回して気持ちいい、筐体まで動いて気持ちいい、道路が上下にうねって気持ちいい。
ほかの車のガクっとした動きも、それを抜く感覚も、ブレーキの音まで気持ちいい。
なにより、曲が気持ちよくて、その曲が選べるというのが気持ちいい。
車線が多くて道路が広くて、常に一方通行の、「抜く」だけのゲーム。
広がる青い空が気持ちよく、乗っているのはフェラーリだし、横には女の子も乗っている。


いや、そんな1コ1コ、1つ1つのことではないのだ。

道路脇に建っているショップの色から、椰子の木と青空のコントラストから
シートに座った感覚から、ナナオのモニターの発色の良さから
もう全部が気持ちよくて、というか、全部が気持ちいい、を目的に作られている。

それが凄いなと、純粋に思うのだ、いま。


持っている「気持ちよさ」というものの質が異なっていた。
幅が広く、楽しくて、ウキウキして、それが受けたくて、何度もプレイした。

ちょっと乱暴に書けば、自分にとっては
それまでの友達と違って、1つ学年が上の友達ができたような。
そんな感覚があった、当時。

当時、ちゃんとした目で見れば、相当ぶっとんでたんだろうなあ、と思う。

凄いところが、表面的なことだけではなくて
また、こちらに、それをちゃんと理解する能力が、当時はなくて
というか、純粋に面白くて、気持ちよくて、何度もプレイしただけだったから
あまり、そういうふうには、考えなかった。


あれから、いくつものドライビングゲームが登場し
僕はかなり好きなジャンルで、最近出たのでは『BURNOUT Paradise』が面白かった。
もちろん、ほかにもいっぱいある。

だけど、『OutRun』が与えてくれるもの、表現していた気持ちよさは
ほかにないのではないだろうか、と思う。
これは、古い、新しいに関係ない話で。
可動筐体とか、そういうものを抜きにしても。

古いゲームは面白い、という話をしているのではない。
『OutRun』は、気持ちいい、という話だ。


最後に。
なにが凄いって、『OutRun』の開発者である、鈴木裕が、SEGAに入社したのが
1983年で、このゲームのリリースが1986年ということ。

その前年に、『ハングオン』、『スペースハリアー』、そしてこの『OutRun』と
もう、「ちょっと何言ってるかわかんない」と、サンドウィッチマンの台詞を思い出すくらい
ものすごい流れである。

さらに翌年は『アフターバーナー』だから、鈴木裕というか、AM2研というか
SEGAという会社は、ほんと、考えられないくらいのヒット連発だったわけだ。
ヒットしたというだけじゃなくて、それらが残したものが、なにより凄いんだけど。


裕ちゃん……と呼んでいたのが、急に申しわけなく思えてきたが
裕ちゃんは、仲良くなった頃、『バーチャファイター』の人だったので
いま思うと、『OutRun』の話を、もっとすれば、聞けばよかったなあ。
ま、いまからでも遅くないんだけど。


裕ちゃんと、初めてしっかり会ったとき、『バーチャファイター2』で対戦してもらって
僕がそこまで上手いと思っていなかっただろうから、なんだけど
いきなり僕が勝ってしまって……、そのときの顔を今でも忘れられない。

ものすごい強い眼光の笑顔で、「ちと、もう1回」と、再戦を申し込まれた。
横から見たあの笑顔。「殺してやるぞ」みたいなあの笑顔。
それで、僕は彼のことが、好きになった。仲良くなった。

ちなみに、再戦は負けた。


『OutRun』というのは、ゲームでこんなことも伝えることができるんだよ、と
僕に、教えてくれた作品のように、いまやっと思う。

鈴木裕、そして、AM2研、SEGAは、どうして、あんなものが作れたんだろう。

どうして、あんなに、高く青い空を眺められたのだろう。

そのくらい異質だ、当時。

いまやっと思う。

この曲が、思い出したきっかけのエンディング曲。波の音が入っている。
メロディじゃない動きがすごくいい。

Posted by eno at 02:03 AM
December 17, 2008
世界が近い

goldnc2.jpg

前作、『newtonica』のときもそうだったが
『newtonica2』をリリースして、改めてAPP STOREの流通力を感じる。


「マスターアップして1週間くらいで全世界発売」、というのは、あまりにも強烈だ。


もっとクリエイターたちは、この強烈なパンチを味わったほうがいい。

頭で知る、というのと、体感するのは、えらく違う。
既存の流通形態に比べ、どっちが良いとか、どっちが悪いとかではなくて
純粋に、強烈なのだ。体感する強烈さなのだ。

東京から大阪まで行くのに、2時間半くらいかかっていたのが
突然、「12分で着きます」と言われたようなものだ。
ま、この例だと、12分で着くほうが、圧倒的によいわけだけど。

