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October 25, 2006


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吹奏楽コンクール全国大会

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10日以上も更新を休んでおいて、普通に始めますが
(ちょくちょく覗きにきてくださった方には、ほんと申しわけないです)
ブラスバンドの甲子園、「吹奏楽コンクール全国大会」高校の部(後半)を見に行った。

昨年はいつもの会場である普門館が改修工事だったため、一年ぶり。
いったいどこを改修したのかわからない、相変わらずの雰囲気。

テレビなどのメディアで、高校の吹奏楽部が取り上げられるようになったので
チケットはプラチナ化し、今年から指定席制。会場にはダフ屋までおりました。

こんなこと書いて、ますますチケットの入手が困難になっちゃ困るんだけど
高校生のブラスバンドの全国大会は、ほんと面白いんです。
もちろん、ただ演奏を聞きにいくというだけなら、大学や一般の部に行けばいいんだけど
高校生の部、に味わいがあるのです。そこにしかない、感動と体験があるのです。

知らない方もいらっしゃると思うので、書きますが
高校生の部というのは、早い話が、高校の部活=吹奏楽部の戦い。
1年に1度開催される、吹奏楽コンクールのために
日夜、朝練から放課後の練習、土日、休みを使って、ずっと練習を続ける。
高校球児が甲子園を目指して汗を流すように、ずっとずっと練習を続ける。

課題曲が1曲、自由曲が1曲。
課題曲は、複数ある曲からどの曲を選ぶか。
自由曲は、どういう方面の楽曲を選ぶか。
1年間の練習、課題曲と自由曲に対して、どう時間を割り振るか。
そうこうしているうちに問題が発生。
受験勉強で塾に通うために、部活に出られない生徒が出てくる。
そのうち、部活を辞めたいという生徒が現れる。
成績が下がって、ママの登場。部活動なんて、やめちゃいなさい!
辞めないで先輩! わたしだって、トランペットが吹きたい、だけど……。
どんどんと大会は迫ってくる。
上達しないソロ。合わないパートのアンサンブル。一丸になれない合奏。
なんだ、お前ら、冬休みだってのに、この集まりの数!
怒る顧問の先生。ガシャンと扉を閉め、練習場を後に。
どーすんのよ! 先生、怒って出ていっちゃったじゃない。と2年女子。
下を向いたままのトロンボーン1年女子。
なにも言えないままの部長。
そんなこんなで、いくつもの問題を乗り越えることで、音楽が生まれてくる。
自分、他人、チームワークというものに初めて真剣にぶつかり、乗り越える生徒たち。
やがて春休みも過ぎ、「おっ!」という瞬間が、訪れる。一体感。
顧問の笑顔。そうだ、それが音楽だ、お前らいい音、出すようになったじゃないか。
ピッコロの女の子が泣き出すと、それが木管パート全員に伝染する。
が、金管パートは泣かない。
泣くのは、全国大会で賞を取ってからにしようよ! と部長。
よし、これからだな、と、無言で頷く、顧問。

そんな生徒たちが、地区大会、都道府県大会、支部大会と出場し
それぞれ金賞を受賞した、頂点の学校のみが、全国大会へと出場する権利が与えられる。
狭き門。本気で狭い門。
そこが、決勝会場、普門館。吹奏楽コンクール全国大会。
課題曲と自由曲を合わせて、12分間の勝負。
1年間の努力が、一瞬にして終わる。

全校の演奏が終わると、表彰式。
出場校順に、銅賞、もしくは銀賞、金賞が告げられる。
祈る高校生たち。
手を合わせたり、椅子に顔をうずめたり、ハンカチで覆ったり。

「金賞!」を告げられ、歓喜で抱き合う者たち。
「銅賞」「銀賞」を告げられ、涙ぐむ者たち。

いやー、いい肴だ。ヘネシー、ストレートでもう1杯!

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Posted by eno at October 25, 2006 03:13 AM


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