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April 03, 2006


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好奇心と知識欲

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昨晩、ソファで本を読んでいると
息子(こんど2年生)が話しかけてきた。

「すみだタワーってなんのために建てるの?」

我が家の方針の1つは、「子どもの質問には100%答える」ということだ。

子どもの好奇心、知識欲というのは、すごいものがある。
小さい子ほど、あれこれ聞いてくるもんね。
だけど、子どもの質問に対して、親がテキトーに返すことを繰り返していると
だんだんと、子どもから質問がなくなっていくわけだ。
そうなってほしくないから、真面目に向き合って、答えるようにしている。

もっと小さい頃は、「白金のパン屋は、どうして10時に閉まるのか」とか
「今乗ってるタクシーの運転手は、どうして頭に毛がまるでないのか」とか
なかなか、質問自体も、答えるほうも、面白い質問が多かったが
最近は、だんだんと具体的になってきた。
サッカーの日本代表戦を見ていたときも、反則とは思えないプレイで
試合が止まったことに疑問を覚え、オフサイドのルールを教えたが
あまり納得している感じではなかった。
「ルール」というのは、「本当にそれが必要か?」というのもあるから厄介だ。
サッカーの試合中だったので、ちょっと「それどころじゃない」感が
出てしまった気もするんだけど、基本的には、その場で答えるようにしている。

が、あまりにも突然に、すぐに答えるのが難しい質問をされると、ちょっと困る。
昨日も、家に帰る途中で、「天皇はなぜいるのか?」を訪ねられ
「それを答えるのはちょっと時間がかかるから後でもいい?」と返したが
微妙に「逃げた」感じになってしまったので反省したとこだった。

また、答えがわからない場合は、しっかりと「わからない」と言うようにしている。
親が子に、正直に「わからない」・「知らない」と正直に言うことが大切だと思っている。
知ったかぶりは子どもに伝わる。その子も知ったかぶりの人間になってしまう。
「わからない」と言った場合は、その後、親の宿題として調べてきて
後日、しっかりと答えることによって
「わからないことは、自分で調べて、知識を身につける」という習慣が、教えられる。

「すみだタワー…か。あれはテレビの放送を流すんだよ」
「東京タワーみたいに?」
「そうそう。あそこからテレビの放送を流してるって前に言ったろ。
 だけどさ、デジタルっていう放送が始まるんだよ。…いや、始まってるのか。
 その、デジタルっていうテレビの放送を流すために、新しいタワーが必要なんだよ」
「どうして?」
「どうして…か。えーと、今の東京タワーって333mだろ。
 それだとさ、高さが足りないんだよ。デジタルのテレビがちゃんと見えるためには。
 だから、すみだタワーは600mの高さがあるんだ」
「でも、もう始まってるんでしょ。もう見れるんでしょ」
「(よく聞いてるな…)う、うん…始まってるんだけど、ちゃんと遠くの人でも
 デジタルのテレビが見えるように…(いや、そういうことだけじゃ…あれ、なんだっけ?)
 あ、そうだ。あとさ、パパのお友達で、テレビが見られるケータイ買ったって言ったろ。
 ケータイとか車でも、デジタルでテレビが見られるようになっていくんだけど
 そういう人たちが、ちゃんと見えるようにするためには、高いタワーが必要なんだ」
「どうして高くないとだめなの?」
「あのさ、東京にはビルがいっぱいあるじゃん(絵を書きながら)。高いところからじゃないと
 こうやってビビビビビって放送を流しても、高いビルに邪魔されちゃうんだよ」
「へぇー。でも、今もデジタルは見れるんだよね」
「見れる。(鋭いな…)東京タワーが、今の…アナログ…っていうんだけど、今の放送と
 デジタルの放送の両方を流しているんだ。だけど、ちゃんとデジタルをやろうっていうことで
 それで、すみだタワーを建てているんだよ…じゃない、これから建てるんだよ」
「じゃあ、すみだタワーができたら、東京タワーはテレビの放送をやめちゃうの?」
「やめちゃう(…そこ気付いたか)」
「じゃ、すみだタワーができたら、東京タワーはなんのためにあることになるの?」
「え…ぐっ…、あれ、えーと…(あれ…なんのためだ…)」
「水族館とか? エレベータで高いところから見たり?」
「いやっ…、それもあると思うけど…(あれ、なんだっけ? なんの必要性があるんだっけ?)
 …えーと、あ、そうだ。ラジオだよ。ラジオの放送は東京タワーを使い続けるんだ…
 …たぶん。(「たぶん」ってな…)…ちょっとこれは調べてくる」
「デジタルって、今、このテレビで見れるの?」
「見れない」
「じゃ、東京タワーが放送をやめちゃったらどうなるの? 見れなくなったら困るじゃん」
「2010年にすみだタワーが建って、2011年には東京タワーの放送をやめちゃうのね。
 だから、それまでにデジタルが見られるテレビを買わないといけないんだよ」
「えぇーっ!」
「いや、オレも『えぇーっ!』って思ったよ。ていうか、今も思うんだけどさ…」

みたいな会話を30分くらい。

話題はそこから「放送局はなぜ増えないのか」という鋭い質問へ行き
「NHKはなんでCMがないのか」に向かい
「実はテレビのお金はCMやってる会社が出してる」へ流れ
最後のほうには「新聞にチラシが入っている理由」と、テレビに全く関係なくなってきて
10時半を過ぎたので、そろそろ寝なきゃ、という時間切れで終了した。

寝室へ一緒に行ってやり、電気を暗くセットしながら
「わかんないことがあったら、また聞けよ。
 なるべくわかるように答えるし、わかんかったら調べてくるからさ」と言うと

「天皇のこと、明日、教えてね。(覚えとるやん)
 あと、サッカーのオフサイドのルール」

今晩、お答え致します。


Posted by eno at April 03, 2006 02:09 PM


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