いやいや、スピードの問題もすごいんだけど、「全世界」というのがすごい。
アメリカはもちろん、ブルガリアや、エルサルバドルにも届いてしまう。


これは、ゲームに限ったことではない。

取材でカメラマンに会うたびに言っていることなのだが
自分の写真のプロファイルをまとめて、指でサッとめくって見れるようなアプリを
フォトグラファーだったら、APP STOREでリリースするといいと思う。

有料で売ってもよいが、名刺代わりに無料でリリースすれば
相当な数のダウンロードが、世界から得られるだろう。
そこから始まる、新しい出会いや、仕事もあるだろう。

そんな、アプリだったら簡単に作れるだろうし、もしプログラムのスキルがなくても
そのくらいのアプリだったら、できる人に頼めば誰かが作ってくれるだろう。


僕が新人のバンドだったら、レーベルやレコード会社に任せてないで
自分でトラックのサンプルが聴ける無料アプリを作って
APP STOREを使って、全世界に、プロモーションをうつ。

iTunesのパブリッシャーになるのは大変かもしれないけれど
APP STOREだったら、個人だって簡単にパブリッシャーになれるのだ。


そんなことを思っていたら、UKのPocket Gamerというところで
『newtonica2』が、「ゴールドアワード」を獲得した、というニュースが入った。

そのコメントが、ほんと嬉しい。
「『newtonica2』は、iPhoneの最重要タイトルだ。
 格好よくてスマートで、スタイリッシュでクレバー。
 そして最も重要なことは、中毒性がある、ということ」と書いてある。

海外で、こんなにスピーディに評価されるというのは、刺激的だ。
まだ、マスターアップしたのは、つい先日だから。


海外の評価に関して、『newtonica2』は、前作よりも評判がよく
APP STOREのレビューも、アメリカでは、ほぼ5点満点の4.8点。
スペインや、オーストリアでも、満点の5点。
ほかの国でも、4点以上をいただいている。


ずいぶん、面白い時代になってきたなあ、と思う。


初めてプロとしてゲームを作ってから、ほぼ20年。

新しい取り組みにチャレンジできて、評価をいただいていることに感謝したい。


来年は、いよいよ久々の舞台だ。

Posted by eno at 04:58 AM
December 16, 2008
寂しい落ち葉。

ochiba2008.jpg

昨日、オフィスの庭に出てみると「おっ」と声が出た。

落ち葉。

突然、葉が落ちていた。

黄色や赤の、葉っぱが、庭にふわっと降りていた。


もう12月も半ばを過ぎたわけで
やはり、今年は、ずいぶん暖かかったのかしら、と思う。

ていうか、もう12月も後半なんですね。

毎年、年末が近づくと、なぜか、だんだんと興奮してくるんだけど
今年は、どこか、寂しい気分があるなあ。
なぜだろう。


なんだか、寂しいなあ。

なにかが、うまくいっていないのかしら。

Posted by eno at 02:35 AM
December 15, 2008
ポーニョ、ポーニョ、ポニョ、という素晴らしさ

ponyoponyo.jpg

カミさんが、誰かからいただいたのだと思うが
少年少女の合唱のCDが家にあって、その1曲目が『崖の上のポニョ』だった。


ピアノの演奏の上に、少年少女の美しい声で
「ポーニョ、ポニョ、ポニョ、さかなのこー」と楽しくハーモニー。

それに下の子(1歳半)が、ハマったおかげで、家で何度もリピートされている。
「ポニョ」をかけていれば、わーわー言わずに、静かに楽しく聞いている、というわけだ。

我が家では、いまごろ、流行っている。


映画、『崖の上のポニョ』は、映画館で見て
最近の宮崎さんの映画では、最も好きな作品となった。
主題歌も、ずいぶんキャッチーでいいなあ、と思っていた。

その後、テレビかなんかで、2〜3回くらいは聞いたと思うが
面白い曲だなあ、キャッチーだなあ、というくらいの感想だった。

正直、そこまでちゃんと聞いてなかったのだ。


しかし、その合唱CDが家でリピートすることになり
それが、ピアノオンリーの伴奏であることもあって、ものすごく耳に入ってきた。

ベース……というか、ピアノの一番下の音の動きが面白く
また、その上のコードも「こうかな?」と気になってしまった。

気になりすぎて、ちゃんとコードを取ってみたくて、たまらなくなった。
たまらなくなって、やってみた。これはよくあることだ。
日曜にオフィスに来て、なにをやってるのか、という気もするが
「どうなってるんだろ?」となったら、確かめるのが、音楽スキルの向上の1つである。


で、実際、確かめてみると、この曲は、やはり、ベースの動きが面白い。
面白いというか、ベースの動きで、曲のキャラクターができている。
それが、メロディのリズム感と、コード感と、絡まって
独特の子どもらしさを持った暖かく元気で、そしてちょっと寂しい世界観となっている。

