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August 27, 2006


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『もやしもん』と『団地ともお』

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最近は、週にマンガが3〜4冊、小説が2〜3冊、ノンフィクションが1〜2冊と
雑誌を入れたら大変なことになるんだけど、それでもいいバランスになった。

その理由は、マンガが大幅に減ったことにある。
前からその傾向はあったが、最近特に
なるべくマンガは、全巻いっきに読みたいなと思っている。
全巻いっきに読むと、かなり面白いからだ。
コミックが出るたびに1巻ずつは、ちょっと残念だ。
ま、そのくらいが合っているマンガもあるんだけど。

だけど、それができるのは、非常にまれだ。
途中で発見して、面白い気がして、がまんできずに買ってしまう。
それができるのは、たまたまずっと気付かなかったか
少女漫画など、いつもはあまりチェックしないジャンルか
なんとか完結するまでがまんできたか、いずれかだ。

で、最近、がまんできずに買ってしまったのが
『もやしもん』と『団地ともお』。

両方とも、かなり素晴らしいマンガだった。
しかも、両方とも、いっき読みしなくても良いマンガだ。
このくらいの時点で買って正解かもしれない。

『もやしもん』は、「菌」が見える主人公が、農大に入って
その能力のおかげで、ドタバタとあれこれと展開する、学園マンガだ。
「菌」が見えるどころか、「菌」と会話もできる。
この「菌」がたまらなくかわいい。
今まであまり気にしなかった「菌」に対して、愛着がわく。
「菌が見える」という設定が素晴らしい。ありそうでなかった。
「菌が見える」という時点で、マンガなわけだが
その「マンガである」というとこが、スカっとしていて気持ちいい。
笑いながら、「菌」を勉強でき、身近に感じることができます。
こないだ、納豆を練っているとき、「かもすぞ!」という菌の声が聞こえてしまった。
必読。

『団地ともお』は、団地を舞台にした、小学4年生の主人公ともおと
周辺の登場人物の、ちょっとした毎日を描いたマンガである。
ちょっと読むと(1巻は特に)、いわゆる「くんちゃんマンガ」に見える。
『サザエさん』とか『ちびまる子ちゃん』とかに代表される、日常マンガだ。
しかし、読むにつれ、進むにつれ、登場人物が増えるにつれ
それぞれのキャラクターの不安定さが明確になるにつれ
そーゆーマンガとは、全く違うマンガであることに気付く。
というか、読み進めるうちに、世界ができあがり、その世界が頭で構築される。
3巻くらいになると、もう作者のものだ。
個性的で、ダメで、不安定な登場人物たちが、イキイキと生きている。
ぐらぐらと揺れながら、ふわふわと繋がりながら、団地を中心に漂っている。
こちらも必読。

どっちのマンガも、マンガという形式を借りた、独特な世界表現である。
どっちのマンガも、1つの場所を中心として、世界ができている。
どっちのマンガも、魅力ある登場人物にやられる。
どっちのマンガも、現代のファンタジーだ。

どちらも、まず2〜3冊買って(1冊じゃだめ)
ゆっくりと、その世界に入っていくことをオススメします。

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母がアル中、父がDVという、複雑な家庭で育つ沖田くんが、ともおに言う。

「うちの家族ヘンでしょ?
 うちの母さんは意思が足りないし、俺は頭が足りないし、父さんには愛が足りない。
 しかも、一緒に暮らしているのに、それぞれの欠点を補ってすらない。
 家族でいる意味がないよね。
 でも、家族だから、しょうがないんだ」
 


Posted by eno at August 27, 2006 01:11 AM


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