言い換えれば、世界観が素晴らしい楽曲なのだ。
それが、作品の世界観と、ぴったり、というのが驚きなのだ。


まず、頭は「ポーニョ、ポーニョ、ポニョ」と、ものすごくキャッチーなメロディ。
「ポニョ」という言葉が、3→3→2,のリズムで入ってくる。

「ポーニョ」で「3」、また「ポーニョ」で「3」
最後の「ポニョ」だけ伸ばしがなくて「2」。

その、「3,3,2,のリズムで、歌詞は一緒」というのが、耳に残るわけだ。

例えが古くて、申しわけないが、これは、中森明菜の「Desire」であった
「(恋は)ダーンス、ダーンス、ダンス(ほーどー)」というのと同じである。
これは、耳に残る。

その「ポーニョ、ポーニョ、ポニョ」部分、頭の1小節目のコードは「F」なんだけど
ベースラインは、「ファ、ミ、レ、ド」、と下がっていく。
3,3,2,のメロディに、「F」というはっきりとしたコード
その上に(下だけど)、「ファ、ミ、レ、ド」の下降ベースというのが
まず頭で、曲の印象を形作っている。


次の「さかなの子ー」のコードは、「B♭→F/A」という動きなのだが
「B♭→F」でななく「B♭→F/A」と、ベースが、「シ♭→ファ」ではなく
「シ♭→ラ」と下がっているおかげで、「この曲は明るさMAXという楽曲ではないですよ」
というのを強く印象付ける。
その部分の歌詞、「さかなの子」という不思議さを感じる言葉と、見事にマッチしている。
この楽曲、ほかも、詩と曲の作り手が別、というのが信じられないくらい、ハマっている。


今回、ちょっとコードの説明があるので、「よくわからん」という人は申しわけないが
ほかに、うまく、この素晴らしさを、具体的に説明する手段がないので、すいません。


そして次の小節、「青い海から」という歌詞の部分だが、コードは、「C→Dm」と動く。
ここのベースライン、「ド→ド♯→レ→ド」という半音の動きがほんとに楽しい。
(ベースを入れて正確にいえば、「C→C♯dim→Dm→Dm/C」ということ)
これが、ベースまで普通に「C→Dm=ド→レ」の動きだったら、さっぱり違ってくる。
「ド→ド♯→レ→ド」という動きだから、楽しくなるのだ。
これは、上に書いた「ポーニョ、ポーニョ、ポニョ」のところの
「ファ→ミ→レ→ド」という下降するベースラインが、頭にあるから活きている。
その対比というか、流れが、この曲の頭というかサビのポイントだと思った。

ちなみに、この「C→C♯dim→Dm→Dm/C」という動きは、こちらは1小節だが
2小節かけて倍ゆっくりとした動きになって、先のサビ前の「あの子とはねると」という
ところでもういちどやってくる。
ベースも含めた、コードの動きがサビ頭の最初で、いちど頭に入っているため
それと同じコードの動きが、倍のゆったり感でもういちど展開されることによって
サビ前のゆったりと表現する部分が、ほんとにゆったりと感じられる。
久石さんが友達だったら、ほんとどこまで考えて作っているのか、訊いてみたいくらいだ。


続けてたら、1曲まるごと、解説することになるので、このへんで。


『主題歌』というのは、『主題歌』である意味がないと意味ないし
作品の世界観を、歌詞と一緒に、表現することが、その役割であると思う。

であるから、『ドラえもん』の主題歌は、何度かわろうと、あの
「こんなこといいな、できたらいいな」が、結局は、主題歌であるわけだ。

同じような例では、『ちびまる子ちゃん』の主題歌もそう。
そこまでマッチした楽曲に、「代わり」なんてあるわけがないのだ。

そういう意味で、『崖の上のポニョ』は、単純に詩と楽曲が素晴らしい
ということではなく、なにより、『崖の上のポニョ』という作品の世界観、キャラクター
その景色や光、色彩を、ほんとに見事に表現している、素晴らしい「主題歌」だと思う。


……と、前にも何度か、僕なりの楽曲解説をしているが
週1でもいいから、誰か、こういう感じの楽曲解説のblog、やってくれないかなあ。

Posted by eno at 12:32 AM
December 13, 2008
月。

moon_donuts.jpg

とあるメーリングリストに、友人からメールが届く。

なんでも、彼の知り合いの女の子から、いまさっき
「月を見て!」と、電話があったそうだ。


そう。この晩は、月が地球に再接近する日だったのだ。
めちゃくちゃ月がキレイな日。
明るさも、見かけの大きさも、最大限の日なのだ。


ちなみに、いまもまだ、その晩ですが
(現在、金曜の深夜というか、土曜の2時)
もし、このblogを、朝になる前に、読んでらっしゃるのでしたら
ほんとにキレイですから、ちょっと外に出られるなり
ベランダから見るなりされるといいですよー。


因みに、僕は、昨日の夕方、あまりにも美しい月を見ました。


さて、そんな月のことよりも(おい)

夜中の1時過ぎに、「月がキレイだから見て!」と
電話が来る、というのは、なんて素晴らしいことだろう、と思った。


なんて素晴らしい関係だろう、なんという信頼関係だろう、と思った。


僕の友人がうらやましく思えた。


僕は、いまから10年くらい前に、インタビューとかで
こんなことを言っていたことを思いだした。

何度か、言っていたと思うので、思い出した人もいるかもしれない。

僕は、このことがなければ、忘れていた。


「例えば、流れ星や流星群が見えた、として
 「流れ星が見えたよー!」「いま凄い流れ星が見えるよー!」と
 そんなことで連絡してくるような人が、ほんとうの友達だと思う」と。


別に、いまの僕の友人たちに文句を言っているわけでも
ケンカを売っているわけでもないのだが、そういう書き方になってしまっているのが
申しわけないのだが、正直、そういう関係性が、なくなってしまったように思える。

これは僕の問題であるのだ。


そう。

そもそも、僕は、昨日の夕方に、美しい月を見たというのに
誰一人にも、それを伝えていない。


つまんない大人になってしまった。

つまらなく歳を取ってしまった。

ダメな人間になってしまったなあ。


あまりにも、はっきりとした事実が、自分にぶつかってきた。


この夜の月は、「願いごとをすると、叶う」、と聞いた。


僕は、外にもういちど出て

「もっと豊かな人間になれますように」と祈った。

祈ってるじゃなくて、そうただ行動すればいいんだけど。


通りに出て、月を眺めていたら
曲名はわからないが、CMで聴いたことがある
ミスターチルドレンの曲を、大声で、酔っぱらいが歌っていた。


「今日は美しい月ですよ」、とは、教えてあげられなかった。

Posted by eno at 02:04 AM
December 12, 2008
風邪ってなんやねん!?

kaze_sora.jpg

先日、インフルエンザの予防接種をした。

今年、新型が流行すると、大変な被害になるかもと
あちこちのメディアが言っている。

新型、というように、それは新型なわけで
先日、受けた注射は、旧型の、インフルエンザの対抗策を持っただけにすぎない。

新型のインフルエンザは、まだ騒ぎにはなっていないけれど
知人の何人もが、風邪をひいている。最近。

僕も、実は、先々週くらいにかかってしまった。


風邪なんていうものは、もうベーシックな病気であって
それこそ物心つく前からかかっているので、あまり深く考えたことがない。

周りで風邪をひく人が増え、自分もひいて
インフルエンザの注射を打って、新型に恐れるメディアを読むと
さすがに、「風邪ってなんやねん!?」と思うようになってきた。

生まれて初めて、風邪に対して、本気で疑問を持った。
風邪ってなんやねん!?


ところで、今回のblogは、「風邪ってなんやねん!?」と言っているくらい
あやふやな状態で書いておりますので、間違っていることもあるかと思います。
すいません。


まず、風邪っていうのは、基本的にウイルスが起こしている。
……はず。(もうあやふや)

だから、風邪ウイルスとか、風邪という病気があるわけではなく
特定のいくつかのウイルスが、僕らが風邪と読んでいる症状を
ひきおこしてしまう、ということだ。と思う。

早い話が、くしゃみが出たり、咳が出たり、熱が出たり、下痢になったり
そういう症状のうち、2つくらい該当した時点で
「あ、これは風邪だ」と判断しているわけだ。

ただ、くしゃみを連発するだけとか、ただ下痢なだけなら
風邪だ、とは考えないように思う。そんなことないかな。
いずれにせよ、「風邪っぽい」から「風邪だ」ということだと思う。


で、さっそく、よくわからないのは
どういう理由で熱が出たりするんだろう、ということ。

ま、鼻水とか咳が出るのは、なんとなく
異物を外に出そう、ということなんだな、とはわかるんだけど
熱が出る、というのが、わからない。

ウイルスが細胞に入ったり、とか
それが増殖するから、熱が出るのだろうか、とか思うが
それもなんだか、理由がわからないし
以前に、なにかの本で、そういうことではなくて
免疫細胞が活発になるから熱が出るとか読んだことを思い出す。

と、読んだんだけど、そのくらいで、そんなに熱が出るものかなあと。
「免疫細胞活発化→発熱」というのがしっくりこない。
仮にそれが正解なのだとしても、よくわからない。


そして、もう1つわからないのは

新型のインフルエンザが流行すると、何万人が死亡の恐れ、とか
言っているけど、ウイルスで死亡してしまうということ。

なんだか、今回、自分の無知っぷりを公開しているみたいで恥ずかしいんだけど
インフルエンザで死ぬって、どういうことだ?
ということが、わかっていないことを、いまさら知った。

いや、もちろん、新型のインフルエンザだから、免疫系を持っていないから
とか、そういうことはわかるんだけど……。

肺炎とか、そういう合併症(って言い方でよいのか?)で死亡、ということかしら。
インフルエンザ→肺炎、の関連づけって、うーん。
これも深く考えると、なんだかわからないんだよなあ。

あと、いつも思うのは、ウイルスはアホだなあと。
だって、その人が死んでしまったら、ウイルスも困るわけでしょ。
なんで、死んでしまうくらいのことをするのか。
「ウイルスはなにがしたいんだ?」と思ってしまう。
ま、これは、ウイルスはなにがしたいわけでもないんだけど。


と、風邪とかウイルスに関して、あまりにも知識がないことがわかった。

近々、ちゃんとした本でも買って、読もうと思う。
読む本のテーマができた、というのは、ものすごく幸せなことだ。

ウェブでパッと検索すれば、簡単な回答とか、あるんだろうけれど
ここまで知識がないエリアは、ありがたい食事みたいなものである。
「知らない美味しい料理が、まだあった!」みたいな。

ラッキーだから、この際、ちゃんと調べたい。


ところで、ウイルスを直接は攻撃できないわけだから
(もしかしたら、近い将来、ウイルスが入った細胞を特定して殺すような
 そういう薬が出てくるのかもしれないけれど。
 実際、体内では、そういうことをやっているわけだし)
風邪薬っていうのは、単に発熱とか、くしゃみを抑える薬、なわけだよね。
風邪の根本を直す、ということではなく。


ふーむ。
風邪め。しっかり理解してやる。

Posted by eno at 11:07 PM
December 11, 2008
『newtonica』シングル、iTunesで発売!

newtonica_single.jpg

『newtonica』のシングルが発売されました。

iTunesから、「newtonica」という名前のシングルでリリースされました。
リリース日は、申請日になっているんですが、実際には本日、発売です。


このblogを読んでいらっしゃるかたは、ご存じかと思いますが
数ヶ月前に、iPhoneとiPod touch用のゲーム『newtonica』が
リリースされましたが、そこで使われている楽曲の
「楽曲版」がリリースされました。音楽です。


もともと、ゲームのために作られた音楽ではありますが
ゲーム中のサウンドとは、ずいぶん違った「鳴り」に仕上がっています。

サウンドトラックと言ってないのは、それが理由。
リマスタリングやリミックス、ということではなく
純粋な楽曲として、リリースしておりますので
『newtonica』をすでに持っている方でも、楽しめると思います。


といいつつ、なんかむちゃくちゃやってしまって
「あのゲーム中の音が良かったのに……」と
よくあることには、なっていないと思うのは
そもそも、そのゲーム自体もサウンド重視で、作っていたからですかね。


収録しているのは、ゲームでメインで使われている曲と、タイトル曲の2曲。


ゲームのほうでは、ゲームの展開と合わせて楽曲を進行させる必要があったり
また、容量の問題などもあるわけですが(それでもかなり贅沢に使っているんですが)
楽曲として、純粋に「こういう音にしたかったんじゃい!」というような
メイン(「newtonica」)はノリの良い、タイトル(「spheres」)は面白い音に
それぞれ、なっていると思いますので、ぜひ、聴いてみてください。


どっちのほうを、楽曲としては好みか、など、興味ありますね。

聴いていただいて、感想メールをいただければ嬉しいです。

blogなどにも感想を書いていただければ、嬉しいです。


さて、このシングル、発売されている、発売元が、自分の会社からでして
自分で作ったのを、自分のとこで売ってもらう、という、不思議な感覚。
ものすごく、インディペンデントだ。

そういう意味では、僕が、酔っぱらってお風呂でテキトーに歌った曲や
曲じゃなくて、ダラダラと40分くらい喋ってみたものや
たまたま遊びに来た友人とセッションしたのを録音したものなど
そんなものも、iTunesからリリースできてしまう、というのが
なんというか、すごいところ。


ま、そんな「遊び」をする前に、ちゃんとした楽曲のリリースとなりました。

よく考えたら、僕、これがiTunesデビューですね。

ぜひ、みなさん、聴いてみてください!

感想もぜひ、ください。


http://itunes.com/kenjieno

にアクセスすると、iTunesのページに繋がるんですが
iTunesにアドレスがあるのって、いいですね。


<<ここをクリックすると、iTunesの楽曲ページに繋がります>>

newtonica_single2.jpg

iTunesで試聴もできます。

楽しんでください!


Posted by eno at 04:25 PM
December 10, 2008
『WALL・E』

walle1.jpg

『WALL・E』を観た。

大きなネタバレはしておりませんが
まだ観ていない人で、観ると決めている方は
読まない方がよいと思います。
ちょっとは書いちゃっているんで。


もう観た、という人か、観るかどうか迷っている、という方はどうぞ。


ネタバレ対策用に、ちょっとスペース空けます。













さて。

正直、むちゃくちゃ面白かった、というわけではないが
『WALL・E』は、かなり楽しめる映画だった。

むちゃくちゃ面白かった、というわけではないのは
ターゲットという意味で、「万人向け」の映画であるため。
なので、仕方がない。

僕も、もういい年なんで、映画を観て、むちゃくちゃ面白かった
とまでなるには、それなりの衝撃とか刺激が必要というのが正直なところ。


が、しかし、かなり楽しめた。

この映画、「ピュア心チェッカー」みたいな役割あるのではないかと思った。


実は、映画が始まって、最初は、心の置き所というか、視点を間違っていた。

「そうじゃない、そういう映画じゃない」と気付いて
ちょっと、心のセッティングを変えたおかげで、楽しめたと思う。


ちょっとだけネタバレしてしまいますが……。

映画が始まって、荒廃した地球の描写があり
最初は、もう誰もいない街に、ボロボロになった高層ビルが
何本も、何本も、静かに、崩れそうに、建っている……のかと思っていたら

それは、ウォーリーが積み上げた「ゴミの山」……だとわかったところで
胸を「ズギューン!」と撃ち抜かれた。


このシーンで、この映画を観る心、というか、視点に気付いた。
ずいぶん、カラッカラに冷めた、大人になってしまったものだ。


あまりにも素晴らしい演出じゃないか。
ただ独り、地球に残された、ゴミ処理ロボット、ウォーリーが
ずっとずっと、700年もの間、コツコツと……うぅ……ここでやられた。


この映画は、演出がほんと素晴らしい。

まだ1回しか観ていないので、見間違いの可能性もあるが

ウォーリーが独りぼっちで、家(?)に帰ってきたときと
イーヴァ(イヴなのかな?)を連れてやってきたときで
室内の照明が違っているところとか、もうたまらない。
ウォーリーが、どれだけ嬉しかったことか。

独りでプレイするテレビゲームのスコアが、「2000対0」とか。

寝るときに、揺らしてあげるところとか。

テレビで手を繋ぐシーンを観て……とか。

まだまだ、いっぱい、素晴らしい演出があった。


独りでいる寂しさ、そして、誰かと一緒にいる喜び
というのを、いろいろな素晴らしい演出で、気付かされる映画だった。

もう、1回、観たわけなので
「ウォーリーの心情」視点中心で、もういちど観たいなと思う。

相手を思う心って、大切なことなんだよなあ。当たり前だけど。
というか、このタイトル、そもそも、「ウォーリー」なんだよね。
(「Waste Allocation Load Lifter Earth-Class」の略で、「WALL・E」)


あと。
いろいろなことに、いちいち説明がされていないのも素晴らしい。
「SF映画」でもあるわけなのに、その判断はほんと素晴らしい。


しかし、イーヴァは、あのシンプルなルックスなのに
ほんと、生っぽさというか、感情が伝わってくるのが凄い。
ツンデレというかヤンデレ具合も、凄いんだけど。


むちゃくちゃ面白い映画じゃないけれど
ほんと、よくできた、楽しめる映画だった。

walle2.jpg

いや〜もう、たまらなく、いちいち、いろんなシーンが、よくできてますね、ほんと。

Posted by eno at 11:19 PM
December 05, 2008
『newtonica2』発売!

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『newtonica2 Return of the Baby Bird』、ついに発売です!


風邪にやられて2日もダウンしているうちに
『newtonica2』が発売となりました!

iPhone、もしくはiPod touchを、持っていらっしゃるかたは
ぜひ、プレイしてみてください。


前作『newtonica』は、「こする」という、新しい入力手段を持った
デバイスに向けた、「気持ちいい」アクセサリーみたいな狙いのソフトでしたが
『newtonica2』は、前作に比べ、「ゲーム寄り」のソフトとなっております。


前作は、軽いアクセサリーといいつつ
それなりに忙しいプレイスタイルのゲームでしたので
2では、じっくりプレイするタイプのゲームにしました。
時間があるときに、ちょっとプレイ……という感じで
楽しんでいただけたら、と思って作りました。

nc2_enoblog2.jpg

『newtonica2』といいつつ、どこが続編なんだかさっぱりわからないくらい
内容も画面も、前作とガラっと変わっておりますが、話は繋がっておりまして
2では、前作でカクレキャラ的な存在だった、ヒヨコちゃんが主人公です。
正確にいうと、前作のヒヨコちゃんの子どもたちが主人公です。

前作のプレイ中、たま〜に、スペースヒヨコちゃんが
画面の後ろ、宇宙を、大慌てで飛んでいきましたが
その「慌てているわけ」が、今回の2のゲームとなります。


パパとはぐれて、別宇宙にいってしまった、子ヒヨコちゃんたちを
次元ゴールに導いて、パパと再会させよう! というゲームです。
子どもたちとはぐれてしまったから、パパは慌てていたわけです。


といっても、ルールは簡単。
子ヒヨコちゃんたちを、ゴールまで導く、というそれだけ。
画面上にある、スフィアをタッチして、波を起こして
それによって、子ヒヨコちゃんたちを、ゴールまで運んであげるだけです。


なんていうことより、実際にプレイしていただいたほうが
ぜんぜんわかりやすいと思いますので、ぜひ!


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ぜひ、ヘッドフォン装着プレイで。

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子ヒヨコちゃんを、パパと再会させよう!!

というか、させて!!

Posted by eno at 04:22 AM
December 01, 2008
『YMO 78/08』終了。

ymo7808_1.jpg

『YMO 78/08』が終わった。

いろいろと準備も大変だったので
終わった瞬間は、なんだか抜けた感じになった。
終わらないと思っていたイベントが、終わってしまった。

クラス一丸となって、準備に準備を重ねた
文化祭が、終わってしまったような、充実した切ない気分。
実際には、そんな経験ないんだけど。


一緒に準備をしてくれた方々や、出演者のみなさん
そして、遊びにきてくださったみなさん、ありがとうございました。
心から感謝致します。ほんとに面白かった。


正直、詰め込みすぎたと思う。

21時からスタートして、朝6時までやったというのに
出演者が多すぎて、1アーティスト、だいたい20分〜40分という贅沢さ。
そりゃ濃いに決まってる。そりゃ面白いに決まってる。

YMO好きじゃないと、来ても満足いただけないかなあと思って
「誰でも来てー」、という感じでは伝えていなかったんだけど
あそこまでバリエーション豊かで、テンポが良いイベントだったら
YMOを聞いたことがない、という人でも面白かったのではないかと思う。

そのくらい、ボリュームがあって、満足度の高いイベントだった。


デビュー30年を祝う乾杯でイベントはスタート。

最初のアクトは、トベタ・バジュンのライブ。
彼に頼んでよかった。
彼が持っている世界というのは、彼にしかない世界だと改めて感じた。
気持ちのよい風がずっと吹いていたライブだった。
サポートのメンバーも素晴らしいパフォーマンスだった。
イベントの良いスタートが切れた。
いい空気を作ってもらえた。感謝。

次が、しりあがり寿さんとのトーク。
しりあがりさんが、YMOとともに生きていた時代を感じさせられる
愛情溢れる、視点の素晴らしいトークだった。
しりあがりさんのトークが最初にあったおかげで
この日のイベントのトークのカタチを作り出すことができた。
後半には、後で僕のライブにも参加していただくことになる
SUGIZOもトークに加わってもらい、盛り上がった。

最初のトークの熱気も残るまま、o-setsu-yのライブ。
o-setsu-yは、YMOのコピーというかリスペクトバンドだ。
彼らに出てもらって、ほんとによかった。
会場でいちばん喜んだのは僕に違いない、と思うくらい楽しかった。
というか、リハからもう楽しかった。
リハのサウンドチェックで、シンセドラムやシンセの音が鳴るたびに
ニヤニヤしてしまい、幸せな気分でいっぱいになった。

o-setsu-yの完璧なライブで皆がボケーっとする中、次のトークへ。
休むヒマがまったくなくて、幸せである。
2番目のトークは、桑原茂一さんに登場いただき
ユーモアとかコメディの視点からの、YMO話。
スネークマンショー、アルバム増殖への参加という
「内側」の人とのトークによって、イベントの質がぐっと上がる。
茂一さんの、相変わらずの独特の優しさと厳しさを持った喋りで
イベントに、独自の彩りが与えられたのを感じた。ありがたい。

そして、8bit Projectから、斎藤久師さんのライブ。
所謂ピコピコの8bitチューンなサウンドなんだけど
そのクオリティが高いから、聞いていてワクワク盛り上がる。
テクノは音色だというが、その音色が打ち込みも加え、ほんとに見事。
聞いていて、ワクワクしたり、ニコニコする、音の表現のは凄いと思う。
最後の2曲は、Lenaも参加して、矢野顕子役で、在広東少年、そして、Nice Age。
ピコピコのトラックに合わせて、矢野さんが歌うという実にカオス。

続いて、commmonsに協力いただき
今度出るYMOのライブアルバム、EU YMOの先行試聴会。
ロンドン公演や、ヒホンの公演を皆で聞いて盛り上がる。
ヒホンのRiot in Lagosの演奏は、ほんとに素晴らしい。
「ヒホンの以心電信のベースラインが……」とか
ずいぶんとマニアックなトークに、会場がふんふんと付いてきてるのが凄い。

そして、去年の京都でも盛り上がった、snoweffectのライブ。
YMOの和楽器アレンジのライブは、いつもながら、盛り上がる。
今回は、パーカッションも強力になって、輝きが増した。
パーカッションの生のグルーヴが気持ちよかった。
この頃、松武さんが会場にやってきたのだが、snoweffectのライブを
ステージ裏で聞いて「なにこれ?」と驚いていたのが面白かった。

続いて、最後のトークのパート、YMO楽曲大賞の発表。
これは、僕らとは違う人たちが、オンラインで投票受付をしていたものを
このイベントのパートを貸して、発表の場としてもらった。
司会もここだけ、完全にお任せすることができたので、ちょっと休んだ。
ランキング結果は、予想の範囲内だったなあ。
しかし、ここでまだイベントの半分も終わっていないのが凄いことだ。

そして、第4のYMOのメンバー、松武さんのライブ。
当たり前のように、会場が盛り上がる。
千のナイフ、mad pierrotで、このイベントの1つの頂点を迎えた。
松武さんがもっとも、このライブを楽しんでいるように思えた。
ライブが終わって、挨拶にいくと、まるで20代の若者のような笑顔。
みんながライブが終わった松武さんの元に集まって口々に感想を言い
それをニコニコ聞いている松武さん……の図は、なんというか感動的だった。

会場に熱気を残したまま、Riow AraiによるDJがスタート。
この場で、なにをどう鳴らすか、というのがよくわかってらっしゃる。
さらに、それをどう受け止めるかというのを、会場がよくわかってらっしゃる。
DJブースと、会場の気が合ったのなら、そりゃ良いに違いない。
ある意味、このイベントの趣旨を最も良く表現した時間であった。
さすがだ。

そして、安田寿之さんのライブ。
僕は、彼のライブが、リハのときからものすごく気持ちよかった。
あと2回くらい連続して、同じ演奏を聞きたいくらいだった。
彼のライブはトラックがほんとにステキで、面白くて
こんな感想もへんだが、自分の音作りに対して、とても参考になった。
彼の人間というか、キャラクターがなによりよいと思うんだけど。

そして、風邪をおして、サワサキヨシヒロさんのDJ。
勢いあるカオスなプレイなのに、品質を感じるのは流石。
次から次へと、押し寄せるサウンドの洪水に会場が盛り上がる。
風邪で体調が悪いと聞いていたので、彼が来るまで心配だったが
プレイを聞いて、さっぱり心配がいらぬと安心する。
次は僕のライブだったので、安心して、準備をしていた。

で、僕のライブ。
僕は、主催者の1人であり、司会者でもあったわけだが
イベントの終盤のいい時間をいただき、ライブをやった。
この日のために、作ったトラックによるライブ。

1 M16
2 Wild Ambitions
3 MASS
4 Perspective
5 Hi-tech Hippies
6 La Femme Chinoise

4曲目の、Perspectiveは、SUGIZOとの競演。
彼には、バイオリンで参加してもらったのだが、ほんとに誘ってよかった。
彼の演奏で、フロアの空気が変わった。

SUGIZOとは、また一緒にライブをやりたいと思う。
ノリ良く参加していただいたことを、心から感謝したい。

そのPerspectiveは、原曲に近いアレンジであったが
ほかの楽曲は、自分なりに、好きな音にさせていただいた。
せっかくのライブなんだし。DJではないので。

最初は、HASYMOがもしライブでやったらこんなのでは?
というコンセプトを考えていたので、若干、その感じが残る音だったと思うが
僕なりの、「いま気持ちいい音のYMO」、というライブができた。

今回は、ハコがSECOという場所だったのだが
PA……というより、ハコの構造の特性がある場所だったので
リハではかなり念入りにサウンドチェックをして、現場調整をした。
ステージ上で鳴らして、フロアへ駆け下りてチェックし
またステージ上で調整して……の繰り返し。
たぶん、50回くらい、行ったり来たりして、音を完成させていった。
いままでなんど、ライブやらDJをやったかわからないが
こんなに真剣に、サウンドを組み立てたことはない。

PAのTHINK SYNCさんの深いご理解とご協力もあって
結果的に、かなり良い音になったのではないかと思うのだが
来てくださった方に、それが伝わったのなら、嬉しいなあと思う。

そして、最後は友達でもあり、本イベントを一緒に主催した
MC神風YMOによるDJでぐいぐい盛り上がるうちに、イベントは終わった。
イベント全体がおしてしまっていたので、ちょいと短めだったのが残念。
次回あるなら、彼には、いつもの、ぶっ壊れ気持ちよいDJを期待したい。


と、長くなりましたが、イベントレポート。


来年は、「ソリッド・ステイト・サヴィヴァー30周年イベント」
「SSL30」開催、という話もあるので、もしやることになったら
ぜひ、参加していただきたい。


いやー、ほんとに面白かった。楽しかった。

ありがとう!

ymo7808_2.jpg

終わってしまったことだけが、唯一、残念だ。

Posted by eno at 11:58 PM